講義名 法学 ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 金4
単位数 4

担当教員
氏名
末澤 国彦

学習目標(到達目標) 現代社会で発生するさまざまな問題は,多かれ少なかれ「法」の規制を受けている。我々は,「法」を無視して生活することはできない。そこで,本講義では法についての「一般常識」を養うことを目的とする。
授業概要(教育目的) すべての法に共通する基本的な原理・原則,および権利とはどういうことかについて概説する。さらに,裁判員制度の導入に伴い,刑法と刑事裁判手続の概要について説明する。
授業計画表
 
項目内容
第1回法とは何か1年間の授業方針の説明、および、社会における法の必要性について説明する。
第2回法の目的法の主要な目的,すなわち正義・合目的性・法的安定性とはどういうことかについて説明する。
第3回法の社会的機能法は我々の社会でどのような機能を果たすのか、伝統的な機能に加え、現在注目されている機能についても説明する。
第4回法とその隣接領域法と密接に関連する領域である,道徳・慣習・政治・経済とのかかわりについて説明する。
第5回法源①裁判の基準や根拠となる法源のうち,成文法に分類されるものの特徴,およびどのようなものがあるかについて説明する。
第6回法源②裁判の基準や根拠となる法源のうち,不文法に分類されるものの特徴,およびどのようなものがあるかについて説明する。
第7回法の分類①法の分類方法のうち,公法・私法・社会法と実体法・手続法の分類について説明する。
第8回法の分類②法の分類方法のうち,強行法・任意法,一般法・特別法および固有法・継受法の分類について説明する。
第9回法の効力根拠なぜ法は,我々の社会生活を規制するのか,そしてなぜ我々は,法に従うのか,その根拠について説明する。
第10回法の効力範囲法の階層的効力,法の時間的・場所的・人的効力範囲について説明する。
第11回権利の分類①各種の権利のうち公権に分類されるもの,および私権に分類されるもののうち,人格権・身分権の内容について説明する。
第12回権利の分類②各種の権利のうち,私権に分類されるものの中で財産権,支配権,請求権,形成権,抗弁権の内容について説明する。
第13回権利の分類③各種の権利のうち,社会権に分類されるものの内容について説明する。
第14回権利の行使と濫用権利者はどのように権利を行使しなければならないか,そして,一見権利行使のように見えるが実質的に権利行使と言えない権利の濫用について具体例を挙げながら説明する。
第15回中間のまとめまとめ。
第16回義務義務とはどういうことか,権利と義務の関係,義務の分類方法について説明する。
第17回法と裁判法システムの中枢的位置を占めるのが裁判制度であるが,日本の裁判制度はどのようになっているのかについて説明する。
第18回裁判の特質裁判制度は,重要な法的紛争解決手段であるが,いろいろな制約原理があるためシステム自体に限界がある。それらが,一体どういうことなのかについて説明する。
第19回事実の認定裁判の中で法的事実を認定するにはどのような方法で行うのか,また諸般の事情で事実認定が困難・不可能な場合,法はどのようにして事実認定を行うのかについて説明する。
第20回法解釈の意義認定された事実に法を適用して解決を導くためには,法の内容を事実に即して具体化する,法解釈という作業が不可欠であるが,なぜ法解釈が必要なのか,そして誰が解釈をおこなうのかについて説明する。
第21回法解釈の技法法解釈の具体的技法について,具体例を挙げながら説明する。
第22回刑法の基本的な考え方刑法の基本原則である罪刑法定主義について,その意義および各種派生原則について説明する。
第23回刑罰の本質日本の刑法にはどのような刑罰が法定されているのか,そして犯罪行為に対して何のために刑罰が科せられるのかについて説明する。
第24回刑法の機能刑法をはじめとする各種の刑罰法規が我々の社会生活に果たす機能はどのようなものであるかについて説明する。
第25回犯罪論犯罪の成立要件・故意と過失・既遂と未遂・共犯関係について具体的な内容を説明する。
第26回刑事裁判手続の進め方①刑事裁判手続の基本原則と一般的な刑事裁判手続の概要のうち、捜査と公訴の提起について説明する。
第27回刑事裁判手続の進め方②刑事裁判手続の基本原則と一般的な刑事裁判手続の概要のうち、公判と刑の執行について説明する。
第28回裁判員制度一般市民が刑事裁判に参加する裁判員制度について,制度の目的・内容・問題点について説明する。
第29回理解度の確認16回以降の要点のまとめ。
第30回まとめまとめ。
授業形式 講義形式で行う。また,重要なポイントは板書を行う。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
90% 0% 0% 10% 0% 100%
評価の特記事項 定期試験は,内容だけでなく誤字・脱字のチェックも行う。
テキスト 粕谷進著『改訂新版法学入門』和広出版,2600円.
オフィスアワー(授業相談) 水曜日17時30分~19時40分,金曜日12時50分~19時40分,講師室にて行う。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 授業終了時に次回のテーマをアナウンスするので,テキスト等をあらかじめ一読してほしい。また,板書事項が多くなるので,きちんとノートを取ること。