講義名 中小企業論 ≪昼夜共通≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 月5
単位数 4

担当教員
氏名
和田 耕治

学習目標(到達目標) 20世紀において進展した資本の集中・集積に伴う企業の大規模化は、大量生産・大量消費型の社会を構築させ、我々の生活を飛躍的に豊かにさせた。しかしながら、近年においては、大企業支配型の社会の問題性も顕在化するようになり、20世紀型生産体制の変革の必要性が唱えられている。変革に関するその回答のひとつは、中小企業型社会の構築があげられよう。中小企業の柔軟性ある専門化(フレキシブルスペシャライゼーション)による協業は、フォーディズムにとって代わる可能性を秘めている。本講義では以上を問題意識としつつ、歴史的、空間的な広がりのなかで中小企業の位置付けを考える 。
授業概要(教育目的) 本講義では、以下の項目に関する理解を深めることを教育目的とする。
1.中小企業の定義と地位
2.中小企業観の変遷
3.中小製造業の実態と問題
4.ベンチャービジネス
5.中小商業の実態と問題
6.まちづくり
7.中小企業政策の変遷と課題
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス講義プランと中小企業論を学ぶ意義
第2回中小企業で働くということ中小企業で働く意義について、説明します。
第3回日本における中小企業の定義と地位 1.事業所数
2.従業員数
3.出荷額
第4回中小企業の定義と地位(欧米)1.EU
2.アメリカ
3.イギリス
4.ドイツ
5.EU
第5回中小企業の定義(アジア)1.中国
2.韓国
3.台湾
第6回下請分業構造の類型1.問屋制下請
2.工場制下請
3.構内下請
第7回業種別下請分業構造  1.自動車産業
2.電機産業
第8回産業集積の理論1.旧集積論
2.新集積論
第9回産業集積の類型 1.大都市加工型集積
2.企業城下町型集積
3.産地型集積
第10回中小製造業の海外進出(その1) 1.わが国製造業の海外投資
2.産業空洞化の進展 
第11回中小製造業の海外進出(その2)海外現地法人の可能性と東アジア製造業の位置づけの変化
第12回ベンチャービジネスの定義1.清成論
2.松田論
3.金井論
第13回ベンチャーブームの展開と支援政策 1.第1次ベンチャーブーム
2.第2次ベンチャーブーム
3.第3次ベンチャーブーム
第14回都市型産業論をめぐる議論の展開1.ニュービジネス
2.アーバンビジネス
3.大都市零細企業論
第15回ベンチャーキャピタルとインキュベーション1.ベンチャーキャピタル
2.インキュベーション
第16回商業集積 1.商業集積のタイプ(商圏)
2.商業集積のタイプ(都市類型)
3.商業集積のタイプ(形成理由)  
第17回中小商業の現状 1.減少する小売店
2.中小小売業を取り巻く環境の変化
3.現在、中小商業で起きていること  
第18回スーパーとコンビニ  1.高度成長期のスーパー
2.安定成長期のコンビニエンスストア
第19回大規模小売店舗法の規制緩和と廃止 1.大規模小売店舗法(昭和48年施行)
2.大規模小売店舗法の規制緩和
3.小売商業振興政策  
第20回商店街の活性化と学生1.広島本通り商店街
2.高知帯屋町商店街
第21回商店街活性化と地域資源1.帯広市
2.函館市
3.豊後高田市
第22回中小企業政策の展開(その1)1.戦後復興期 1940年代後半-50年代前半、経済民主型中小企業政策
2.高度成長期 1950年代後半?60年代前半、産業構造政策型中小企業政策   
第23回中小企業政策の展開(その2)   3.高度成長期末から安定成長期 1970-80年代、多様化する中小企業政策
4.バブル経済崩壊以降 1990年代以降
第24回1999年の中小企業基本法の改正 1.中小企業基本法の改正
2.中小企業新事業創出促進法の制定
第25回中小企業基本法改正以降の中小企業政策(その1)1.新連携
2.地域資源活用促進プログラム  
第26回中小企業基本法改正以降の中小企業政策(その2)3.農商工連携促進法の制定
4.中小企業憲章の制定
第27回中小企業の取引公正化1.下請代金支払遅延等防止法
2.下請企業振興法
第28回中小企業と労働1.中小企業企業における労働問題
2.中小企業における労働政策
第29回中小企業と金融1.中小企業の資金調達
2.政府系中小企業金融機関
3.信用金庫
4.信用保証制度
第30回講義授業のまとめ1年間の講義をまとめます。
授業形式 講義形式で行う。受講者の理解を促進するために視聴覚教材を使用する。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
80% 20% 0% 0% 0% 100%
評価の特記事項 レポートの提出がない場合は、評価の対象としない。また、定期試験は持ち込み不可とします。
テキスト テキストは4月に指示します。
参考文献 授業の都度、参考となる文献を紹介します。
オフィスアワー(授業相談) 兼任講師なのでオフィスアワーはありません。
相談のある人は、授業終了後に対応します。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 経済学部の学生なので、経済学の理論はよく勉強しておいてください。