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学習目標(到達目標) |
①摂関政治・院政とはいかなる政治形態か、また摂関期・院政期の主要事件や時代
状況について説明できる。
②摂関期・院政期を生きた藤原道長・平清盛という人物について説明できる。
③以上を前提に、道長の時代に創作された不朽の古典である『源氏物語』がいかな
る文学作品なのか、それがのちの時代にどのように継承されたのか、またいかに
現実社会を規定したのかについて説明できる。
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授業概要(教育目的) |
本講義では、摂関期~院政期文化について講義する。
摂関政治の全盛期を築いた藤原道長、そして鎌倉幕府の祖型を創出したと再評価が進んでいる平清盛。雅やかな王朝貴族と軍事警察をつかさどる粗野な武士という一見対極にあるかに見える両者は、実は密接な継承関係の中にあったことが近年明らかにされている。
本講義では、文化的事象を単に「暗記する」ことにとどまらず、それらがどのような時代状況の中から生み出されたのか、また文化の政治性に触れることを通じて、政治・社会と文化の相互関係について学ぶことを目的とする。 |
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授業計画表 |
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回 | 項目 | 内容 |
第1回 | ガイダンス | 授業の進め方について説明する。 | 第2回 | 藤原道長と『源氏物語』① | 藤原道長の人生と、当該期の政治・社会について解説する。 | 第3回 | 藤原道長と『源氏物語』② | 紫式部による『源氏物語』がいかなる文学作品かについて解説する。
| 第4回 | 藤原道長と『源氏物語』③ | 『源氏物語』を生み出した宮廷文化と女房の存在形態について検討する。
| 第5回 | 藤原道長と『源氏物語』④ | 近年、国母(天皇母)が摂関政治に大きく関与したことが明らかにされているが、そうした国母による治世が『源氏物語』の中でどのように描かれているのかについて検討する。 | 第6回 | 『源氏物語絵巻』の世界① | 国宝源氏物語絵巻とそこで用いられている絵巻の技法について解説する。 | 第7回 | 『源氏物語絵巻』の世界② | 国宝『源氏物語絵巻』の作成の背景と当該期の天皇家の内部事情について検討する。 | 第8回 | 『源氏物語絵巻』の世界③ | 国宝『源氏物語絵巻』の作成の背景と当該期の天皇家の内部事情について検討する。 | 第9回 | 平清盛と『源氏物語』① | 平清盛の人生と、当該期の政治・社会について解説する。 | 第10回 | 平清盛と『源氏物語』② | 平清盛が造営に尽力し、清盛の文化構想力の壮大さを示すものとして知られる安芸国厳島神社について解説する。 | 第11回 | 平清盛と『源氏物語』③ | 清盛によって厳島神社に奉納された平家納経について解説し、清盛の信仰および納経に込めた清盛の宿願について検討する。 | 第12回 | 平清盛と『源氏物語』④ | 宮廷儀礼の折々に演じ奏された舞楽について知るとともに、『源氏物語』における光源氏と頭中将の「再来」として、平家の公達が舞楽青海波を舞うさまについて検討する。 | 第13回 | 平清盛と『源氏物語』⑤ | 清盛の行動規範としての道長・光源氏の「先例」について解説する。
| 第14回 | 理解度の確認 | 要点のまとめ | 第15回 | まとめ | まとめ |
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授業形式 |
講義形式で行う。
史料・図版を掲載した参考資料を配布するして授業を進める。
講義内容に関連した視聴覚資料(DVD・CD)を用いる。
授業中に小テスト(2~3回、一問一答形式)を実施する。 |
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評価方法 |
定期試験
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レポート
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小テスト
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講義態度
(出席)
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その他
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合計
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60% |
0% |
40% |
0% |
0% |
100% |
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評価の特記事項 |
前期試験(論述式)を行う。
前期試験・小テスト(小テストは出席状況の確認も兼ねる)から総合的に評価する。 |
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テキスト |
テキストは使用しない。 |
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参考文献 |
・古瀬奈津子『摂関政治』岩波新書、2011年、800円
・三谷邦明・三田村雅子『源氏物語絵巻の謎を読み解く』角川選書、1998年、
1600円
・高橋昌明『平清盛 福原の夢』講談社選書メチエ、2007年、1700円. |
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オフィスアワー(授業相談) |
本授業終了後、本館2階講師室において20分間対応する。 |
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事前学習の内容など,学生へのメッセージ |
事前学習は課さないが、授業を受けるにあたっては、参考文献に掲げた著作を読んでおくことが望ましい。
授業中の私語・遅刻に対しては厳正に対処する。 |