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学習目標(到達目標) |
現在、世界のムスリムの人口は、アジアやアフリカだけではなく、ヨーロッパにおいても増え続け、国際社会におけるそのプレゼンスは、日に日に高まりを見せている。その一方で、九・一一事件以降、アメリカを中心とする西欧諸国から発信された、ムスリムに対する誤った理解や偏見が広まっているのも事実である。本講義では、既存の偏見に惑わされず、受講生一人一人が、イスラーム世界の多様な在り方を理解できるよう、イスラームに関する基礎的知識の習得を目指す。
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授業概要(教育目的) |
本講義では、現代のイスラーム世界を理解する上で欠かせない、前近代イスラーム世界の歴史を扱う。講義の前半部では、教義を中心としたイスラームの基礎的知識について、後半部では、そのイスラームが各地域でどのように信徒を獲得し、受容されていったのかについて、政治史だけではなく、文化史にも焦点をあてながら解説する。 |
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授業計画表 |
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回 | 項目 | 内容 |
第1回 | ガイダンス | 多様な「イスラーム世界」のとらえ方について | 第2回 | 聖典クルアーンの世界 | イスラームの聖典クルアーンとアラビア語について | 第3回 | イスラームとは何か | イスラームの教義、特に六信五行について | 第4回 | イスラームの世界観 | ユダヤ教、キリスト教、イスラームに共通する一神教的宗教観・世界観について | 第5回 | イスラームの伝播 | ムハンマド、正統カリフの時代にイスラーム共同体が拡大していく過程について | 第6回 | ウマイヤ朝の成立とイスラーム共同体の分裂 | 世襲王朝であるウマイヤ朝成立の意義とイスラーム共同体の変質について | 第7回 | アッバース朝の成立とイスラーム法の体系化 | バグダードを拠点に繁栄したアッバース朝とその時代に確立した行政機構・法体系について | 第8回 | イスラーム神秘主義と聖者 | イスラームの浸透に大きな役割を果たした神秘主義教団について | 第9回 | 西方のイスラーム王朝 | イベリア半島と北アフリカへのイスラームの浸透と受容について | 第10回 | キリスト教世界とイスラーム | 十字軍や交易などを通じての、キリスト教世界との関係について | 第11回 | モンゴルとイスラーム | モンゴルの征西がイスラーム世界に及ぼした影響について | 第12回 | エジプトにおけるイスラーム | マムルーク朝の歴史とエジプトにおけるイスラーム文化の発展について | 第13回 | 中央アジアにおけるイスラーム | ティムール朝の歴史と中央アジアにおけるイスラーム文化の発展について | 第14回 | トルコにおけるイスラーム | オスマン朝の歴史とトルコにおけるイスラーム文化の発展について | 第15回 | まとめ | まとめ |
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授業形式 |
講義は、パワーポイントと配布資料を用いた講義形式で行う。可能な限り画像資料を用い、「生の」イスラーム世界を体感できる場としたい。 |
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評価方法 |
定期試験
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レポート
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小テスト
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講義態度
(出席)
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その他
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合計
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60% |
0% |
0% |
40% |
0% |
100% |
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評価の特記事項 |
記述式試験と毎回の講義終了後に提出するコメントシートで評価する。イスラーム世界に関する諸問題について、講義で学習した知識を材料に、論理的に私見を述べられているか、という点を基準に評価する。 |
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テキスト |
テキストは特に指定しない。 |
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参考文献 |
佐藤次高『イスラーム世界の興隆』中公文庫,1600円.
その他、講義中に適宜紹介する。 |
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オフィスアワー(授業相談) |
本授業終了後、本館2階講師室にて20分間は対応しています。 |
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事前学習の内容など,学生へのメッセージ |
授業中に提示した参考文献に目を通すなど、予習・復習に努めてください。また、授業中に質問に答える時間を設けますので、積極的に質問してください。 |