 |
|
|
学習目標(到達目標) |
この講義では初歩的なミクロ経済学を習得した者が，伝統的な消費者選択および生産者行動の理論を、より理論的で厳密な手法を用いた詳細な分析によって理解し、その方法を習得する。この科目では，経済主体の意思決定および市場均衡の理論のうち、部分均衡分析および一般均衡分析による競争均衡の性質や基本的な厚生経済学を習得する。併せて，より進んだミクロ経済学に不可欠な偏微分と全微分を含む初歩的な微分，およびラグランジュ乗数法を用いた、『制約付き最大化』の手法など、詳細で正確なミクロ経済理論の習得とモデル分析を用いた理論の現実適応力の獲得を目指す。 |
|
|
授業概要(教育目的) |
中級ミクロ経済学Ⅰでは，下記のテキストの第１章「消費者行動」、第２章「生産者行動」，第３章「市場均衡」の範囲を半期１５回の授業を通じて学習する。ミクロ経済学Ⅰ・Ⅱで学習した図による表現を数式によって置き換えることで、ミクロ経済学の直感的理解から、より進んだ経済学で求められる、厳密な論理性をスムーズに身につけて行く。なお，本講義では少なくとも高校レベルの微分の理解を前提として講義を組み立てるので，あらかじめ復習をしておくことが望ましい。
|
|
| 授業計画表 |
|
|
|
| 回 | 項目 | 内容 |
| 第1回 | 授業ガイダンス | 授業計画，授業方針の説明。中級ミクロ経済学Ⅰで学ぶ内容と対象を説明。 | | 第2回 | 消費者行動① | 選好，嗜好と効用 | | 第3回 | 消費者行動② | 効用最大化と最適消費計画 | | 第4回 | 消費者行動③
| 所得・価格変化と需要 | | 第5回 | 消費者行動④ | 消費者行動理論の応用
双対性 | | 第6回 | 生産者行動① | 企業，生産者行動，生産関数 | | 第7回 | 生産者行動② | 短期利潤最大化行動 | | 第8回 | 生産者行動③ | 長期利潤最大化行動 | | 第9回 | 生産者行動④ | 生産者行動理論の応用
双対性 | | 第10回 | 市場均衡① | 部分均衡分析
消費者・生産者余剰分析と社会的厚生 | | 第11回 | 市場均衡② | 一般均衡分析：ワルラス均衡 | | 第12回 | 市場均衡③ | 一般均衡分析：パレート効率性 | | 第13回 | 市場均衡④ | 市場メカニズムの再検討
| | 第14回 | 理解度の確認 | 要点のまとめ | | 第15回 | まとめ | まとめ |
|
|
|
| 授業形式 |
PowerPointおよび板書による講義形式。１回２０分程度の小テスト５回と練習問題提出５回。PowerPoint資料は、講義資料としてエコリンクで配付する。 |
|
| 評価方法 |
|
定期試験
|
レポート
|
小テスト
|
講義態度
（出席）
|
その他
|
合計
|
| 50% |
0% |
20% |
10% |
20% |
100% |
|
|
|
| 評価の特記事項 |
少人数クラスですから、講義形式とゼミナール形式を併用した授業を行います。したがって授業での発言等は授業態度の加点評価となります。練習問題を一度も提出していない者は評価の対象としません。 |
|
| テキスト |
奥野正寛編著，『ミクロ経済学』，東京大学出版会 |
|
| 参考文献 |
奥野正寛編，『ミクロ経済学演習』，東京大学出版会， 西村和雄，『ミクロ経済学』，東洋経済新報社， 奥野正寛・鈴村興太郎，『ミクロ経済学Ⅰ・Ⅱ』岩波書店， H. Varian, Economic Analysis, Norton |
|
| オフィスアワー(授業相談) |
水曜日２時限。事前にアポイントを取って下さい。 |
|
| 事前学習の内容など，学生へのメッセージ |
ミクロ経済学は抽象的で難しい科目と思われがちですが，『与えられた状況下での最適な選択とは何か』を分析する学問です。じっくり理解が難しいところを残さずに学習すれば。身近な我々の日常の行動を論理的に説明する最強のツールを身につけられます。理論を現実に当てはめながら理解すれば、ミクロ経済学ほど明快で役に立つ学問は他にはありません。ミクロ経済学は理論の段階的学習が不可欠です。特に中級ミクロ経済学では数学的論理性が求められます。講義を欠席しないこと、問題演習を必ず提出することが重要です。講義の進捗状況や受講学生の理解度によって、配付資料や授業順序が変わる場合には、エコリンクで最新の資料を配付します。 |