講義名 人口経済論 ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 火1
単位数 4

担当教員
氏名
小川 直宏

学習目標(到達目標) 少子化・高齢化現象と経済・社会変動メカニズムの解明
授業概要(教育目的) 世界人口の増加率がピークであった1960年代には,世界の総人口は2050年に160億人を超えると危惧されていたが,70年代以降急激な出生低下と大幅な死亡改善が世界規模で起こってきており,最新の国連人口推計では96億人と予測している。この結果,20世紀は“人口爆発の時代”であったが,21世紀は“人口高齢化の時代”となるであろうと言われている。この授業では,わが国を含む先進諸国に加え,開発途上国の人口変動と経済学との関係について検討する。また人口高齢化時代の最新指標National Transfer Accounts (国民移転勘定)の世界各国の分析結果を紹介する。
授業計画表
 
項目内容
第1回人口経済学とはコースの概要および人口研究の基本的アプローチを説明する。
第2回世界人口の長期趨勢(I)最新の国連人口推計を用い,世界人口のトレンドを紹介する。
第3回世界人口の長期趨勢(II)最新の国連人口推計を用い,世界人口のトレンドを紹介する。
第4回世界人口の長期趨勢(III)最新の国連人口推計を用い,世界人口のトレンドを紹介する。
第5回人口増加と経済成長 (I)人口成長と経済成長の数的関係を解説する。
第6回人口増加と経済成長 (II)人口成長の基本的なコンポーネントを紹介する。
第7回人口増加と経済成長 (III)生産関数を使い,出生抑制が経済(所得)にもたらすインパクトを説明する。
第8回人口転換理論 (I)人口転換理論と経済の発達段階(ステージ1)を解説する。
第9回人口転換理論 (II)人口転換理論と経済の発達段階(ステージ2)を解説する。
第10回人口転換理論 (III)人口転換理論と経済の発達段階(ステージ3)を解説する。
第11回人口転換理論 (IV)人口転換理論に対する批判を紹介する。
第12回人口理論(I)マルサスの人口論とその問題点を食料問題を例に解説する。
第13回人口理論(II)マルサスの人口論とその問題点を食料問題を例に解説する。
第14回人口理論(III)マルサスの人口論とその問題点を食料問題を例に解説する。
第15回中間のまとめまとめ
第16回出生理論 (I)ライベンシュタインの出生理論を紹介する。
第17回出生理論 (II)ライベンシュタインの出生理論を紹介する。
第18回出生理論 (III)ベッカーの出生理論とnew home economicsを解説する。
第19回出生理論 (IV)ベッカーの出生理論とnew home economicsを解説する。
第20回出生分析に関する基礎知識日本を例に出生分析に必要な基礎的知識を解説する。
第21回死亡変動と健康余命寿命の伸長の動向と健康余命の概念を紹介する。
第22回年齢構造変化(I)出生・死亡などの変動が人口の年齢構造に与える影響を解説する。
第23回年齢構造変化(II)出生・死亡などの変動が人口の年齢構造に与える影響を解説する。
第24回Economic support ratioの考え方人口の年齢構造変化とeconomic support ratioについて解説する。
第25回第一次人口配当の創出人口の年齢構造変化と第1次人口配当が創出されるメカニズムについて説明する。
第26回国民移転勘定 (I)人口の年齢構造変化と国民移転勘定のコンセプトについて解説する。
第27回国民移転勘定 (II)人口の年齢構造変化と国民移転勘定のコンセプトについて解説する。
第28回国民移転勘定 (III)国民移転勘定を用い,世代間および世代内の扶養のシステムの変化を概観する。
第29回理解度の確認16回以降の要点のまとめ
第30回まとめまとめ
授業形式 毎回,講義を中心に進める。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
80% 0% 0% 0% 20% 100%
評価の特記事項 定期試験の結果が大きなウェートを占めているので,授業で習ったことをしっかり身につけて,試験に臨んでください。授業時に行うエッセイ課題も加味する。
テキスト 特になし
参考文献 特になし
オフィスアワー(授業相談) 火曜日 午後3:30~4:30
事前学習の内容など,学生へのメッセージ マクロ・ミクロ経済学の基礎が十分であること。授業に遅刻しないこと。