講義名 地球科学　≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日･時限 水５
単位数 4

担当教員
氏名
上野　龍之

学習目標(到達目標) 我々の身の回りで起きている自然現象（例えば、雨・風・台風、地震や火山噴火など）の多くは地球に関係したものである。本講義では以下の2つを目標とする。(1）簡単な科学的事実から、地球が起こす/地球で起きる自然現象の原因と結果について理解すること。(2)自然現象（特に災害）が起きそうな/起きた場合、デマに流されず的確に判断する基本的な能力を身につけること。
授業概要(教育目的) 前期は、我々が普段使っている単位が地球に由来すること、毎日影響を受ける気象（天気）現象の起こる原因について、最後に今後の世界にとっても重要な地球環境変動とその要因について、それぞれ解説する。後期は、地震や火山を理解する上で基本となるプレートテクトニクスについて説明し、その上で、火山噴火と地震が起こる理由について解説する。
授業計画表
 
回項目内容
第1回授業ガイダンス授業の進め方や成績の付け方の説明と導入。
第2回地球と物理単位(1)-時間と長さ-過去に使われてきた時間と長さの単位の紹介と、現在の時間と長さの単位が地球を基準にしていること、また、なぜ地球を基準にしたのかを説明する。
第3回地球と物理単位(2)-重さ-重さの単位の由来と、地球の質量を計測する方法を紹介する。
第4回気象(1)-地球の大気-地球大気を構成する物質と、高さ方向への構造を説明する。
第5回気象(2)-物質の三態と熱-気象だけでなく、広範な自然現象を理解するために必要な、「物質の三態」と「熱」について説明する。
第6回気象(3)-上昇気流-太陽の輻射によって、上昇・下降気流が生じる事を説明する。
第7回気象(4)-低気圧の発生-上昇気流によって、低気圧と雲が発生する機構を説明する。
第8回気象(5)-台風-これからシーズンとなる台風の発生と特徴について説明する。
第9回気象(6)-前線-温帯低気圧と温暖/寒冷前線のできる仕組みについて説明する。
第10回地球環境変動(1)-温室効果-地球温暖化が二酸化炭素によって起こる事は知られているが、その理由はあまり知られていない。この講義では二酸化炭素がどのように温室効果を起こすのかを説明する。
第11回地球環境変動(2)-二酸化炭素濃度変化1-温室効果は「悪」との印象が強いが、その恩恵（必要性）についても説明する。また、最近の大気中の二酸化炭素濃度変化について解説する。
第12回地球環境変動(3)-二酸化炭素濃度変化2-測定データの無い時代、あるいは人類が発生する以前の大気中の二酸化炭素濃度を推定する方法とその変化について説明する。
第13回地球環境変動(4)-全球凍結事件-地球史上最大級の気温変動であった全球凍結事件について説明する。
第14回理解度の確認これまでの要点のまとめ。
第15回中間のまとめまとめ
第16回プレートテクトニクス(1)-大陸移動説-地震や火山噴火が起こる理由を知る上で基礎になる「プレートテクトニクス」について、どのような経緯で成立したのか、ここでは大元の考えとなった「大陸移動説」について説明する。
第17回プレートテクトニクス(2)-中央海嶺と海溝-プレートテクトニクスが成立する原因となった海洋底の拡大と沈み込み帯の発見について説明する。
第18回プレートテクトニクス(3)-プレートの構造-地球の地表面は大きく十数枚のプレートに覆われ、それぞれが一体となって移動していることとプレートの構造について様々なデータを元に説明する。
第19回プレートテクトニクス(4)-超大陸-過去に存在していた全ての大陸が一体となった超大陸と、超海洋について説明する。
第20回火山(1)-マグマの成因1-岩石が融けたものが「マグマ」であるが、一般に地下の温度は岩石の融点よりも低いのでマグマはできない･･･と地上に火山があることと矛盾する。この矛盾を解消する仕組みについて基礎的な物理・化学の知識を用いて解説する。
第21回火山(2)-マグマの成因2-マグマができる（岩石が融ける）領域は地球上で限られている。それぞれ領域について、マグマができる原因と過程を説明する。
第22回火山(3)-マグマと火成岩-マグマが固化してできる「火成岩」の特徴を解説する。
第23回火山(4)-火山噴火-火山噴火は大きく火砕噴火と溶岩流噴火に分かれるが、それぞれの特徴と異なる噴火になる原因について説明する。
第24回地震(1)-地震と断層-地震の原因となる断層がどうしてできるか、また良く耳にする「活断層」とはどのようなものかを説明する。
第25回地震(2)-正・逆断層と横ずれ断層-断層は周囲の力の向きによって、異なった動きを示す。場合毎に分けてどのように動くのかを解説する。
第26回地震(3)-震度・マグニチュード-「震度」、「マグニチュード」や「震源域」などの用語について、それぞれの意味と断層との密接な関係について説明する。
第27回地震(4)-地震波の伝播-地震波の種類とそれぞれの特徴（速度・性質・伝わり方等）について解説する。
第28回プルームテクトニクス地震波を用いて分かってきた地球内部の構造と流れについて紹介する。
第29回理解度の確認１６回以降の要点のまとめ
第30回まとめまとめ
授業形式 板書が主であるが、プリントとプロジェクターによる画像で補う。教科書が無いのでノートを取ること。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
（出席） 		その他 合計
90% 0% 0% 10% 0% 100%
評価の特記事項 試験（前期末45点＋後期末45点）と出席（10点）で評価する。
テキスト 使用しない。黒板に板書するので、ノートを取ること。また、ほぼ毎回プリントを配布する。
参考文献 浜島書店編『ニューステージ新地学図表』 浜島書店、本体790円. を挙げておくが、特に買う必要は無い。その他、授業中に紹介する。
オフィスアワー(授業相談) 毎回の授業終了後に30分程度、時間を取って対応するので、教員まで申し出ること。
事前学習の内容など，学生へのメッセージ 理系の基礎知識が無くても（高校で理系科目を受けていなくても）大丈夫なよう、基本的なところから説明する。また、質問は随時（講義中や講義後でも）歓迎する。