回 | 項目 | 内容 |
第1回 | ガイダンス
1 ミクロ経済学とは何か | 本講義で担当教員が独自に導入する,コンピュータを用いた学習管理システム(LMS)の使用方法を説明する。各回の準備学習・事後学習はこのLMSを通じて行う。また,ミクロ経済学とはどのようなものであったかを(なんとなくのイメージでもよいので)思い出してもらう。 |
第2回 | 2 需要と供給 (1) | 経済学で最も重要な需要の概念と,それを表す需要曲線とは何か,需要曲線のシフトについて学ぶ。(2.1 需要曲線) |
第3回 | 2 需要と供給 (2) | 需要と同じく経済学で最も重要な供給の概念と,それを表す供給曲線とは何か,供給曲線のシフトについて学ぶ。(2.2 供給曲線) |
第4回 | 2 需要と供給 (3) | 価格と需要の関係を,需要の価格弾力性という概念によって考える。(2.3 弾力性) |
第5回 | 2 需要と供給 (4) | 価格と供給の関係を,供給の価格弾力性という概念によって考える。(2.3 弾力性) |
第6回 | 2 需要と供給 (5) | 需要曲線と供給曲線によって市場で価格がどのように決まるか,それらはどのように変化するかを,市場均衡という概念によって考える。(2.4 市場価格の決定) |
第7回 | 3 消費の理論 (1) | 市場の需要側の側面を担う主体である家計(消費者)は,限られた予算で買える財・サービスから得られる満足が最大になるよう消費行動を行うとミクロ経済学では考える。この消費者の「満足」の大小を表す効用関数という数学的な概念について説明する。(3.1 家計と企業,3.2 効用関数) |
第8回 | 3 消費の理論 (2) | 第7回で学習した効用関数から,無差別曲線というグラフを導出し,その性質を考える。(3.4 無差別曲線)
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第9回 | 3 消費の理論 (3) | 「限られた予算で買える」ということを予算制約線というグラフによって表し,無差別曲線と併せて,家計が限られた予算内で満足を最大にするときにどのような性質を満たしているかを考える。(3.3 予算制約線,3.5 主体的均衡点) |
第10回 | 3 消費の理論 (4) | 所得が変化すると家計の消費行動がどのように変化するかを第7〜9回で学んだ理屈に従って考える。(3.6 所得効果と代替効果) |
第11回 | 3 消費の理論 (5) | 所得が変化すると家計の消費行動がどのように変化するかを第7〜9回で学んだ理屈に従って考える。(3.6 所得効果と代替効果) |
第12回 | 3 消費の理論 (6) | 価格変化の効果を,純粋な価格変化の効果と所得変化の効果に分けて考え(スルーツキー分解),各々の財の需要曲線を導出する。(3.6 所得効果と代替効果,3.7 需要曲線) |
第13回 | 4 消費理論の応用 (1) | 第7〜9回で学んだ家計の消費行動の理屈を,労働の供給に応用してみる。(4.1 労働供給) |
第14回 | 4 消費理論の応用 (2) | 第7〜9回で学んだ家計の消費行動の理屈を,現在と将来の時間を通じた消費と貯蓄の決定に応用してみる。(4.2 消費と貯蓄の選択) |
第15回 | 5 企業と費用 (1) | 市場の供給側の側面を担う主体である企業は,自社が有する生産技術の下で利潤が最大になるように生産行動(生産要素投入量の選択)を行うとミクロ経済学では考える。この企業の「生産技術」を表す生産関数という数学的な概念について説明する。また,そこから等産出量曲線というグラフを導出し,その性質を考える。(5.1 企業の目的,5.2 生産関数,5.3 等産出量曲線と等費用線) |
第16回 | 5 企業と費用 (2) | 企業の目的である「利潤」は「収入−費用」によって定義されるので,「利潤が最大」になっているためには,収入が同じならば費用は最小になっていなければならない。等費用曲線というグラフを導入し,家計の場合と同様に,等産出量曲線と等費用線から,ある生産量を生産する場合に費用が最小になっているときにはどのような性質を満たしているか考え,生産量と最小費用の関係を費用関数(そのグラフが費用曲線)という概念で表す。(5.3 等産出量曲線と等費用線,5.4 費用関数,5.5 費用曲線) |
第17回 | 5 企業と費用 (3) | 第16回で学習した費用関数から,限界費用と平均費用という概念を考える。また,生産期間に関して長期と短期の区別を導入し,それぞれにおいて費用・限界費用・平均費用を考える。(5.5 費用曲線,5.6 長期と短期の費用曲線) |
第18回 | 6 生産の決定(1) | 第16・17回で学習した費用関数を用いて企業の利潤を最大にする生産量を求める。(6.1 利潤の最大化) |
第19回 | 6 生産の決定(2) | 企業の利潤を最大にする生産量と限界費用および平均費用との関係を考える。(6.1 利潤の最大化)
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第20回 | 6 生産の決定(3) | 第19回で学んだ内容から,個別の企業および各々の財の市場の供給曲線を導出する。(6.2 供給曲線,6.3 市場の供給曲線) |
第21回 | 7 市場と均衡 (1) | ミクロ経済学における市場に関する重要な仮定である完全競争の概念について説明する。また,市場均衡ではない状態から市場均衡が自動的に実現するか否かに関する調整メカニズムおよび均衡の安定性に関する議論の代表的なものを紹介する。(7.1 完全競争,7.2 市場価格の調整メカニズム) |
第22回 | 7 市場と均衡 (2) | 市場で財が取引されることによって家計や企業がどれだけ「得」をしているかを表す消費者余剰・生産者余剰という概念を導入し,それらが需要曲線・供給曲線のグラフによってどのように表されるかを確認する。また,社会全体の「得」である社会的余剰とアダム・スミスの有名な「見えざる手」との関係についても触れる。(7.3 市場取引の利益) |
第23回 | 7 市場と均衡 (3) | 第22回で学んだ各余剰の概念を用いて,政府による市場取引への介入が余剰の観点からどのような変化をもたらすのか,それが望ましいものであるか否か,理論的な評価の仕方を学習する。(7.4 政策介入のコスト) |
第24回 | 7 市場と均衡 (4) | 経済における資源配分の望ましさを「パレート最適」という観点から定義し,家計の効用最大化および企業の利潤最大化(費用最小化)との関係を考察する。(7.5 資源配分の効率性) |
第25回 | 7 市場と均衡 (5) | パレート最適という望ましさの基準は絶対的なものではなく,一般には複数のパレート効率的な資源配分間の別の基準による選択が必要となることを指摘する。また,市場均衡とパレート最適性の関係についての厚生経済学の基本定理を紹介する。(7.5 資源配分の効率性,7.6 厚生経済学の基本定理) |
第26回 | 8 要素価格と所得配分 (1) | パレート効率性以外の望ましさの基準として,所得分配に関していくつかの具体例を紹介する。(8.5 所得再分配政策) |
第27回 | 8 要素価格と所得配分 (2) | 4章および6章の応用として,労働市場や資本市場において,賃金率や資本のレンタルコストといった生産要素の価格がどのように決まるかを,家計の利潤最大化や企業の利潤最大化を通して考察する。(8.1 要素価格の決定) |
第28回 | 8 要素価格と所得配分 (3) | 供給量が決まっている土地という特殊な生産要素を持つ所有者は,そうでない場合より多く「得」することができる。このことを「レント」という概念で把握する。(8.2 レントと固定的な生産要素)
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第29回 | 理解度の確認 | これまでの要点のまとめ |
第30回 | まとめ | まとめ |