講義名 交通経済論Ⅱ ≪□第一部≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 金1
単位数 2

担当教員
氏名
加藤 一誠

学習目標(到達目標) 【テーマ】道路と空港を中心とした交通政策:本講義では歴史的経緯や参考になる海外事例を含め,道路と空港を中心にした交通政策を解説します。
 皆さんは交通をしばしば利用しているのに,その政策を意識している人はそれほど多くないでしょう。そこで,この講義を通じ,(1)見かけた交通事象を「なるほど」と思え,(2)新聞で報道される交通のしくみや制度を知るようになりましょう。
授業概要(教育目的)  担当者の能力ゆえ,講義で話す事例は道路と航空・空港に偏ります。交通経済論Ⅰを履修していなくても理解できるように,最初の2時間で交通政策を概観するための視点を説明します。近年はインフラ・ファイナンスに注目が集まっておりますので,その概念や具体例もお話しします。
 具体的には,「普通の道路の通行料は無料?」「なぜ,儲からないのにがらがらの道路があるの?」「羽田の国際線が話題になる理由」「はずれる需要予測」「観光で飯が食えるのか」といった内容を理解してもらおうと思います。
授業計画表
 
項目内容
第1回はじめに~交通の特徴をいくつかの観点から説明します(1) 経済の視点から交通サービスやインフラを見るとはどういうことか。
(2) 交通経済論Ⅰを履修していなかった人向けにポイント解説。
第2回交通政策を考えるための視点(1)効率と公正,規制とその撤廃,費用と便益
第3回交通政策を考えるための視点(2)公と民,財源調達
第4回道路政策(1)国土計画,道路整備五カ年計画,特定財源とプール制,受益者負担の考え方
【事前学習】第5回までに全国道路利用者会議(2010)の指示した箇所を読むこと。
第5回道路政策(2)有料道路と課金,償還制度,民営化
第6回航空政策(1)幼稚産業としての航空産業,戦争,インフラ整備
【事前学習】教科書第1部第1章を第7回までに読むこと。
第7回航空政策(2)経済発展にともなう需要の増加と規制緩和,新幹線との競争,LCC
第8回空港の所有形態と効率性空港の生産性とは?,効率性の計測手法
【事前学習】教科書第2部第2章を読むこと。
第9回空港経営運営から経営へ,非航空系収入の増大と民間的手法の導入,国管理空港のコンセッション
【事前学習】第11回までに教科書第2部第3章を読むこと。
第10回わが国における空港の整備・維持制度と空港政策空港整備勘定,航空機燃料税,着陸料,空港種別(会社管理・国管理・特定地方管理・地方管理・共用),空港収支
第11回インフラの新しい財源調達手法プロジェクト(向け)ファイナンス,民営化とは,レベニュー債,保証の意味,エクイティと債務
【準備学習】参考書 加藤(2013)第1章を読むこと。
第12回航空・空港と観光外国人観光客の増大と観光の多様化,航空ネットワークの役割と自治体の戦略
【事前学習】教科書第3部第3章を読むこと。
第13回今後の航空・空港政策首都圏の容量拡大をどうするか,地方路線をどのように拡大・維持するのか,乗員や整備士をどのように確保するか
第14回理解度の確認要点のまとめ
第15回まとめまとめ
授業形式 基本的には板書。ハンドアウトを配布します。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
80% 0% 20% 0% 0% 100%
テキスト 関西空港調査会編『空港経営と地域』成山堂書店,2013年5月(予定)。
参考文献 〔1〕加藤一誠「交通政策における「地域の視点」-道路政策を事例にして-」『経済地理学年報』55(1),2009.
〔2〕加藤一誠(編著)『交通インフラ・ファイナンス』成山堂書店,2013.
〔3〕全国道路利用者会議『道路行政』平成21年度版,2010.
〔4〕村上・加藤・高橋・榊原『航空の経済学』ミネルヴァ書房,2006.
オフィスアワー(授業相談) 火曜日13時半から14時半(必ずメイルで予約すること)。