講義名 アジア経済論 ≪昼夜共通≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 月5
単位数 4

担当教員
氏名
郭 洋春

学習目標(到達目標) アジア地域の経済パフォーマンスを経済的側面からだけではなく,政治的・社会的側面など様々な初側面を交えながら解説し,そのダイナミズムについて理解する.
前期は、アジア経済を始め開発途上国経済を分析する上で,理論的フレームワークとなる開発経済学について習得する,後期はアジア地域を巡る諸問題について,様々な角度から解説を行い,アジア経済を重層的に理解する.
授業概要(教育目的) 講義の進め方は,前期にアジア経済を理解する上で重要な理論的枠組みとなる開発経済学について解説した後,後期はアジア地域を取り巻く様々な諸問題について,具体的事例を中心に解説を行っていく.特に,アジアを取り巻く諸問題についてはアジアが,受講生にとって身近な問題として理解できるよう進めていく.そのためには,教師による一方通行的な授業ではなく,双方向的授業を目指す.
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンスアジア経済論の目的・内容・成績評価方法・諸注意などについて解説する.
第2回世界の中のアジア世界の工場・消費市場としてのアジアのダイナミズムを理解する.
第3回アジアはなぜ発展したのか①アジア発展のメカニズムを理解する.
第4回アジアはなぜ発展したのか②アジア発展のメカニズムを理解するとともに、それが他の開発途上国にも適用できるかどうかについて解説する.
第5回グローバリゼーションとアジアグローバリゼーションとはどのような現象を指すのか、その今日的特徴は何かについて解説する。
第6回アジアと通貨危機①グローバリゼーションの負の側面として噴出したアジア通貨危機の実態と背景について解説する.
第7回アジアと通貨危機②アジア通貨危機が新たな通貨危機=21世紀型通貨危機であることを解説し、昨今の世界的金融危機との関連について理解する。
第8回アジアとFTA昨今、TPPの加盟問題で注目を浴びる自由貿易協定=FTAの目的と内容、その経済効果について解説する.
第9回アジアとAPEC①世界最大の経済協力たいといわれるAPECの設立の背景、変遷過程などを解説する.
第10回アジアとAPEC②2020年に完成を迎えるAPECに対する日本政府の戦略等について解説する.
第11回アジアに浸透するジャパナイゼーション①ポップカルチュアとして知られるジャパナイゼーション誕生の背景について解説する.
第12回アジアに浸透するジャパナイゼーション②ジャパナイゼーションの日本の外交政策=真の日本理解に有効かどうかについて解説し、アジアから見た日本のジャパナイゼーションの意義について理解する.
第13回観光産業から見た日本とアジア総合産業として21世紀の日本経済を主導する観光産業の現状を解説すると共に、観光産業発展の可能性を検討する.
第14回日本の中のアジア外国人の受入れが日本社会に及ぼす影響について解説する.
第15回前期まとめ-国際舞台で活躍するアジア1980年以降世界の政治・経済・社会的舞台で活躍しているアジアの実相を解説する.
第16回開発経済学の今日的課題経済とは何か、開発とは何かについて開設し、開発をめぐる諸議論の整理を行い、われわれが普段使用している開発概念の危険性について理解する.
第17回萌芽期の開発経済学開発経済学という学問が生まれた歴史的背景を解説する.
第18回物的成長から人間の成長への開発経済学新たな開発政策としてのBHNアプローチを解説する.
第19回もう1つの潮流としての開発経済学①第三世界運動の中から生まれら従属理論について解説する.
第20回もう1つの潮流としての開発経済学②第三世界運動の中から生まれら従属理論の今日的課題について解説する.
第21回復活した新古典派経済学アジア経済が注目されるきっかけとなった『OECDレポート』を解説しながら、アジア経済の成長要因について理解する.
第22回量から質への転換を図る開発経済学①それ以前の量的増大=成長という考え方から、質的発展=成長へと転換を図るきっかけとなった人間開発・社会開発概念を解説する.
第23回量から質への転換を図る開発経済学人間開発概念のもつ意義・課題について解説しながら、真の豊かさとは何かについて理解する.
第24回市場の論理に挑戦する制度派経済学社会的共通資本から見た資本主義社会の問題点を解説し、真の豊かさを追求する上で、社会的共通資本が果たす役割と課題について理解する.
第25回循環の経済学開発経済学の再生=平和経済学の構築に向けて必要な要素である、循環について解説し、準が他社会とは何かについて理解する.
第26回地域自立の経済学①自立とは何か、地域自立とは何かについて解説する.
第27回地域自立の経済学②地域自立を達成する動きとしての地元学・地域学を開設し、生命系に根差した地域経済の実現可能性について理解する.
第28回持続可能の経済学持続可能な開発とは何かについて解説し、持続可能性が秘めた問題点・課題を理解するとともに、平和経済学の実現可能性について理解する。
第29回アジアの抱える諸問題残されたアジアの課題を概観する。
第30回試験試験
授業形式 教師による一方通行的な授業ではなく,双方向的授業を目指す.具体的には,講義途中での質疑応答はもちろん,学生同士によるディッスカッション(バズセッション),意見の発表(これらは主に後期)と毎授業ごとの理解度テスト(通年)を行う.また,ビデオなどの視聴覚教材も多く取り入れ,多角的な理解の深化を図る.
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
50% 10% 40% 0% 0% 100%
評価の特記事項 全ての評価項目で万番なく点数を取らないと合格しないので、履修者は真摯な態度で授業に臨むこと。
テキスト 前期:郭洋春『現代アジア経済論』法律文化社(毎回予習してきて持参すること)
後期:郭洋春『開発経済学』法律文化社(毎回予習してきて持参すること)
参考文献 郭洋春・戸崎純・横山正樹編『環境平和学』法律文化社
郭洋春・戸崎純・横山正樹編『脱「開発」へのサブシステンス論』法律文化社
郭洋春『アジア経済論』中央経済社
オフィスアワー(授業相談) 本授業終了後、本館2階講師室にて20分間は対応しています。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 受講生の皆さんには,教師の話を聞くだけ,という受動的姿勢で臨むのではなく,自らの頭で問題を見つけ,考え,解決策を創造するという主体的姿勢で参加して下さい.また,授業の運営に支障をきたす行為(私語,携帯電話,授業途中での入退室、内職等)は,慎んで下さい.