講義名 特別活動の研究 ≪□第一部≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 月4
単位数 2

担当教員
氏名
宮島 健次

学習目標(到達目標) この授業の到達目標は、以下の3点です。

①学校教育における特別活動の位置づけと意義、および特別活動が内包する問題について理解する。
②「自ら学び、自ら考える力」とは何かを理解する。
③自主的・実践的態度を育む具体的方法を理解し、実践できるようにする。
授業概要(教育目的) 周知の通り、特別活動には非常に崇高な理念が備わっています。しかし、実際、学校教育の現場ではその理念が発揮されることなく、むしろ「ないがしろ」にされていると言っていいでしょう。授業ではこの現状を「特別活動の機能不全」ととらえ、その原因を3つの仮説から探り、我々が抱きがちな「子ども像」のステレオタイプと実際の「子ども像」が違うことを明らかにしていきます。また、そのような子どもたちにどのように対峙していったらいいのか、特別活動の「復権」を目指すにはどのような解決策があるかを探っていきます。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンスエゴグラムから見た教員適性度チェックの実施
第2回特別活動とはなにか学習指導要領から、特別活動の意義・理念を探る
第3回特別活動が内包する問題特別活動の実施状況から考える
第4回特別活動の機能不全の要因①教育制度的側面から考える佐藤学「学びからの逃走」を読む
第5回特別活動の機能不全の要因②学習態度的側面から考える藤澤伸介「ごまかし勉強」を読む
第6回特別活動の機能不全の要因③教育対象的側面から考える(1)諏訪哲二「『オレ様』化する子どもたち」を読む(1)
第7回特別活動の機能不全の要因③教育対象的側面から考える(2)諏訪哲二「『オレ様』化する子どもたち」を読む(2)
第8回特別活動の機能不全の要因④社会的側面から考える(1)内田樹「下流志向」を読む(1)
第9回特別活動の機能不全の要因④社会的側面から考える(2)内田樹「下流志向」を読む(2)
第10回特別活動の機能不全の要因④社会的側面から考える(3)内田樹「下流志向」を読む(3)
第11回特別活動の機能不全の要因④社会的側面から考える(4)内田樹「下流志向」を読む(4)
第12回特別活動の復権(1)特別活動が復権するために必要な要素を考える(1)
第13回特別活動の復権(2)特別活動が復権するために必要な要素を考える(2)
第14回理解度の確認要点のまとめ
第15回まとめまとめ
授業形式 パワーポイントを利用した講義形式です。授業の流れは3部構成とします。第1部では特別活動が抱えている問題そのものに焦点を当て、第2部ではその問題を理解するために、現代日本の教育が抱える問題を考えます。第3部ではその問題を前提とした際に我々が教育現場でできることを考えていくために、最新の学習理論を紹介します。
残念ながら、授業内では特別活動に関する歴史的アプローチを確認する余裕がありませんので、みなさんの自学自習を期待する意味でレポートを課します。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
0% 80% 0% 20% 0% 100%
評価の特記事項 この科目ではテストを行わない代わりに、レポートで成績評価をします。レポートは合計2回です。〆切や内容については授業内で指示します。このレポートを2回とも提出することが単位認定の条件です。
テキスト 関川悦雄『最新特別活動の研究』啓明出版,2010,2100円.
※このテキストは第1回レポートのためのものです。授業では使用しません。
参考文献 佐藤学『「学び」から逃走する子どもたち』岩波ブックレット,2000年,525円.
藤澤伸介『ごまかし勉強 上・下』新曜社,2002年,各1890円.
諏訪哲二『「オレ様」化する子どもたち』中公新書ラクレ,2005年,777円.
内田樹『下流志向』講談社文庫,2009年,550円.
オフィスアワー(授業相談) 授業内で配布する詳細シラバスに記載してある指定アドレスに連絡してください。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 皆さんの名前と顔をできるだけ早く覚えることを信条の一つとしていますので、出欠確認は授業開始時に必ず行います。残念ながら、出席回数が3分の2を切ってしまった場合は、単位をとることが出来ません。なお遅刻は3回で1回欠席とします。厳しいようですが、教職課程という授業の性質上、皆さんにはパンクチュアリティ(時間厳守)の感覚を身につけていただきたいと思います。