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学習目標(到達目標) |
経済分析のための代表的な統計的手法は回帰分析と呼ばれる方法であり,「計量経済学」ではこの手法の習得を主たる目標とする。
1. まず回帰分析の基礎的考え方について学び,簡単な数値例を扱うことができる。
2. エクセルを用いて,実際の経済データについて回帰分析を適用することができる。
3. モデルの検定ができるようになる。
4. より進んだ手法が使えるようになる。
5. 各自が自分の関心を持つ経済活動・社会活動についてのデータを集め,回帰分析を適用し,実証分析のレポートを作成する。 |
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授業概要(教育目的) |
現代の経済分析においては,実際の経済データを用いて経済理論を検証すること(実証分析という)が必須となっている。卒業論文においても,ゼミによってはそのような実証分析が必要となる場合も増してきている。「計量経済学」では,実証分析のために必要な統計的手法について,学部レベルの基礎を習得することを目的とする。 |
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授業計画表 |
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回 | 項目 | 内容 |
第1回 | ガイダンス | 計量経済学とは,消費関数の分析例
| 第2回 | 和記法の復習
| 総和記号の定義と使い方 | 第3回 | データの整理1 | 平均,分散,相関係数の概念の紹介(和記法とエクセルの基本の練習)
| 第4回 | データの整理2 | 平均、分散等の性質をチェック
| 第5回 | 最小2乗法1 | 最小2乗法の考え方
| 第6回 | 最小2乗法2 | 最小二乗推定量の導出,結果の表記法(理論値、残差)
| 第7回 | 最小2乗法3 | 決定係数,エクセルでの単回帰,結果の見方
| 第8回 | 最小2乗法4 | 消費関数の実証例,限界消費性向,弾力性の概念など
| 第9回 | 最小2乗法5 | 最小2乗推定量の基本的性質
| 第10回 | 単回帰1 | 統計的推論への導入:攪乱項への確率概念の導入
| 第11回 | 単回帰2 | t検定,変数選択の方法,土地価格についての例
| 第12回 | 単回帰3 | 最小2乗推定量の性質: 不偏性,一致性,最良線形不偏性
| 第13回 | 多重回帰1 | より一般的モデルへの拡張(説明変数が2つ以上の場合)
| 第14回 | 小テスト1 | 単回帰の問題演習
| 第15回 | 中間のまとめ
| 14回の内容までのまとめ | 第16回 | 経済データについて1 | データの取り出し方,リポートの書き方
| 第17回 | 多重回帰2 | 多重回帰分析の解釈,多重共線性
| 第18回 | 多重回帰3 | 変数の過不足とその影響(実例)
| 第19回 | 経済データについて2 | 名目データ,実質データ,デフレーター
| 第20回 | 経済データについて3 | 価格指数,数量指数
| 第21回 | 決定係数について | 自由度修正済み決定係数,決定係数の解釈について
| 第22回 | モデルの関数型 | 逆数,2次関数,対数変換 | 第23回 | F検定1 | 多数の係数の同時0制約(簡単な場合)
| 第24回 | F検定2: | 線形制約(一般的な場合),構造変化の検定
| 第25回 | ダミー変数1 | 突発的ダミー,定数項ダミー
| 第26回 | 小テスト2 | 範囲は小テスト1以降、F検定の終わりまで
| 第27回 | ダミー変数2 | 係数ダミー,ダミー変数による構造変化の記述
| 第28回 | モデルの拡張1 | 攪乱項の系列相関(ダービン・ワトソン統計量)
| 第29回 | モデルの拡張2 | 攪乱項の系列相関(コクラン・オーカット法 | 第30回 | まとめ | 16回目以降のまとめ
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授業形式 |
講義形式による。個々の統計的手法を学んだあとは,アップロードされている経済データについて,エクセルを用いて実際に分析をを行い,具体的方法を習得する。 |
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評価方法 |
定期試験
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レポート
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小テスト
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講義態度
(出席)
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その他
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合計
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25% |
15% |
35% |
25% |
0% |
100% |
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評価の特記事項 |
特になし |
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テキスト |
山本拓・竹内明香「入門計量経済学 Excelによる実証分析へのガイド」新世社 |
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事前学習の内容など,学生へのメッセージ |
統計学関連の授業を受講した学生は、平均、分散、正規分布、t検定の概念を復習しておくと、授業の理解がより深まる。
また、エクセルを使うため、パソコンに不慣れな学生は、ワードやパワーポイントでも良いので、オフィス関連ソフトを使う練習をしておくとよい。 |