講義名 地域と文化B ≪□第一部≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 土3
単位数 2

担当教員
氏名
岡本 奈穗子

学習目標(到達目標) ・外国人,移民,難民,国民,国籍,民族,異文化,同化,統合などの各キーワードについて理解し,説明することができる。
・ドイツにおける多文化社会の形成,外国人(移民)政策,統合政策について学び,その推移や特徴を説明することができる。
・日本における外国人をめぐるこれまでの経緯と現状について学び,問題点や今後の課題を提示することができる。
・国境を越えた人の移動によってもたらされる国・地域・個人の各レベルでのメリットと問題点を説明することができる。
授業概要(教育目的) グローバリゼーションの進展に伴い,国境を越えた人の移動が活発化する現在,文化的背景が異なる人々が共に暮らす多文化共生は,今後取り組むべき重要なテーマのひとつである。
少子高齢化による生産労働人口の減少を踏まえ,近年は日本でも移民の受け入れが議論されている。
本講義では,日独における多文化社会の形成過程や現状を概観することにより,多文化共生社会の課題を考察し,授業終了時には多文化社会のあり方について多面的な見方ができるようになることを目標とする。
授業計画表
 
項目内容
第1回オリエンテーション授業の進め方と評価について説明
テーマに関する問題提起を行い,「国民」,「外国人」,「移民」の定義を明らかにする。
第2回世界の人口移動移民をめぐる世界の実情について説明する。
【準備学習】
第1回に配布したプリントを予め読んでおくこと。
第3回ドイツにおける多文化社会の形成1外国人と移民,ドイツ在住の外国人・移民の様相など今日のドイツにおける多文化社会の状況について説明する。
【準備学習】
教科書P.2-5を予め読んでおくこと。
第4回ドイツにおける多文化社会の形成2外国人労働者(ガストアルバイター),難民,ドイツ系移住者(アウスジードラー)の受け入れなどドイツにおける多文化社会の形成過程について説明する。
【準備学習】
教科書P.6-13を予め読んでおくこと。
第5回1998年以前のドイツの外国人政策統合政策の不備によって生じた問題(教育問題,就労状況)について説明する。
【準備学習】
教科書P.13-20を予め読んでおくこと。
第6回ドイツの政策転換1政権交代,東西ドイツ統一,少子高齢化,EU拡大・深化,人材獲得競争などドイツが政策を転換した背景について説明する。
【準備学習】
教科書P.21-22を予め読んでおくこと。
第7回ドイツの政策転換2国籍法改正,移住法制定などドイツの新たな移民政策の内容について説明する。
【準備学習】
教科書P.22-32を予め読んでおくこと。
第8回ドイツにおける多文化社会の課題欧州におけるスカーフ問題を事例に,多文化社会における異文化を巡る対応について説明・検討する。
【準備学習】
教科書P.32-36を予め読んでおくこと。
第9回ドイツの統合政策統合講座,統合計画,イスラム会議,外国人協議会など今日のドイツにおける統合政策について説明する。
【準備学習】
教科書P.37-53を予め読んでおくこと。
第10回日本の外国人政策1「オールドカマー」を巡る歴史的経緯を中心に日本の外国人政策について説明する。
【準備学習】
教科書P.54-60を予め読んでおくこと。
第11回日本の外国人政策2「ニューカマー」を中心に,主として1990年以降の日本の外国人政策について説明する。
【準備学習】
教科書P.60-65を予め読んでおくこと。
第12回日本の外国人政策3日本の外国人政策の現状と今後の課題について説明する。
【準備学習】
教科書P.65-74を予め読んでおくこと。
第13回多文化社会を考える望ましい多文化社会のあり方について解説・検討する。
【準備学習】
教科書P.75-87を予め読んでおくこと。
第14回理解度の確認要点のまとめ
第15回まとめまとめ
授業形式 基本的に講義形式で進めますが,授業時の小レポートなどを利用し,受講者の問題意識や質問等も随時授業に反映させていきたいと考えています。
また,多文化社会・外国人・移民等に関する時事的な問題についてもその都度取り上げます。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
60% 10% 0% 30% 0% 100%
評価の特記事項 出席が3分の2に満たない場合,単位の取得はできません。
毎時間,授業でわかったことを小レポートとして提出してもらい,それを出席点とします(内容が不十分な場合などは出席点になりません)。
テキスト 岡本奈穗子『多文化社会を考える:ドイツの変容と日本の未来』かわさき市民アカデミー出版部
参考文献 内藤正典『ヨーロッパとイスラーム』岩波書店
田中宏『在日外国人 新版』岩波書店
オフィスアワー(授業相談) 月曜日18:00-(要事前連絡)
事前学習の内容など,学生へのメッセージ この講義は,ドイツ文化を紹介する授業ではありません。
授業では,アクチュアルな状況について理解を深めるため,(ほぼ)毎回プリントを配布します。
講義は一度休むとプリントについての説明もわからなくなり,授業全体の内容理解にも不備をきたすことになるので,休まず出席することをお勧めします。