講義名 経済学史 ≪昼夜共通≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 水5
単位数 4

担当教員
氏名
高橋 宏幸

学習目標(到達目標) 1. 各時代の経済学がどのような時代背景でどのような思想をもった経済学者によってどのように構築・展開されたのかを学習し、その基本的内容や展開過程について説明できるようになる。
2.各時代の経済学や現代経済学の根底にある思想や考え方に目を向け、経済学が様々な価値判断に基づいて組み立てられていることを自ら考察できるようになる。
3.歴史上の経済学が、時代制約性を有していること、さらにはどのような現代的意義を有しているかということを考察できるようになる。
授業概要(教育目的)  各時代の経済学者たちが、どのような歴史的背景のもとで、どのような社会経済問題に直面し、それぞれの経済学を展開したかを解説します。前期では主に、17世紀~19世紀中頃までのイギリス及びフランスにおける経済学の展開を、後期では19世紀末~20世紀中頃のアメリカで活躍した制度学派について講義します。こうした講義を通じて、経済学の理論や思想に関する歴史的な流れ、意義や限界を学習し、経済学には時代制約性があることを学ぶとともに、歴史上の経済学が有する現代的意義についても考えられるようになることを目標とします。
授業計画表
 
項目内容
第1回イントロダクション本講義における目標、方法、講義内容全体の概説等。
【準備学習】
シラバスの授業概要等を読んでおくこと。
第2回経済学史とは経済学史とはどのような学問分野か。経済学史の捉え方、研究方法など。
【準備学習】
テキストの「はしがき」を読んでおくこと。
第3回重商主義の概説各国の重商主義、重商主義の主目的、基本政策等。
【準備学習】
テキストの第2章第1節を読んでおくこと。
第4回イギリスの重商主義①その時代背景、重商主義の政策体系。
【準備学習】
第3回で学んだ重商主義について、ノートおよびテキストで要点を復習しておくこと。
第5回イギリス重商主義②重商主義の経済理論の展開。
【準備学習】
テキストの第2章第2節および4節を読んでおくこと。
第6回フランス重商主義その時代背景、コルベール主義の政策体系、フランス重商主義の帰結。
【準備学習】
テキストの第3章第1節を読んでおくこと。
第7回フランス重農主義①その時代背景、ケネーとその思想形成。
【準備学習】
テキストの第3章第2節を読んでおくこと。
第8回フランス重農主義②ケネーとその経済表、ケネーの経済政策論。
【準備学習】
テキストの第3章第3節および4節を読んでおくこと。
第9回アダム・スミスの経済学①人物像、時代背景、国富の方法、分業論。
【準備学習】
テキストの第4章第1節第1、2項、第4節第4項を読んでおくこと。
第10回アダム・スミスの経済学②交換論、価値論、自然価格・市場価格論。
【準備学習】
テキストの第4章第2節第2、3項、第5節第3項を読んでおくこと。
第11回アダム・スミスの経済学③分配論、資本蓄積論、投資の自然的順序、経済発展論。
【準備学習】
テキストの第4章第5節第4項を読んでおくこと。
第12回リカードとマルサスの経済学①マルサスの人口論、リカードとマルサスの論争。
【準備学習】
テキストの第6章第1節を読んでおくこと。
第13回リカードとマルサスの経済学②リカードとマルサスの経済学の特質の概要
【準備学習】
テキストの第6章第2節を読んでおくこと。
第14回理解度の確認 これまでの要点のまとめ
第15回中間のまとめまとめ
第16回アメリカ制度学派アメリカ制度学派の代表的人物、一般的特徴など。
【準備学習】
テキストの第19章第1節および第2節第1項を読んでおくこと。
第17回T.ヴェブレンの思想形成ヴェブレンの時代と思想形成。
【準備学習】
テキスト第19章第2節第2項のヴェブレンの思想形成に関する箇所(p.216)を読んでおくこと。
第18回T.ヴェブレンの経済学批判ヴェブレンの既存の経済学批判の視点。
【準備学習】
テキストの第19章第2節第2項の既存の経済学批判の箇所(p.217)を読んでおくこと。
第19回T. ヴェブレンの「人間性の概念」①ヴェブレンの能動的主体としての人間把握。
【準備学習】
テキストの第19章第2節第2項の人間性の概念の箇所(p.217)を読んでおくこと。
第20回T. ヴェブレンの「人間性の概念」②本能論の展開、製作本能論。
【準備学習】
テキストの第19章第2節第2項の本能論および制作本能論の箇所(p.218)を読んでおくこと。
第21回T. ヴェブレンの制度論①本能論と制度論、制度形成過程。
【準備学習】
テキストの第19章第2節第2項の本能論と制度論の箇所(p.218)を読んでおくこと。
第22回T. ヴェブレンの制度論②制度進化の理論。
【準備学習】
テキストの第19章第2節第2項の制度進化の理論の箇所(pp.218-219)を読んでおくこと。
第23回T. ヴェブレンの制度進化のプロセス①原始未開段階から略奪文化への制度進化。
【準備学習】
テキストの第19章第2節第2項の制度進化のプロセスの箇所(pp.219-220)を読んでおくこと。
第24回T. ヴェブレンの制度進化のプロセス②略奪文化から現代の金銭文化までの制度進化
【準備学習】
テキストの第19章第2節第2項の制度進化のプロセスの箇所(pp.220-224)を読んでおくこと。
第25回W.C.ミッチェル①ミッチェルの生涯、思想形成、経済学の基本理念。
【準備学習】
テキストの第19章第2節第3項のミッチェルの思想形成と基本理念の箇所(p.224)を読んでおくこと。
第26回W.C.ミッチェル②ミッチェルの資本主義経済制度の把握の仕方―「金もうけ」と「財の生産」
【準備学習】
テキストの第19章第2節第3項のミッチェルの経済学に関する箇所(pp.225-226)を読んでおくこと。
第27回J.R. コモンズ①コモンズの生涯・思想形成・経済学の基本理念。
【準備学習】
テキストの第19章第2節第3項のコモンズの思想形成および基本理念に関する箇所(p.226-227)を読んでおくこと。
第28回J.R. コモンズ②コモンズの資本主義経済制度の把握の仕方―ゴーング・コンサーンの概念―
【準備学習】
テキストの第19章第2節第3項のコモンズの経済学に関する箇所(pp.228-231)を読んでおくこと。
第29回理解度の確認16回以降の要点のまとめ
第30回まとめまとめ
授業形式 講義は、基本的には板書とその解説を中心に進めます。必要に応じてプリントを配布することもあります。毎回欠かさず出席をして、丁寧にノートをとることが重要です。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
70% 0% 0% 30% 0% 100%
評価の特記事項 前期・後期の授業時試験と受講態度(出席)で評価します。
テキスト 山口正春他著 『経済学の歩み』 三恵社, 2013年,2286円+税,ISBN978-4-86487-082-5.
参考文献 適宜、授業中に紹介します。
オフィスアワー(授業相談) 授業内で示したアドレスに連絡してください。回答は次回授業後とします。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 講義に毎回しっかりと出席をし、熱心に学ぶ姿勢をもったやる気のある受講生を望みます。講義においては、各回の授業内容を個別に理解するのではなく、相互に関連付けて比較しつつ考察することが重要です。そのために毎回授業の前に必ず前回の講義内容について復習してください。