回 | 項目 | 内容 |
第1回 | ガイダンス | この講義内容の目標と全体計画や受講の心得など諸注意を理解する。
【準備学習】
この講義の目標や課題を理解し、早速テキストを読み進める。 |
第2回 | 国民所得とは何か | 所得の形態と一般的本質を踏まえつつ、諸概念の使い分けを理解する。
【準備学習】
テキストの該当箇所を参照しつつ、経済統計の様々な集計方法とその使用目的の違いを大まかに理解する。 |
第3回 | 生産国民所得-1 | ミクロとマクロ、フローとストック、重複計算、付加価値、固定資本減耗、減価償却費、純と粗と総の概念としての区別を理解する。
【準備学習】
テキストに即して生産国民所得という概念の抽象性についても考えてみる。 |
第4回 | 生産国民所得-2 | 粗付加価値と最終生産物の関係、国内と国民、総生産と純生産、経済成長率などの概念と区別を理解する。
【準備学習】
たとえば、GDPとGNP、NDPとNNPの違いは何かなど考えてみる。 |
第5回 | 分配国民所得-1 | 国や地域の居住者の所得総額の捉え方、雇用者所得と営業余剰、所得の移転、所得の再分配、賃金と利潤、個人企業の概念を理解する。
【準備学習】
真の意味の所得とは本来的には何かをテキストからも確認しておこう。 |
第6回 | 分配国民所得-2 | 国民経済計算で用いられる具体的な所得概念について総括的に理解する。
【準備学習】
企業所得や財産所得などの概念もまとめておく。 |
第7回 | 支出国民所得-1 | 消費と投資の合計額としての支出概念、在庫増加・在庫投資、粗支出、消費財と投資財、粗固定資本形成と純固定資本形成などの概念を理解する。
【準備学習】
粗支出と純支出とはどう違うのか考える。 |
第8回 | 支出国民所得-2 | 国民経済計算で用いられる具体的な支出概念について総括的に理解する。
【準備学習】
GDEとGNE、NDEとNNEの違いから考えてみよう。 |
第9回 | 国民所得と輸出入 | 輸出入は生産・分配・支出の概念にどう取り込まれるかを理解する。
【準備学習】
輸出入を考慮した実質国内所得について考えてみる。 |
第10回 | 国民所得と間接税・補助金 | 間接税に伴う市場価格表示の純生産と要素費用表示の純生産の区別と補助金の捉え方を理解する。
【準備学習】
間接税と補助金は生産・分配・支出の概念にどう取り込まれるかを考えてみる。 |
第11回 | 二つの純生産と本来の純生産、間接税増税とGDPの関係 | 間接税のない場合や間接税が価格に転嫁する程度に応じてなど二つの純生産と本来の純生産の関連、間接税増税とGDPの関係などを考える。
【準備学習】
二つの純生産と本来の純生産の概念を確認しておく。 |
第12回 | 国民所得勘定の部門分割と全体的関連 | 複式簿記の原理と国民所得勘定の部門分割について理解する。
【準備学習】
海外部門と国内部門という捉え方に注意する。 |
第13回 | 現代日本の資金循環統計と基礎的財政収支から見た日本の所得再分配構造 | 日本の対外純資産や長期金利、消費税率・所得税率・法人税率の国際比較に基づいて日本の所得再分配構造を考える。
【準備学習】
プライマリーバランス健全化のための税と社会保障の一体的改革の結果とされる消費税増税について考える。 |
第14回 | 理解度の確認 | これまでの要点のまとめ |
第15回 | 中間のまとめ | まとめ |
第16回 | 国民所得の発生要因-1
| 国民経済計算統計が前提とする三位一体論の問題点について深く考えてみる。
【準備学習】
この前提それ自体を社会科学的に特徴づけてみよう。 |
第17回 | 国民所得の発生要因-2
| おもに諸所得の存在要因と同種所得の格差要因について考える。
【準備学習】
賃金、利潤、地代、利子等の発生要因と格差要因とは何かについて考えてみよう。 |
第18回 | 国民所得の量的決定要因-1
| 乗数理論とはどういうものかを学んでみる。
【準備学習】
有効需要の理論と乗数理論のそれぞれの含意とは何かをまとめてみよう。 |
第19回 | 国民所得の量的決定要因-2
| 斎藤理論の独自の功績である乗数理論と再生産表式の接合について学んでみよう。
【準備学習】
乗数理論と単純再生産・拡大再生産表式のそれぞれの含意および両者の接合を考えてみよう。 |
第20回 | 国民所得の分配要因-1
| 所得分配率の定式と要因、パイの理論、ローレンツ曲線、ジニ係数について学ぶ。
【準備学習】
賃金と利潤の分配割合はいかにして決定されるかについての諸説について考えてみる。
|
第21回 | 国民所得の分配要因-2
| 所得の分配率としての利潤率の傾向について学ぶ。
【準備学習】
利潤率の傾向を決定する二つの条件は現実的に何をもたらしてきたのかを考えてみよう。 |
第22回 | 国民所得分析・経済統計と戦後日本経済-1
| 戦後のドル円為替レートと戦後日本の経済成長率、日経平均株価チャートの相関性からみた日本経済の発展段階区分について約70年間のトータルな見方を学ぶ。
【準備学習】
今後配付する各経済統計の基本的な見方をその都度復習しながらマスターしていく。 |
第23回 | 国民所得分析・経済統計と戦後日本経済-2
| 戦後IMF固定為替相場制下での日本の戦後復興・高度経済成長の基本的特徴とGNP統計の意味を理解する。
【準備学習】
国民経済計算としても一時的な黄金時代をなし遂げた1960年代日本経済の客観的競争優位条件はどこにあったのかを具体的に考える。 |
第24回 | 国民所得分析・経済統計と戦後日本経済-3 | 変動為替相場制下での日本経済の発展段階区分をドル円為替レートと先進国の政策金利チャートの両面から考えてみよう。
【準備学習】
とくにニクソン・ショックとプラザ合意が日本経済に何をもたらしたのかを考えてみよう。 |
第25回 | 国民所得分析・経済統計と戦後日本経済-4 | 日本のバブル経済化とバブル崩壊の原因およびバブル崩壊がもたらした影響を歴史的かつ具体的に考える。
【準備学習】
いわゆる「失われた20年」に生じた日本の政治経済構造の巨大な変容過程を歴代政権とその政策決定メカニズムの変化から具体的に掘り下げて考えてみる。 |
第26回 | 国民所得分析・経済統計と戦後日本経済-5
| 現行アベノミクスの政策論を経済統計にしたがって多面的に評価する。
【準備学習】
消費増税・原発再稼働・TPP参加を基本とするアベノミクスの異次元量的金融緩和とはいったい何をもたらしつつあるのか経済統計にしたがって検証する。
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第27回 | 国民所得分析・経済統計と現代世界経済-1 | 英ポンドと米ドルが国際基軸通貨時代の200年を概観しながら100年に一度とされるリーマンショック以後の世界経済に何が起きているのかを考える。
【準備学習】
ドバイショック、ギリシャ危機からEU財政危機へと波及し、G20体制への転換によるBIS/IMF/世銀改革の動向についても考える。 |
第28回 | 国民所得分析・経済統計と現代世界経済-2 | アメリカ債務上限危機とユーロ危機、ウクライナ危機、中東・極東危機など全世界の最新情勢ついても経済統計によって実証的に考える。
【準備学習】
極東情勢悪化の背景にも経済統計が指し示すグローバル経済の大きな変化があることを読み取りたい。
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第29回 | 理解度の確認 | 16回以降の要点のまとめ |
第30回 | まとめ | まとめ |