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学習目標(到達目標) |
金融仲介および金融政策について、基本的な内容を一通り理解することを目標とする。金融用語の正確な理解と簡単なモデルの操作を通じて、身の回りの金融現象に関して自分なりの見解が持てるようになることを目指す。 |
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授業概要(教育目的) |
金融仲介および金融政策について、各重要トピックの基本的な考え方を概観する。その際、モチベーションと簡単な理論モデルの説明から始め、実証的事実・歴史・実際の制度についての解釈や評価につなげていく。金融経済に関する常識として大事な事項について、入門的であるがしっかりした知識をつけることが最大の目的である。 |
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授業計画表 |
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回 | 項目 | 内容 |
第1回 | ガイダンス | 講義全体のガイダンスを行う。 | 第2回 | 金融市場の構造 | 金融論で必須の基礎的な金融用語について紹介する。 | 第3回 | 金融システムの分析ツール | 期待値の概念を説明し、計算の具体例を示す。 | 第4回 | 演習1 | 金融用語の基礎と期待値計算に関する演習を行なう。 | 第5回 | 逆選択と資金市場の非効率性 | 資金市場における逆選択問題を通じて、金融仲介の存在意義について説明する。 | 第6回 | 情報生産と金融仲介 | 金融仲介の果たす情報生産の構造について概観する。 | 第7回 | 負債契約 | 負債契約のモデルを紹介する。 | 第8回 | 分散融資 | 金融仲介機関による分散融資のモデルを紹介する。 | 第9回 | 演習2 | 金融仲介の情報生産の側面に関する問題演習を行う。 | 第10回 | 預金契約による流動性供給 | 理論モデルを用いて最適預金契約について説明する。 | 第11回 | 銀行規制の根拠 | Diamond-Dybivigモデルを中心にして、銀行規制が行われる背景を説明する。 | 第12回 | 銀行規制の変遷 | 近年の銀行規制の流れを概観する。 | 第13回 | 演習3 | 銀行による流動性供給および銀行規制についての演習を行う。 | 第14回 | 理解度の確認 | これまでの要点のまとめ | 第15回 | 中間のまとめ | まとめ | 第16回 | 貨幣システムの歴史 | 貨幣経済の歴史的発展について概説する。 | 第17回 | 中央銀行 | 中央銀行制度について基本的内容を講義する。 | 第18回 | 金融政策の目的と中央銀行の独立性 | 金融政策の厚生上の意義および中央銀行の独立性について理論・制度の両面から解説する。 | 第19回 | 貨幣市場の分析 | 貨幣市場のモデル分析を紹介する。 | 第20回 | 中央銀行と決済システム | 中央銀行を中心とした決済システムについて説明する。 | 第21回 | 金融政策のオペレーション | 政策金利の制御を中心として、金融調節の方法について説明する。 | 第22回 | 演習4 | 中央銀行制度および貨幣市場に関する演習を行なう。 | 第23回 | 合理的期待と金融政策 | 合理的期待形成を前提とした金融政策の理論的基礎について説明する。 | 第24回 | インフレ目標政策 | インフレ目標政策の背景および現状について説明する。 | 第25回 | 政策行動とマクロ経済の安定性 | 中央銀行の政策行動と経済変動の関係について説明する。 | 第26回 | 日本の金融政策(1)<1999年以前> | 戦後日本の金融政策のうち、20世紀の展開について説明する。 | 第27回 | 日本の金融政策(2)<1999年以後> | 戦後日本の金融政策のうち、21世紀の展開について説明する。 | 第28回 | 演習5 | 金融政策のオペレーション、金融政策のマクロ的効果に関する演習を行なう。 | 第29回 | 理解度の確認 | これまでの要点のまとめ | 第30回 | 全体のまとめ | まとめ |
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授業形式 |
講義形式を採用する。ただし、授業中に内容に関する質問や小演習を行なうことがある。 |
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評価方法 |
定期試験
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レポート
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小テスト
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講義態度
(出席)
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その他
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合計
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50% |
0% |
30% |
20% |
0% |
100% |
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評価の特記事項 |
テスト(期末試験および小テスト)、ランダムに取る可能性がある出席で評価する。原則として相対評価を採用する。 |
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テキスト |
テキストは特に指定せず、講義用ハンドアウトを講義のページ(下記URL)にアップロードする。ただし、下記の参考文献は内容の理解に相当役立つはずである。 |
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参考文献 |
竹田陽介『コア・テキスト 金融論』(新世社、2005 年) |
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オフィスアワー(授業相談) |
授業後またはメールにて相談に応じる。メールアドレスは初回の講義で伝える。 |
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事前学習の内容など,学生へのメッセージ |
・講義についての連絡と資料配布は下記URLの授業用ページを通じて行う。こまめに(最低でも授業当日の朝は)授業用ページをチェックすること。これを怠ったことから生じた不利益には一切関知しない。初回から資料をアップロードするので、各自でダウンロードして持参すること。また、初回のガイダンスで第2回以降の講義資料を開くパスワードを伝えるので、必ず参加すること。
・基本に忠実な内容の講義をするので、高校初年次程度の数学の知識は利用する(ただし、その説明にも適当に時間を割く)。また、モデルを多用するため、ミクロ経済学およびマクロ経済学の入門的なコースを履修済みであるか同時に履修していることが望ましい。 |
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授業用URL |
https://sites.google.com/site/morimotokeiichi/teaching/nuce2014/ |
参考URL 1 |
https://sites.google.com/site/morimotokeiichi/ |