回 | 項目 | 内容 |
第1回 | イントロダクション | 講義計画と成績評価に関する説明を行った上で,金融論を学ぶ目的と分析の対象となる経済主体について具体的な事例を用いて解説します。
【準備学習】
シラバスの内容を予め読んでおくこと。何故金融論に関心があるのか(無いのか)を自分なりにメモしておくこと。 |
第2回 | 企業金融の基礎(1) | 企業金融論の対象,財務諸表の構成,投資・資金調達・資金繰りについて解説します。これらの知識は講義全体を通じて参照される重要な概念です。しっかり理解するようにしてください。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,企業の貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)の基本的な構造を予習しておくこと。 |
第3回 | 企業金融の基礎(2) | 企業の資金調達を経済学的に考える上でのベンチマークとなるMM定理とその限界を学んだ上で,最適資本構成に関する議論を行います。また,金融面(資金調達面)の制約が企業行動へどの様な負の影響を及ぼす可能性があるかについても議論します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,関心のある企業のウェブサイトからB/Sをダウンロードして出力しておくこと。 |
第4回 | 金融システムの概要、銀行の役割(1) | 間接金融,直接金融,市場型間接金融の概念について概観した上で,株式市場,国債市場,社債市場,為替市場などの主たる金融市場やその他の市場(例:CDS市場)についてその機能を解説します。続いて,金融システムにおける主たるプレイヤーをリストアップした上で,特に,銀行の役割(決済・預金・融資、資産/期間変換機能・モニタリング/情報生産機能)について詳しく議論します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,自分が最も関心のある(関心のない)金融市場を選択しその理由を簡単にメモしておくこと。 |
第5回 | 銀行の役割(2) | 企業と銀行の間の貸借関係を題材にして,企業金融における情報の問題(モラルハザード問題と逆選択問題)について定式化し,金融取引における情報の問題を解説します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,金融に関して情報の問題が起こりやすいケースを各自メモしておくこと。 |
第6回 | 銀行の役割(3) | 銀行におけるリスク管理と銀行規制について実務的なトピックスを解説します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,以下の二行について指定した財務諸表をダウンロードして出力しておくこと。
http://www.mufg.jp/ir/fs/backnumber/2013mufg/pdf/mar/consoli_summary1303.pdf
(11頁~20頁目まで)
http://www.mufg.jp/ir/fs/backnumber/2013mufg/pdf/mar/consoli_summary1303.pdf
(6頁~12頁目まで) |
第7回 | 銀行以外の金融機関 | 投資銀行,各種ファンド、ベンチャーキャピタルについて,その役割を概観します。併せて,市場型間接金融(証券化)の仕組みと近年の金融危機との関係についても議論します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,間接金融と直接金融の定義について復習しておくこと。 |
第8回 | 株式市場と資産価格決定理論の基礎 | 株式を題材にして,最も基本的な金融資産の価格付け方法であるDCF法を学びます。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,累乗の計算方法について確認しておくこと。 |
第9回 | 債券市場の基礎(1) | 株式と債券の違いについて解説した上で,債券の価格付けについて基本的な考え方を学びます。また,ゼロクーポンボンドの定義や様々な債券(国債,社債,その他の仕組債)の定義についても学びます。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,新聞やインターネットのニュースソースで国債の利回り水準について確認した上で,その数字をメモしておくこと。 |
第10回 | 債券市場の基礎(2) | 債券の価格付けに関する基本的な考え方を踏まえて,イールドカーブやフォワードレートの概念を学びます。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,新聞やインターネットのニュースソースを用いてどの様にイールドカーブを描画できるかを考えておくこと。 |
第11回 | ポートフォリオ理論(1) | 様々な金融資産を「リスクとリターン」の概念を用いて特徴付ける代表的な方法(シャープレシオ)について解説します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,ハイリスク・ハイリターンとローリスク・ローリターンの何れを好むか,各自考えておくこと。 |
第12回 | ポートフォリオ理論(2) | 前回の講義で学んだツールを用いて,「最適ポートフォリオ」がどの様に構築されるかを学びます。併せて,こうした手法の実務的な限界についても議論します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,シャープレシオの概念について復習しておくこと。 |
第13回 | 中間テスト | 第12回の講義までを範囲とする中間テストを行います。 |
第14回 | 小テストの解説(+必要に応じて追加の問題演習) | 小テストの解説を行うと共に,理解度が不足していると認められる箇所について,追加的な問題演習を行います。
【準備学習】
前期の内容は年度末の期末試験範囲でもありますので,各自しっかり復習するようにしてください。 |
第15回 | 中間まとめ | まとめ |
第16回 | CAPM(1) | 前期最後のパートで学んだ最適ポートフォリオ概念の実務的な問題点を踏まえて,インデックスモデル(ファクターモデル)を使うことのメリットを議論します。併せて,インデックスモデルの基本的な構造についても,若干の数学と統計学の知識を用いて定式化します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,平均・分散・標準偏差・相関係数の定義について予習しておくこと。 |
第17回 | CAPM(2) | 前回の講義で学んだツール用いて,CAPMを定式化します。その上で,CAPMの評価と最近の議論についても出来る限りカバーします。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,CAPMのどういった点が非現実的かを各自考えておくこと。 |
第18回 | ミクロの金融論とマクロの金融論 | これまでの議論で与件として与えられてきた経済変数としてどの様なものが有るかを確認した上で,ミクロの視点(個別の経済主体の視点)に加えて,マクロの視点(ある程度集計された経済活動や経済変数に着目する視点)を導入することの意義を議論します。併せて,後半の講義内容について概観します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,ミクロとマクロの金融論の何れにより関心があるかを各自考えておくこと。 |
第19回 | 貨幣市場の基礎 | これまで明示的に取り扱ってこなかった「貨幣」について,その具体的な機能(ビットコインなどの仮想通貨に関する現代的な議論を含む)を概観した上で,実質利子率・名目利子率・インフレ率の関係,利子率・物価の決定メカニズム,中央銀行の基本的な機能と歴史について解説します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,フィッシャー方程式について予習しておくこと。 |
第20回 | IS-LMモデルの分析(1) | 金融政策の役割を議論する上で最も基本的なツールであるIS曲線とLM曲線の導出を行います。尚,本講義の内容はマクロ経済学の講義で学んだ内容を簡潔に復習するものです。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,マクロ経済学の講義で学んだ内容を復習しておくこと。 |
第21回 | IS-LMモデルの分析(2) | 前回の講義で学んだツール(総需要・総生産と金利の関係)を用いて,財政・金融政策の効果を解説します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,マクロ経済学の講義で学んだ内容を復習しておくこと。 |
第22回 | AD-ASモデルの分析とモデルの応用例 | 第20回と21回の講義で学んだツールを用いて,総需要・総生産と物価の関係を解説します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,マクロ経済学の講義で学んだ内容を復習しておくこと。また,これまでの議論で不足している点を各自考えておくこと。 |
第23回 | 国際金融(1) | 為替レートの概念を議論したうえで,その基本的な決定メカニズムとして一般的に考えられている幾つかの理論を解説します。併せて,幾つかの通貨制度の基本的な中身についても議論します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,ユーロの問題点について,新聞やインターネットのニュースソースを用いて自分なりに調べておくこと。 |
第24回 | 国際金融(2) | マンデル=フレミングモデルを定式化した上で,様々なマクロ変数と共に為替レートがどの様に決定されるかについて,一つの考え方を解説します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,過去10年程度の円/ドルレートの推移を確認しておくこと。 |
第25回 | 為替と金融政策 | 為替レートの決定メカニズムのうち,特に金融政策の影響について詳しく議論します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,最近の為替レートに対して日銀の金融政策が与えている影響について,新聞やインターネットのニュースソースにおける論調を自分なりに調べておくこと。 |
第26回 | 金融政策に関する進んだトピックス(1) | 1980年代以降の金融政策の変遷を簡単に復習した上で,金融政策の目的(平時と不況時の金融政策),金融政策の手段(伝統的金融政策 vs. 非伝統的金融政策)について整理します。特に,ゼロ金利政策と流動性の罠,量的緩和の中身とその効果,インフレターゲティングの意義,時間軸効果の意味,非伝統的金融政策の中身,中央銀行のバランスシート問題),金融政策をめぐる論争(マネーサプライ論争、「ルール」対「裁量」)といったトピックスについて概観します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,上記の各用語について自分なりの説明が出来るように準備しておくこと。 |
第27回 | 金融政策に関する進んだトピックス(2) | 前期に学んだ「企業レベルの金融制約が企業活動に与える影響」について復習した上で,金融政策の波及経路について詳しく議論します。また,各国の金融政策の運営方法(日銀・FRB・ECB等の体制,評価の視点)についても議論します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,以下のリンクにある「ノンテクニカルサマリー」を読んでおくこと。
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/nts/14e010.html |
第28回 | 金融政策に関する進んだトピックス(3) | 内容:景気変動やバブルと金融政策(発生・崩壊のメカニズム)との関係について,金融当局による金融機関検査・監督の仕組み,公的資金の注入,中央銀行の最後の貸手機能,政策金融の役割などを含めて解説します。
【準備学習】
講義レジュメを予め読んだ上で,以下のリンクにある日銀考査,金融庁検査,政府系金融機関の機能に関する概要に目を通しておくこと。
http://www.boj.or.jp/finsys/exam_monit/exampolicy/kpolicy13.pdf
http://www.fsa.go.jp/news/25/ginkou/20130830-5/01.pdf
http://www.dbj.jp/pdf/ir/about/plan/plan.pdf
https://www.jbic.go.jp/wp-content/uploads/page/about/plan/120711_keikaku_01.pdf
https://www.jfc.go.jp/n/company/plan.html |
第29回 | 問題演習 | 主として後期の範囲を対象として,演習問題の解説を行います。
【準備学習】
事前にEcoLinkで配布する演習問題を各自解いた上で,講義に出席してください。 |
第30回 | まとめ | 16回以降の要点まとめ |