講義名 地球環境論Ⅱ ≪昼夜共通≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 月5
単位数 2

担当教員
氏名
石垣 淳

学習目標(到達目標) 地球環境問題の現状を把握し, 環境問題を解決する考え方を自然科学の立場から考察,理解する. いま環境問題について様々な意見や情報があふれているが、現在の科学で考えて一番最もであろうと考えられる事柄以外に, 商業的な操作や眉唾的な情報も多々ある.これから社会に出て一人ひとりが責任を持て自分の周囲だけでなくグローバルな地球環境も悪化させないように行動しなくてはならない. その為には少しでも環境問題に対する科学的な知識を持っておかなければならない. この様な点に重点を置いて理解を深めて下さい.
授業概要(教育目的) 何か物があれば, それを取り巻く環境の中に物は存在し,その外側には,更にそれを取り囲む環境が存在します. この様に環境問題は, 孤立した部分だけを考えることは出来ない. そして, 地球は真空状態に近い宇宙空間という環境の中に, 何の支えも無く浮いています. 例えば, 温暖化の問題はその宇宙空間と地球との熱のやり取りを考えなければならない事を理解できて, 初めて解決の方策が見つかることになるであろう. 他方, 様々な環境問題は何らかの形で人口増加, 水, エネルギーと広い意味における廃棄物に関連していると考えられるので,これらの側面から自然科学的に捉えて考察したい.
授業計画表
 
項目内容
第1回 生態系は単なる食物連鎖ではない. 生態系を単純にヒエラルキー構造と捉える事は出来ない.
第2回 地球上の物質を循環移動させ,持続的生命活動を維持する機構. 地球上の生物は進化しながら営々と生命をつなげてきたその持続性は何か.
第3回 陸と海の生物をつなぐ関係. 生態系は魚付き林,水鳥,川を遡上する魚や海の生物の有機的に関連した機構.
第4回 生物の生息域は陸海連続. 物質循環の範囲は広大な領域を考える必要がある.
第5回 廃棄物と循環型社会. 此のまゝでは都市はゴミで埋まって仕舞う. 廃棄物の安全な処理.
第6回 君が排出した廃棄物はどこへたどり着きますか. 宝石以外の全ての物質は最終的に廃棄物になる. 現在高度成長期の社会インフラが廃棄される時期になっている.
第7回 世界人口は現在爆発的に増加している. 特に発展途上国での人口増加は著しくそれに伴って環境破壊や地域的な紛争、戦争が絶え間ない. この様な状況の下で環境破壊も進み人々は住みにくくなっている.
第8回 エネルギーとその使用の意味. 化石エネルギーの使用は人間を重労働から解放したが, 新たな問題を起している.
第9回 化石エネルギー使用の現代. 現代社会は化石エネルギー無しでは成り立たない.
第10回 新しいエネルギー源. 再生可能エネルギー,太陽光発電,風力発電太陽熱の利用や新しい化石エネルギーメタンハイドレート.
第11回 東京では世界中から食料を常に運び込んでいる. 我々の生存のための食料と他の必需品等. 大雪で交通網が遮断すれば餓死者が出る事も考えられる.
第12回 工業化社会と都市. 都市は大量のエネルギー消費無しでは機能しない、そして大量の廃棄物を排出して初めて機能する.
第13回 地球温暖化や寒冷化は難しい問題. 二酸化炭素だけの問題ではない.
第14回 環境主義と現在の経済社会における環境問題. 経済社会の構造と我々の価値観.
第15回 何時まで持続できるか現代社会. 古代都市は森林等のエネルギー資源の枯渇で衰退した例がある.
授業形式 参考資料を配付し説明・講義をする。疑問や理解出来ない説明があれば挙手をし質問をして下さい。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
80% 0% 0% 10% 10% 100%
テキスト 適宜レジュメを配布し説明します. 黒板に板書をして説明しますから,ノートを用いてメモを記録して置いて下さい. 試験前にはレジュメ以外にノートも充分活用して試験の準備をして下さい.
参考文献 適宜指示します.
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 環境論はⅠⅡと半期授業になっているが,ⅠⅡを通した講義内容としていますのでⅠ,Ⅱ両講義を受講して下さい. 新聞やテレビ雑誌等を通して常に社会で起きている環境問題に関心を持っていて下さい. 見聞きしたものはメモに取るようにしましょう.