講義名 簿記Ⅱ ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 水5
単位数 4

担当教員
氏名
挽 直治

学習目標(到達目標)  本講義では,簿記Ⅰの学習内容を踏まえ,発展・個別論点について網羅的に検討する。とくに株式会社会計については,企業会計基準委員会(ASBJ)が発表した各会計基準,内閣府令,財務諸表等規則ならびに法務省令,会社計算規則の内容に関する知識を一層深めながら,簿記会計の応用力の増進を図ることを目標とする。
授業概要(教育目的)  本講義では,個々の会計処理方法と計算過程を単に習得するだけではなく,なぜ,そのような会計処理が行われるのか,それは国際的にも要請されているのか,その背景と根拠についても検討する。
授業計画表
 
項目内容
第1回講義ガイダンス小テストの日程,期末試験についてのガイダンスを行う。なお,簿記一巡の手続を正確に理解しているかを問う予備テストを行う。
第2回8桁精算表の作成,損益計算書の役割試算表,決算整理,貸借対照表,損益計算書の一覧表である8桁精算表の作成練習を行う。損益計算書(報告式)の基本フォームを習得する。
第3回現金・預金取引現金の範囲,銀行勘定調整表の作成,当座借越の会計処理。
第4回有価証券取引(1)有価証券の範囲,有価証券(社債券)の取得と売却の会計処理。
第5回有価証券取引(2)有価証券の評価基準,貸借と預り。
第6回債権・債務取引債務保証と未決算勘定の会計処理。
第7回手形取引(1)手形の裏書譲渡,自己指図為替手形と自己宛為替手形の意義と記帳。
第8回手形取引(2)不渡手形の会計処理と偶発債務の記帳法を習得する。
第9回棚卸資産の評価基準と評価方法棚卸資産の評価基準に関する国際的動向,棚卸資産の評価方法と売上原価の関係を検討する。
第10回商品の特殊売買取引(1)実現概念および販売形態別の収益の認識基準に関して検討する。未着商品売買,委託販売,受託販売の販売形態の特徴を整理する。
第11回商品の特殊売買取引(2)割賦販売,試用販売に関する販売形態の特徴を整理し,複数の記帳法を習得する。
第12回固定資産取引(1)有形固定資産の取得原価に係る配分の意義,配分方法ならびに無形固定資産の意義について検討する。
第13回固定資産取引(2)固定資産の取得・売却・除却の会計処理を習得する。
第14回総合問題演習既習の内容すべてに関しての問題演習を行う。簿記一巡の手続を正確に理解しているかを問う。
第15回中間のまとめまとめ
第16回講義ガイダンス小テストの日程,期末試験についてのガイダンスを行う。中間試験を返却し,解説と講評を行う。
第17回本支店会計本支店の会計はどのような取引記帳が行われるのか,その概要を習得する。
未達取引の記帳法,本店支店の財務諸表の合併手続を理解する。
第18回株式会社の設立と増資株式会社は設立と増資に際し,会社法においてどのような法規制がなされているのかを検討する。
第19回創立費,開業費,株式交付費繰延資産の計上がなぜ認められているのか,国際的動向を踏まえ検討する。
第20回投資有価証券満期保有目的の債券の会計処理(償却原価法)を習得する。
第21回社債の発行と満期償還社債の意義について検討するとともに,社債発行時・償還時の会計処理,社債利息の計算を習得する。
第22回社債の買入償還社債の買入償還の記帳法を習得する。
第23回純資産の部の表示,繰越利益剰余金の処分資本と利益の峻別の意義について考察するとともに,繰越利益剰余金の処分に関する会計処理を会社法を踏まえ検討する。
第24回決算整理
一定の会計期間の経営成績と一定時点の財政状態を明らかにするため,期末の帳簿を締め切り整理する一連の手続を習得する。
第25回試算表の作成期中の未処理事項,決算整理手続の記帳を正確に理解しているかを問う。
第26回損益計算書と貸借対照表の作成損益計算書と貸借対照表の作成表示に関する問題演習を行う。
第27回損益計算書と貸借対照表の基本フォ-ム各項目の表示方法を検討する。
第28回総合問題演習(1)既習の内容すべてに関しての問題演習を行う。
第29回総合問題演習(2)総合問題演習の解答と解説を行う。また適宜質問の時間にあてる。財務会計の知識を含め,総合的な簿記会計の処理手続・表示方法に関して問う。
第30回まとめまとめ
授業形式  簿記の上達は一方的に講義を受けるだけではなく,自ら練習問題を解き,問題点を明らかにして習得するほかない。本講義では,問題解決能力を向上させるため,練習問題の解答練習を繰り返し行う。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
70% 0% 25% 5% 0% 100%
評価の特記事項 講義中,積極的に質疑応答した学生は加点評価する。
テキスト 渡部裕亘・片山覚・北村敬子編著『検定簿記ワークブック2級(商業簿記)』中央経済社,700円(税別).
参考文献 宇南山英夫・渡部裕亘・三浦敬著『簿記演習講義(第5版)』東京経済情報出版,3,300円(税別).
中央経済社編『新版会計法規集(第6版)』中央経済社,2,100円(税別).
オフィスアワー(授業相談) 月曜日,3時限終了後,本館2階
事前学習の内容など,学生へのメッセージ  簿記の科目は性質上,期末試験の直前に網羅的内容を詰め込むことは困難であり,会計学の基礎をしっかりと築くための重要なステップであることを忘れないでほしい。なお,簿記Ⅰをすでに履修済であることが望ましい。