講義名 日本文化史 ≪□第一部≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 金4
単位数 2

担当教員
氏名
栗山 圭子

学習目標(到達目標) ①院政期とはいつか、また院政とはどのような政治形態か説明できる。
②院政期、特に後白河院政期の主要事件・人物について説明できる。
③それらを前提に、後白河院政期の文化的特徴と後白河の「政治」について説明できる。

授業概要(教育目的)  本講義では、後白河院という個性的な君主と彼が生きた時代を中心に、11世紀末から13世紀初頭にかけての院政期といわれる時代の文化について検討する。
 従来暗愚な君主として評価されることの多かった後白河院の人生をたどり、その「政治」について考察することを通じて、政治・社会の動きと文化の関係について考えることを目的とする。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス授業の進め方について説明。
第2回後白河院とその時代①後白河院の前半生と当該期の政治・社会について解説する。
第3回後白河院とその時代②後白河院の後半生と当該期の政治・社会について解説する。
第4回『梁塵秘抄』の世界①今様とは何か、またその歴史的変遷について解説する。
第5回『梁塵秘抄』の世界②今様の隆盛を担った、当時の「芸能人」である遊女や傀儡子について検討する。
第6回『梁塵秘抄』の世界③今様に耽溺した後白河院の真の意図について探り、今様の政治的意義について検討する。
第7回絵巻物を読む① 院政期に数多くの優品が作成された絵巻物の代表的作品、技法等について学ぶ。
第8回絵巻物を読む②後白河院が作成に関わったとされる『年中行事絵巻』について解説し、後白河がこの絵巻に込めた意図を読み解く。
第9回絵巻物を読む③後白河院が作成にかかわったとされる『病草紙』について解説し、政治家としての後白河院の関心とその限界について検討する。
第10回信仰の世界①院政期に貴族層に大ブームを巻き起こした聖地熊野への参詣について解説する。
第11回信仰の世界②当時の政治経済の中心地京都から遠く離れ、一見「辺境」の地に見なされる奥州に現出した一大仏教都市平泉の地域特性について検討する。
第12回文化の収蔵と継承①院政期の人々が次世代へ継承すべきと考えていたものは何か、それらが継承されねばならない当時の社会とはどのような社会であったのかを解説する。
第13回文化の収蔵と継承②幾多の天災や戦乱の中で、院政期の人々が「文化財」をいかに保全し、継承したのかについて学ぶ。
第14回理解度の確認要点のまとめ
第15回まとめまとめ
授業形式 講義形式で行う。
テキストは使用せず、史料・図版を掲載したレジュメを配布する。
授業内容に関連した視聴覚教材(DVD・CD)を活用する。
授業中に小テスト(2~3回、一問一答形式)を実施する。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
60% 0% 40% 0% 0% 100%
評価の特記事項 後期試験(論述式)を行う。
後期試験・小テスト(小テストは出席状況の確認も兼ねる)から総合的に評価する。
テキスト テキストは使用しない。
参考文献 棚橋光男「後白河論序説」(『後白河法皇』第一章、講談社選書メチエ、1995年、1500円).
オフィスアワー(授業相談) 本授業終了後、本館2階講師室において20分間対応する。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 事前学習は課さないが、授業を受けるにあたっては、参考文献に掲げた論文を読んでおくことが望ましい。
授業中の私語・遅刻に対しては厳正に対処する。