講義名 物理学 ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 木5
単位数 4

担当教員
氏名
石垣 淳

学習目標(到達目標) 自然界の物理現象の観察の仕方や基本的な分析の方法について考えます. 自然界に存在する規則性や法則性を考える事は他の科学分野でも共通する事
でしょう. 社会系の経済学や経営学でも此の手法は重要であります.
授業概要(教育目的) 物理学の場合は,複雑な自然現象の最も基本の部分に着目し,単純化して考える. そのためには,まず観察力を高める必要があります. この事は多くの人が物理学を難しいと思う点かも知れませんが,十分な好奇心と関心があれば見えて来ます. この着眼点を正しく持つことが,問題解決の為に重要です. 単純な原理を組み合わせる事により,全体を理解し,自然現象の本質を見る事ができる. 物理学は面白い。
授業計画表
 
項目内容
第1回 物理学とは何か. 力とは何か. 物理学は難しいと思っているかも知れないが、先人が見つけた原理や法則をその文章や式通りに,素直に理解することから始めて下さい. 運動の第一法則, 第二法則, 第三法則.
第2回 速さと速度. 加速度,平均の速さ.
第3回 作用と反作用. 物体の運動量. 力が作用して運動が始まる. 万有引力.
第4回 仕事,仕事率. 動かない壁を押し疲れても仕事をした事にならない.
第5回 仕事と力積. 運動エネルギーと位置エネルギー.
第6回 エネルギーの定義とその単位. エネルギーによる仕事やその保存則. 熱の仕事効率.
第7回 エネルギー源. 電気,光,熱等様々なエネルギー. ガソリン自動車は多くのエネルギーを捨ている.
第8回 熱と温度の違い. 体温計は熱ではなく温度を測る道具です. 熱の働きを理解する.
第9回 エントロピーとエネルギー. エネルギーの質は変わっても全量は減らない.
第10回 池の氷は何処から凍り始めるか,熱の伝わり方. 固相,液相,気相と熱. 温度,熱,比熱と潜熱. 熱力学.
第11回 温度には限界があるだろうか. 最低の温度と最高の温度. 絶対零度.
第12回 気体分子運動. 断熱膨張の応用. 冷蔵庫やエアコンの動作原理.
第13回 静電気. 電気を流さない物体で静電気ショックを受ける. 便利に使っているのは電流である.
第14回 電気とは何か. 電荷と電子. 電流, 電圧から電力.
第15回 電流と静電気. 感電事故を防ごう. 目で見えない電力を安全に使う.
第16回 磁気力. 磁石の基本的な性質. 電気と磁石の密接な関係.
第17回 不思議な性質の超伝導体. 今でも超伝導現象の物理学による原理の解明は充分ではない.
第18回 光は波か粒子か. 水素原子からの光から原子の構造が解り始めた. 光の色から原子の内部構造を解く.
第19回 波動の重ね合わせ. 波は波と波で強め合ったり弱め合ったり. 自然界の不可解な様々な現象は様々な波の現象として解ける場合がある.
第20回 光は曲がる. レンズや蜃気楼そして陽炎. 強力な目に見えない力.
第21回 物質の最小の基本単位を調べよう. 小さくてなかなか見えてこなかった原子.
第22回 原子の世界. 今まで考えられなかったミクロな世界の現象.
第23回 原子の内部構造. 電子が複雑な規則性で雲の粒子の様に存在している.
第24回 基底状態と励起状態. 多くの場合光は原子内部から出てくる.
第25回 量子物理学とは何. 目に見えない原子や電子の間に働く力.
第26回 原子核. 原子核の内部にはエネルギーが詰まっている. 近距離力.
第27回 質量とエネルギーの関係. 質量とエネルギーは同じ.
第28回 核反応と核分裂. 重たい原子核の反応が原発や原爆のエネルギー.
第29回 核融合反応の核爆弾. 太陽のエネルギーは水素の核融合反応.
第30回 放射能の生物への影響. 放射線. 半減期.
授業形式 教科書を中心に説明をします. 授業中に疑問等ある場合には自由に質問をして下さい.
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
70% 0% 0% 10% 20% 100%
テキスト シップマン自然科学入門 新物理学 学術図書出版社
参考文献 適宜指示する
事前学習の内容など,学生へのメッセージ この物理学は総合科目の一般教養として,文系学生諸君を対象とした授業でありますので,高校の理科系で物理を学習し,その上の大学で専門に物理学を勉強するための講義ではありません.誤解の無い様にして下さい.