講義名 地域と文化B ≪□第一部≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 水4
単位数 2

担当教員
氏名
礒野 秀和

学習目標(到達目標) 本講義の目指すところは,ヨーロッパの文芸,美術,音楽その他諸芸術の根底にある古典古代的伝統およびキリスト教の影響に関する知見を広め,それらのより深い理解に必要な知識を獲得することにある。
授業概要(教育目的) 前期・後期を通じて,ヨーロッパ世界の共有する精神的遺産たるギリシア神話および『聖書』に秘められている,旧石器時代後期から原始キリスト教成立時代にかけての,大母神信仰の発生から衰亡に至る過程を,多様な角度から概観する。
授業計画表
 
項目内容
第1回『聖書』1 『聖書』なる書物名と〈旧約・新約〉の意味
2 『旧約』の構成と成立年代
3 『新約』の構成と成立年代
第2回『旧約』(1)1 イスラーエール
2 『旧約』の記述に沿ったイスラーエール民族成立史
3 イスラーエール王国
第3回『旧約』(2)1 古代ヅァラスシュトラ教
2 文芸と予言書
第4回『新約』(1)1 イエス・キリスト出現の背景
2 〈イエス〉の添え名
第5回『新約』(2)1 初期キリスト教に影響を与えた2つの古代オリエント宗教
2 福音書によるイエスの生涯
第6回ギリシア叙事詩(1)1 ギリシア叙事詩の成立
2 『イーリアス』(1,トロイアー戦争の背景)
第7回ギリシア叙事詩(2)『イーリアス』(2,登場人物の正体)
第8回ギリシア叙事詩(3)1 『オデュッセイア』と『ギルガメシュ叙事詩』
2 イーリオン落城後日譚
3 『オデュッセイア』梗概と死地よりの生還
第9回ギリシア英雄譚(1)ヘーラクレース譚(12功業と神格化)
第10回ギリシア英雄譚(2)
ギリシア英雄譚(3)
テーセウス譚(1,クレーテーのミーノータウロス退治)
テーセウス譚(2,アテーナイ王テーセウス)
第11回ギリシア悲劇(1)アイスキュロスのオレステース3部作と母系−母権社会の終焉
第12回ギリシア悲劇(2)ソポクレエースのオイディプースを繞る3作品と聖王儀礼
第13回ギリシア悲劇(3)エウリーピデースの『メーデイア』と女神たちの没落
第14回復習とまとめ後期内容分
第15回まとめ
授業形式 いわゆる講義形式
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
90% 0% 0% 10% 0% 100%
評価の特記事項 成績評価は原則として定期試験に拠るが,出席不足の場合は,単位を認定しない。出席調査は,適宜,講義中に行う。
テキスト ギリシア神話および『聖書』の背景 II,礒野秀和著,DTP出版
参考文献 The Greek Myths, Robert Graves, Penguin Books
オフィスアワー(授業相談) 毎講義終了時に,必要に応じ,日時および場所を決めて対応する。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 1 前期の「ヨーロッパ古典入門 I」と後期の「ヨーロッパ古典入門 II」とは極めて密接な関わりがある。それゆえ,この2つの講義を共に受講することを,強く推奨する。
2 ただし,カリキュラム上では,前期の「ヨーロッパ古典入門 I」と後期の「ヨーロッパ古典入門 II」は同一の科目として扱われるので,前期・後期を受講しても,認定されるのは,4単位ではなく,2単位のみである。
3 上の両科目を受講する場合は,前期あるいは後期のいずれかのみの試験を受けて,2単位の認定を得ればよい。