講義名 歴史学 ≪昼夜共通≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 水6
単位数 4

担当教員
氏名
武廣 亮平

学習目標(到達目標) 歴史を研究するさまざまな視点や素材(資料)をもとに「歴史とは何か」、「日本史とは何か」という大きなテーマを具体的に探究することで、学生各自が現代社会の歴史的位置づけを把握するとともに、自らを「歴史的世界」の構成者として自覚できるようになる。
授業概要(教育目的) 前期は歴史学の方法や考え方について、代表的な歴史書、歴史を区分するさまざまな方法(時代や地域)、歴史用語などのテーマを設定し、それぞれ具体的な事例をもとに講義を行う。後期は現代における日本の歴史の諸問題を時代順に取り上げ、歴史に対する探究能力を深める。
授業計画表
 
項目内容
第1回オリエンテーション1年間の授業概要とポイントなどを明示する
第2回歴史を学ぶとはどういうことかE.Hカー『歴史とは何か』などを題材に「歴史」の意義について考える
第3回歴史叙述の誕生ペルシア戦争を題材としたヘロドトスの『歴史』を中心に世界各地の歴史書を取り上げる
第4回中国における歴史の叙述司馬遷の『史記』と中国の歴史書の特質
第5回日本古代の歴史書『日本書紀』の神話的歴史意識と天皇の位置づけ
第6回日本中世の歴史書慈円が『愚管抄』に著した朝廷における権力の変遷と「今」
第7回日本近世の歴史書新井白石『読史余論』が説く日本の王朝交替の歴史
第8回時代区分論ヨーロッパの発展段階説と日本の政権所在地による区分論
第9回日本の時代区分論争特に戦後の時代区分論争の争点とその展開
第10回近代日本の歴史学と歴史区分国史、東洋史、西洋史という3区分論とその成立過程
第11回「歴史観」と「歴史認識」を考える「皇国史観」と「唯物史観」、またそれにもとづく歴史事象の理解
第12回新しい世界史を求めて「東洋史」や「西洋史」という枠組みをこえた新たな世界史の提唱
第13回紀年論1-「西暦」の誕生いわゆる西暦の成立の経緯とその普遍性
第14回紀年論2-元号と改元漢字文化圏における紀年法とさまざまな改元の理由
第15回中間のまとめ
第16回「日本史」の新たな成果と課題最近の新たな研究成果や課題などを紹介する
第17回ヤマトから日本へ日本列島の統一権力と「日本」という国号の成立
第18回「天皇」の成立とその権力の特質日本史における権力の問題を考える上で不可避のテーマ
第19回「天皇陵」とは何か学術的な調査を拒む「聖域」の実態と比定までの歴史
第20回「呪詛」と「祟り」の日本史歴史の表舞台には出てこない影の政治史
第21回日本史における戦争表記-乱・役・戦争-「壬申の乱」や「前九年の役」「後三年の役」などを事例として
第22回征夷大将軍と幕府武家政権である「幕府」とそのリーダーである「征夷大将軍」の性格を論じる
第23回歴史資料としての「肖像画」
「伝源頼朝像」の再検討など近年の肖像画研究の成果
第24回武器と合戦の歴史古代の戦争から戦国時代までの武器と戦法の変遷を概観する
第25回『信長記』と『信長公記』織田信長の2つの伝記を比較・分析して「人物史」の課題を明らかにする
第26回東日本と西日本歴史の展開とともに方言や文化の違いなどにも注目する
第27回「日本史」の周縁地域1北海道の独自の文化とアイヌ民族の歴史を中心にまとめる
第28回「日本史」の周辺領域2琉球王国を中心とした列島南西部の独自の歴史
第29回「日本史」の未来日本の歴史は今後どのように叙述され、語られるのかを考える
第30回全体のまとめ
授業形式 講義形式で行う
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
40% 20% 20% 20% 0% 100%
評価の特記事項 授業の理解度を問う試験やレポートの評価を重視する。
テキスト 特に使用せずプリントを配布する。
参考文献 授業中に適宜紹介する。
オフィスアワー(授業相談) 金曜日3・4講目または水曜日3~5講目(研究室)
事前学習の内容など,学生へのメッセージ あらかじめ数時間分の資料(プリント)を配布する予定なので、次回の資料を事前に通読すること。