講義名 金融論 ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 月2
単位数 4

担当教員
氏名
盛本 圭一

学習目標(到達目標) 金融仲介および金融政策について、基本的な内容を一通り理解することを目標とする。金融用語の正確な理解と簡単なモデルの操作を通じて、身の回りの金融現象に関して自分なりの見解が持てるようになることを目指す。
授業概要(教育目的) 金融仲介および金融政策について、各重要トピックの基本的な考え方を概観する。その際、モチベーションと簡単な理論モデルの説明から始め、実証的事実・歴史・実際の制度についての解釈や評価につなげていく。金融経済に関する常識として大事な事項について、入門的であるがしっかりした知識をつけることが最大の目的である。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス講義全体のガイダンスを行う。
第2回金融市場の構造金融論で必須の基礎的な金融用語について紹介する。
第3回金融システムの分析ツール期待値の概念を説明し、計算の具体例を示す。
第4回演習1金融用語の基礎と期待値計算に関する演習を行なう。
第5回逆選択と資金市場の非効率性資金市場における逆選択問題を通じて、金融仲介の存在意義について説明する。
第6回情報生産と金融仲介金融仲介の果たす情報生産の構造について概観する。
第7回負債契約負債契約のモデルを紹介する。
第8回分散融資金融仲介機関による分散融資のモデルを紹介する。
第9回演習2金融仲介の情報生産の側面に関する問題演習を行う。
第10回預金契約による流動性供給理論モデルを用いて最適預金契約について説明する。
第11回銀行規制の根拠Diamond-Dybivigモデルを中心にして、銀行規制が行われる背景を説明する。
第12回銀行規制の変遷近年の銀行規制の流れを概観する。
第13回演習3銀行による流動性供給および銀行規制についての演習を行う。
第14回理解度の確認これまでの要点のまとめ
第15回中間のまとめまとめ
第16回貨幣システムの歴史貨幣経済の歴史的発展について概説する。
第17回中央銀行中央銀行制度について基本的内容を講義する。
第18回金融政策の目的と中央銀行の独立性金融政策の厚生上の意義および中央銀行の独立性について理論・制度の両面から解説する。
第19回貨幣市場の分析貨幣市場のモデル分析を紹介する。
第20回中央銀行と決済システム中央銀行を中心とした決済システムについて説明する。
第21回金融政策のオペレーション政策金利の制御を中心として、金融調節の方法について説明する。
第22回演習4中央銀行制度および貨幣市場に関する演習を行なう。
第23回合理的期待と金融政策合理的期待形成を前提とした金融政策の理論的基礎について説明する。
第24回インフレ目標政策インフレ目標政策の背景および現状について説明する。
第25回政策行動とマクロ経済の安定性中央銀行の政策行動と経済変動の関係について説明する。
第26回日本の金融政策(1)<1999年以前>戦後日本の金融政策のうち、20世紀の展開について説明する。
第27回日本の金融政策(2)<1999年以後>戦後日本の金融政策のうち、21世紀の展開について説明する。
第28回演習5金融政策のオペレーション、金融政策のマクロ的効果に関する演習を行なう。
第29回理解度の確認これまでの要点のまとめ
第30回全体のまとめまとめ
授業形式 講義形式を採用する。ただし、授業中に内容に関する質問や小演習を行なうことがある。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
50% 0% 30% 20% 0% 100%
評価の特記事項 テスト(期末試験および小テスト)、ランダムに取る可能性がある出席で評価する。原則として相対評価を採用する。
テキスト テキストは特に指定せず、講義用ハンドアウトを講義のページ(下記URL)にアップロードする。ただし、下記の参考文献は内容の理解に相当役立つはずである。
参考文献 竹田陽介『コア・テキスト 金融論』(新世社、2005 年)
オフィスアワー(授業相談) 授業後またはメールにて相談に応じる。メールアドレスは初回の講義で伝える。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ ・講義についての連絡と資料配布は下記URLの授業用ページを通じて行う。こまめに(最低でも授業当日の朝は)授業用ページをチェックすること。これを怠ったことから生じた不利益には一切関知しない。初回から資料をアップロードするので、各自でダウンロードして持参すること。また、初回のガイダンスで第2回以降の講義資料を開くパスワードを伝えるので、必ず参加すること。
・基本に忠実な内容の講義をするので、高校初年次程度の数学の知識は利用する(ただし、その説明にも適当に時間を割く)。また、モデルを多用するため、ミクロ経済学およびマクロ経済学の入門的なコースを履修済みであるか同時に履修していることが望ましい。
授業用URL https://sites.google.com/site/morimotokeiichi/teaching/nuce2014/
参考URL 1 https://sites.google.com/site/morimotokeiichi/