Seminar
ゼミナール
効率的な教え方・学び方の究明
篠ケ谷ゼミ
テーマ
教授学習心理学
分類
教養研究
担当教員
篠ケ谷 圭太 Keita SHINOGAYA
ゼミの内容
教育
人の思考・感情・行動
ゼミの特徴
グループワーク型
資格に直結
Q. ゼミではどんなことを研究していますか?

効果的な教え方や学び方について、心理学の視点・研究法を用いて検討しています。例えば、学習者のやる気や性格・勉強の仕方・学校の成績について質問紙で回答してもらったデータを分析し、どのような人がどのような勉強の仕方をしていて、学習内容を深く理解しているのかを明らかにしようとしている研究もあります。その他にも、先生の教え方によって、生徒がどのように感じるのか、やる気や理解の程度はどうなるのかについても、前述と同じようにアンケートなどの研究手法を用いて検討しています。

Q. ゼミの様子は?

毎回2名の発表者を指定し、読んできた文献の内容や、自身の研究計画について発表します。他のメンバ―は小グループに分かれて議論を行い、発表者への質問や、各グループの意見やその根拠を述べていきます。ゼミ生は思ったことを率直に言い合い、楽しく活発に議論をしています。

Q. ゼミの特徴は?

学生はこれまで勉強してきた経験があるので、「教え方や学び方」については、率直に意見を言えるテーマです。ゼミ生が思ったことを積極的に発言できる雰囲気づくりを大切にしています。

ゼミ合宿ではグループで文献を分担して読み、資料を準備して発表を行います。その準備の過程で、学生同士でお互いに協力しながら学んでいます。また、スポーツ好きが多く集まっているのも大きな特徴で、ゼミ合宿ではスポーツ大会を開催するなど、体を動かして積極的に親睦を深めています。

これまでの卒業論文・研究論文のテーマ例
  • 板書における色使いが学習者のノートテイキングおよびテスト形式の好みに与える影響
  • 大学生におけるレポート課題先延ばし行動と満足感
  • 大学生における授業への意欲と学校満足度の関連について
  • 授業における教師の行動が学習者の集中力に与える影響
  • 気晴らしの計画性,時間,頻度が結果に与える影響
  • 高校の部活動での指導方法と生徒の意欲の関連
1年間の主なイベントスケジュール

04月 新ゼミ生歓迎会
08月 夏合宿(教育心理学に関する論文の発表)
11月 三崎祭でゼミナール説明会
02月 冬合宿(心理学の研究法・分析方法の勉強会)
03月 卒業生送別会

OB・OGの就職業界TOP3
  • 金融業(銀行・信用金庫・証券など)
  • 製造業(食品・衣料品・自動車・薬品などのメーカー)
  • 教育・学習支援(学校教職員・学習塾など)
取得者の多い資格
  • 教員免許
学生へのメッセージ

われわれは一生「学ぶ」ことを続けていかなければならず、自分の子ども・生徒・後輩・部下を相手に「教える」立場になることもあります。ゼミで学んだ知識や心理学の視点は、皆さん自身が人生の一場面で学ぶ際・教える際に、必ず役立つものと思います。ゼミでは素朴な意見をぶつけ合いながら、大いに学んでもらえればうれしいです。教えること・学ぶことに興味がある人、グループワークや全体での討論で積極的に発言する意欲のある人を歓迎します。

研究成果

生徒の日々の学習の在り方を考えるには、「予習→授業→復習」という一連のサイクルの中で学習を捉える必要があります。私はその中でも予習に焦点を当て、予習の効果や効果的な予習方法について実験や調査を行い、その成果を『教育心理学研究』という論文誌に掲載してきました。

たとえば中学生を対象とした実験では、生徒の勉強に対する考え方によって予習の効果が変わること(篠ケ谷, 2008)、予習でよい質問が準備できるように「問いのつくり方」を指導することで授業理解が深まることなどが示されています(篠ケ谷, 2011, 2013)。

また、高校生を対象とした調査では、予習によって授業中のメモが増えること、疑問点を把握しながら授業を聞けるようになることが示されました(篠ケ谷, 2010)。さらに興味深いことに、(篠ケ谷,2014)では、予習の効果は一概に決まるものではなく、教師の授業の仕方によって変わることが示されました。この結果は、授業での効果的な教え方(教授法)に関する研究と、家庭での効果的な学び方(学習法)に関する研究を結び付ける重要なものと考えています。またこれらの研究成果を踏まえ、これまで教育心理学や教育方法論の教科書執筆にも関わってきました(慶應義塾大学出版会・弘文堂・新曜社・北大路書房など)。

恒例のスポーツ大会

ゼミ合宿にて

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