講義名 企業経済学Ⅱ ≪□第一部≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 月4
単位数 2

担当教員
氏名
池内 健太

学習目標(到達目標) この授業では、ミクロ経済学の基礎的な理論を応用し、企業の抱える諸問題について政策的な観点から分析できる能力を身につけることを目指す。また、企業の存在理由について経済学的な観点から、事例を交えながら俯瞰的に説明できる能力を身につける。
授業概要(教育目的) 企業経済学Iの学習内容をベースにして、企業の活動および成長が経済全体に与える影響と企業の存在意義について、理論的な厳密性を重視して解説する。また、理論のみでなく、データを用いた実証分析の方法や事例についても紹介する。
授業計画表
 
項目内容
第1回企業経済学とは何か企業経済学Iの講義内容を復習し、企業経済学の目的と方法について議論する。
第2回企業活動と経済成長企業活動と経済成長(GDPの成長)との関係性について、「生産性」の概念を中心に解説する。
第3回イノベーションと生産性企業の生産性向上をもたらすイノベーションについて解説する。
第4回研究開発と知的所有権知識のスピルオーバー、産学連携、特許制度など企業の研究開発に関するトピックについて議論する。
第5回市場構造と企業の戦略的行動独占や寡占など市場構造と企業の戦略的行動について議論する。
第6回企業の境界企業の合併・買収(M&A)を中心に、企業の境界に関する議論について解説する。
第7回企業の資本構成の理論 企業の資本構成に関する「モジリアーニ・ミラーの定理」について解説する。
第8回最適成長率の理論投資の調整費用と「トービンのq」について解説する。
第9回無形資産投資と企業価値研究開発やソフトウェア、従業員への教育訓練、ブランドといった企業の無形資産投資と企業価値の理論と近年の実証研究について解説する。
第10回企業の存在意義(1)分業の利益について解説し、市場取引と雇用契約を対比しながら企業の存在意義に関する論点を提示する。
第11回企業の存在意義(2)「取引費用節約手段」としての企業の存在意義について解説する。
第12回企業の存在意義(3)「残差権の所有者」としての企業の存在意義について解説する。
第13回企業の存在意義(4)「名声の担い手」「経営資源の集合体」としての企業の存在意義について解説する。
第14回理解度の確認要点のまとめ
第15回まとめこれまでの学習の振り返り
授業形式 講義形式を基本とするが、グループワークやゲーム形式も取り入れ、できる限り学生主体の授業を行う。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
70% 0% 0% 20% 10% 100%
評価の特記事項 定期試験の結果と出席回数に加えて、ゲーム形式の授業における得点を評価に加味する。
テキスト 小田切宏之著『企業経済学(第2版)』東洋経済新報社,3360円.
参考文献 浅羽茂著『企業の経済学(日経文庫)』日本経済新聞出版社,872円.
オフィスアワー(授業相談) 講義終了後(毎週月曜日の16時10分から17時まで)。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ ミクロ経済学Iと企業経済学Iを履修していることを前提にして講義を行います。授業内容に関する質問や意見など、主体的な参加を歓迎します。