講義名 マクロ経済分析 ≪□第一部≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 金3
単位数 2

担当教員
氏名
日隈 信夫

学習目標(到達目標) 「マクロ経済分析」では,1年次の「マクロ経済学Ⅰ」をベースとして,マクロ経済理論の基礎力と応用力を習得し,現実のマクロ経済を読み解く目と力をさらに深めることを目標とする。
授業概要(教育目的) 共通テキストを用いる。「マクロ経済学Ⅰの講義範囲」を対象とし,簡単な数値例や実際の統計資料などを用いた学習を行う。具体的には,問題を考えたり,解いたりすることによって,マクロ経済学の考え方や分析手法を学習し,現実のマクロ経済を理解する上での基礎的な力を養う。また,この学習を通じて,2年次の「マクロ経済学Ⅱ」の理解度を上げることにもつながる。
授業計画表
 
項目内容
第1回オリエンテーションマクロ経済分析を受講するにあたって、授業形態、成績評価などについて、ガイダンスを行う。
第2回世界経済と日本経済ミクロ経済学との違いを解説したうえで、世界経済との関連で、世界第3位となった日本経済の現状と今後の動向について解説する。
【準備学習】
第1回に配布した第2回用レジュメをテキストと並行して、読んでおくこと。
第3回GDPの概念と物価指数(1)フローとストック、名目と実質、静学と動学など、マクロ経済学を学習するためのいくつかの概念を解説したうえで、国民所得統計としてのGDPの概念について解説する。
【準備学習】
第2回に配布した第3回用レジュメをテキストと並行して、読んでおくこと。
第4回GDPの概念と物価指数(2)GDPの概念と三面等価の原則について解説したうえで、簡単な数値例を基に、GDPの中身に関連する計算問題を演習する。
【準備学習】
第3回に配布した第4回用レジュメをテキストと並行して、読んでおくこと。
第5回マクロ経済学の枠組み(1)マクロ経済学の枠組みとして、日常生活における「歴史的時間」とマクロ経済学における「抽象的時間」の違いを解説したうえで、「短期」と「長期」の違い、「総供給曲線」と「総需要曲線」の関係について解説する。
【準備学習】
第4回に配布した第5回用レジュメをテキストと並行して、読んでおくこと。
第6回マクロ経済学の枠組み(2)マクロ経済学の枠組みとして、「短期」における総供給曲線と「長期」における総供給曲線の違いから、「有効需要の原理」と「セイの法則」について解説する。その後、「短期」と「長期」のそれぞれにおける物価水準と産出量の決定過程について解説する。
【準備学習】
第5回に配布した第6回用レジュメをテキストと並行して、読んでおくこと。
第7回財市場の分析(1)財市場の分析として、消費や投資といった総需要を構成する経済変数に関連して、消費関数、投資の限界効率、投資関数から、均衡国民所得決定の過程について解説する。
【準備学習】
第6回に配布した第7回用レジュメをテキストと並行して、読んでおくこと。
第8回財市場の分析(2)財市場の分析として、財市場の均衡式から、財政政策の有効性と乗数について解説する。その後、簡単な数値例を基に、均衡国民所得や乗数に関連する計算問題を演習する。
【準備学習】
第7回に配布した第8回用レジュメをテキストと並行して、読んでおくこと。
第9回資産市場の分析(1)資産市場の分析として、資産の特性とワルラスの法則について解説したうえで、貨幣の機能、債券価格と利子率の関係から、貨幣の保有動機(貨幣の需要)について解説する。
【準備学習】
第8回に配布した第9回用レジュメをテキストと並行して、読んでおくこと。
第10回資産市場の分析(2)資産市場の分析として、貨幣の種類と乗数について解説したうえで、貨幣の供給について解説する。その後、貨幣市場の均衡と利子率の決定について解説する。
【準備学習】
第9回に配布した第10回用レジュメをテキストと並行して、読んでおくこと。
第11回資産市場の分析(3)資産市場の分析として、貨幣市場の均衡式から、金融政策の有効性について解説したうえで、簡単な数値例を基に、乗数に関連した計算問題を演習する。
【準備学習】
第10回に配布した第11回用レジュメをテキストと並行して、読んでおくこと。
第12回IS-LM分析(1)IS-LM分析として、財市場の均衡式からIS曲線、貨幣市場の均衡式からLM曲線を導出して、IS-LMモデルの基本的な仕組みを解説する。
【準備学習】
第11回に配布した第12回用レジュメをテキストと並行して、読んでおくこと。
第13回IS-LM分析(2)IS-LM分析として、IS-LMモデルにおける財政政策と金融政策の有効性について解説したうえで、その際の阻害要因となる「クラウディング・アウト」、「流動性のわな」および「投資の利子非弾力性」について解説する。
【準備学習】
第12回に配布した第13回用レジュメをテキストと並行して、読んでおくこと。
第14回IS-LM分析(3)簡単な数値例を基に、IS曲線、LM曲線、均衡国民所得、均衡利子率などに関連する計算問題を演習したうえで、マクロ経済学Ⅱへと繋げる(対応させる)べく、各市場との関連で、封鎖経済、短期モデルの総復習を行う。
【準備学習】
第13回に配布した第14回用レジュメをテキストと並行して、読んでおくこと。
第15回理解度の確認これまでの単元を簡単に復習し、要点をまとめたうえで、定期試験を行う。
【準備学習】
これまで配布したレジュメを参考文献と並行して復習し、定期試験の準備をしておくこと。
授業形式 講義・演習形式,小テスト
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
80% 0% 0% 20% 0% 100%
評価の特記事項 相対評価が導入され、成績評価はこれまで以上に慎重かつ公平に行う必要がある。そのため、出席や受講態度も重要な評価対象となる。熱心に受講する学生を高く評価する。
テキスト 毎回配布するレジュメを使用し、板書およびパワーポイントによる解説を行う。
参考文献 吉川洋『マクロ経済学』第3版 岩波書店,2940円.
中谷巌『入門マクロ経済学』第5版 日本評論社,2940円.
オフィスアワー(授業相談) 質問、要望などがあれば、配布する「質問票」以外にも、授業前後など、気軽に声をかけていただきたい。その他、授業内で配布するレジュメ記載の指定アドレスに連絡していただきたい。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ この授業では、1年次の「マクロ経済学Ⅰ」で学んだ内容として、マクロ経済学で取り扱われる3つの市場のうち、財市場と貨幣市場を取り扱い、両市場の基本モデルから、IS-LMモデルに至るまでの基本的な骨組みを復習する。こうして、常に、マクロ経済学の基本的な全体像を意識しながら、学習を進めていく。同時に、各単元に関連した数値例や統計資料を提示し、簡単な計算問題を解いていくことによって、マクロ経済学Ⅱに対応した学力を定着させる。そのため、毎回の出席だけでなく、授業前には、前回までのレジュメを確認し、授業後には、レジュメとノートを復習し、理解できる個所と理解できない個所を整理しておくことが望ましい。