講義名 国際会計論 ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 金4
単位数 4

担当教員
氏名
石原 裕也

学習目標(到達目標) 1.企業活動を計数的に捉える能力を習得することができる。
2.わが国の会計制度にすでに取り入れられ,また今後もおそらく取り入れられ続けるであろう国際会計基準(IFRS・IAS)について,その成立の歴史,基礎概念,また具体的会計制度の内容を理解することができる。
3.国際会計基準の内容を単に知るということだけではなく,実際に会計処理がどのように行われるのかということまで習得することができる。
授業概要(教育目的)  わが国の会計制度が「会計ビッグバン」といわれる大きな変化の時代を迎えてすでに10年以上の歳月が過ぎました。その背景には,会計制度の国際的コンバージェンスがあるといわれ,わが国ではこれが国際会計基準の受け入れというかたちで現れています。本講義は,このような国際会計基準を学ぶことにより,これまで学んできた財務会計の知識と技術をブラッシュ・アップするとともに,今後のわが国会計制度の進む方向を探ることを目標とします。
授業計画表
 
項目内容
第1回オリエンテーション講義の進め方,成績評価の方法などを説明します。
第2回わが国会計制度の歴史と会計の概念フレームワーク(1)会計観の先駆としての損益法・財産法とともに,わが国会計制度の成り立ちについて学びます。
第3回わが国会計制度の歴史と会計の概念フレームワーク(2)今日的な会計観として資産・負債観と収益・費用観について学びます。
第4回わが国会計制度の歴史と会計の概念フレームワーク(3)収益・費用観と資産・負債観との決定的な相違点を学び,それが会計全体に与える影響を探ります。
第5回わが国会計制度の歴史と会計の概念フレームワーク(4)わが国会計制度における基礎的概念の変遷を素材として,会計概念の変化がが会計制度に及ぼす影響について説明します。
第6回わが国会計制度の歴史と会計の概念フレームワーク(5)今日の米国基準および国際会計基準における概念フレームワークについて説明します。
第7回有形固定資産会計(1)有形固定資産の意義・範囲,当初認識・測定,再測定について説明します。
第8回有形固定資産会計(2)有形固定資産の減価償却,認識の中止について説明します。
第9回棚卸資産会計(1)棚卸資産の意義・範囲,当初認識・測定について説明します。
第10回棚卸資産会計(2)棚卸資産の原価配分方法,再測定について説明します。
第11回金融商品会計(1)金融商品の意義・種類・分類,当初認識・測定について説明します。
第12回金融商品会計(2)金融商品の認識の中止,再測定について説明します。
第13回金融商品会計(3)複合金融商品会計,デリバティブズ会計,ヘッジ会計について,それらの概略を説明します。
第14回理解度の確認これまでの要点のまとめ
第15回中間のまとめまとめ
第16回ストック・オプション等会計(1)株式報酬の意義,費用認識について説明します。
第17回ストック・オプション等会計(2)公正価値の測定,条件変更時の取扱いについて説明します。
第18回収益会計(1)収益の意義・範囲,認識・測定について説明します。
第19回収益会計(2)取引の識別と各取引の処理について説明します。
第20回工事契約の会計(1)現行のわが国基準における工事契約の会計と国際会計基準における工事契約・工事契約収益・工事契約原価の意義について説明します。
第21回工事契約の会計(2)工事契約収益・工事契約原価の認識・測定,予想される損失の認識について説明します。
第22回リース会計(1)リースの意義・範囲,ファイナンス・リースの分類基準について,わが国基準と対比しながら説明します。
第23回リース会計(2)リース借手の会計処理について説明します。
第24回リース会計(3)リース貸手の会計処理,セール・アンド・リースバック取引について説明します。
第25回減損会計(1)減損損失の定義,減損処理の目的,減損損失の手続きについて説明します。
第26回減損会計(2)回収可能価額の測定方法,減損損失の戻し入れについて,わが国基準と比較しながら説明します。
第27回連結会計(1)連結の範囲,連結手続について説明します。
第28回連結会計(2)連結手続,持分法について説明します。
第29回理解度の確認16回以降の要点のまとめ
第30回まとめまとめ
授業形式  板書による解説を中心としますが,特定のテーマについて受講生諸君への質問も行います。つまり,教員とのディスカッションということも考えています。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
45% 0% 45% 0% 10% 100%
評価の特記事項  2回の試験での得点を評価の基本としますが,講義中における,受講生諸君の見解の提示等,積極的な講義参加の姿勢も評価の対象とします。
テキスト 石原裕也著『企業会計原則の論理』白桃書房,2,800円(税別)
菊谷正人他著『IFRS・IAS徹底解説』税務経理協会,3,000円(税別)
オフィスアワー(授業相談)  本講義終了後,本館2階講師室にて20分間は対応しています。もちろん,講義中および講義終了直後の教室における質問も受け付けます。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ  国際会計基準の受け入れ問題等,昨今,会計関連のニュースがしばしば報道されています。受講生諸君は,日頃から新聞等に目を通し,いま会計あるいは会計制度の世界で何が起こっているのかということに関心をもってもらいたいと思います。