 |
 |
学習目標(到達目標) |
今日,人類がかかえている最大の課題である地球環境問題を,とくに経済倫理という観点から考察し,問題の所在とその解決方法を検討する。この講座は,地球環境の現状と将来について正確な知識と見通しをもち,この問題の解決のためにわれわれがどのように行動すべきかについて各人が自分の考えを持つようになること,さらには,そうした解決に向けて実際に最初の一歩を踏み出すことを目標としている。 |
 |
授業概要(教育目的) |
まず今日の地球環境の現状を正確に伝え,具体的にどのような問題があるのかを検討し,それぞれの問題についての解決策を提示する。地球環境問題は科学・技術の進歩・発展と、政治的な協約の締結および法律的諸制度の整備と,個々人の倫理的自覚があってはじめて解決が可能であるという考えのもとに講義を進めていく予定である。 |
 |
授業計画表 |
|
|
|
回 | 項目 | 内容 |
第1回 | 環境倫理学とは何か | 応用倫理学の一部門である環境倫理学の意義と課題の解説 | 第2回 | 共有地の悲劇 | G.ハーディンの「共有地の悲劇」の検討 | 第3回 | 救命ボート倫理と宇宙船倫理 | 環境倫理についての2種の考え方の比較検討 | 第4回 | 土地倫理 | 環境倫理学の父といわれるA.レオポルドの「土地倫理」の解説 | 第5回 | 西洋の自然観 | 『聖書』の自然観と近代科学の自然観の考察 | 第6回 | 東洋の自然観 | 「自然は神聖なり」とする東洋的自然観の考察 | 第7回 | 動物の解放 | P.シンガーとT.レーガンの動物解放論の解説と批判 | 第8回 | 自然の権利 | Ch.D.ストーンの「自然の権利」論の解説 | 第9回 | 持続的発展と世代間倫理 | 異世代間の倫理の必要性とそれに関する種々の問題点の検討 | 第10回 | 地球環境と公正の問題 | 環境問題と社会的正義の問題の考察 | 第11回 | ロールズの正義論 | J.ロールズの「公正としての正義」の意義と問題点についての解説 | 第12回 | エコロジーと経済 | 自然に対する経済的搾取とエコロジーの関係についての解説 | 第13回 | 環境と共生 | 現代における自然や環境との共生のあり方についての解説 | 第14回 | 豊かさとは何か | 真の豊かさとは何かを考える | 第15回 | まとめ | まとめ |
|
|
 |
授業形式 |
多数の受講者が予想されるので,原則として講義形式でおこなう。毎回,講義の最初に前回の講義の要点を話すので,前回欠席していた者はノートを取り,出席していた者は自分のノートをチェックすること。 |
 |
評価方法 |
定期試験
|
レポート
|
小テスト
|
講義態度
(出席)
|
その他
|
合計
|
60% |
0% |
20% |
20% |
0% |
100% |
|
|
 |
テキスト |
小坂国継『環境倫理学ノート』(ミネルヴァ書房) |
 |
参考文献 |
小坂国継・岡部英男編『倫理学概説』(ミネルヴァ書房) |