回 | 項目 | 内容 |
第1回 | イントロダクション | 授業内容の概略を述べる。また,成績を取得するうえでの注意事項を述べる。
【準備学習】シラバスをよく読んでおくこと。 |
第2回 | 哲学の発生:「哲学」という語の由来とソクラテスの問答法 | 「哲学」という語は明治時代に西周が作った翻訳語である。哲学はソクラテス(前5~4世紀)から始まった。ソクラテスは相対主義への反発と「ソクラテスほど賢い者はいない」という神託の謎を解くために問答を始めた。
【準備学習】貫成人『図説・標準 哲学史』pp.16-19「ソクラテス」を読んでおくこと。
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第3回 | 古代ギリシア哲学の展開(1):プラトンのイデア論 | ソクラテスの問いへの弟子プラトン(前5~4世紀)による答えがイデア論である。
【準備学習】貫成人『図説・標準 哲学史』pp.20-23「プラトン」を読んでおくこと。
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第4回 | 古代ギリシア哲学の展開(2):プラトンの哲人王 | プラトンは祖国ギリシアの衰退を見て,理想の政治について考えた。「魂における調和」と類比的に「国家における階級間の調和」を提案した。
【準備学習】前回の授業で自分が取ったノートを読み返しておくこと。また,貫成人『図説・標準 哲学史』pp.20-23「プラトン」を再読しておくこと。
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第5回 | 古代ギリシア哲学の展開(3):アリストテレスのプラトン・ソクラテス批判 | プラトンの弟子アリストテレス(前4世紀)はプラトンのイデア論を批判し,さらに,ソクラテスの問いそのものも批判した。
【準備学習】貫成人『図説・標準 哲学史』pp.24-29「アリストテレス」を読んでおくこと。
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第6回 | 古代ギリシア哲学の展開(4):アリストテレスの「中庸」説 | アリストテレスがプラトンのイデア論の代わりに提案したのは,現実的かつ楽観的な倫理学であった。
【準備学習】前回のノートを読み返しておくこと。また,貫成人『図説・標準 哲学史』pp.24-29「アリストテレス」を再読しておくこと。
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第7回 | 古代ギリシア哲学のまとめ
| ソクラテス→プラトン→アリストテレスという古代ギリシア哲学の流れをまとめる。
【準備学習】第2回~第6回のノートとテキストの該当箇所を読み返しておくこと。 |
第8回 | ユダヤ教の歴史:バビロン捕囚と一神教の誕生 | キリスト教はユダヤ教の中から生まれた。キリスト教やユダヤ教のような一神教はどうやって生まれたのか。「一神礼拝」と「一神教」の違いがポイントである。
【準備学習】プリント「哲学概論資料」の「ユダヤ教」を読んでおくこと。
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第9回 | キリスト教の誕生:イエスのユダヤ教改革・パウロによる非ユダヤ化
| イエス(1世紀)はユダヤ教の改革者として出発した。イエスの死後,パウロ(1世紀)は原始キリスト教を非ユダヤ化し,今日のキリスト教の基礎を作った。
【準備学習】プリント「哲学概論資料」の「キリスト教」を読んでおくこと。
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第10回 | キリスト教神学の発生:アウグスティヌスの「無」と「永遠」 | アウグスティヌス(4~5世紀)は人類の思想に「無からの創造」と「すべてが同時であるという意味での永遠」という新しい考え方を導入した。これによって,彼は神と世界を峻別した。
【準備学習】貫成人『図説・標準 哲学史』pp.38-39「アウグスティヌス」を読んでおくこと。
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第11回 | キリスト教神学の展開:トマス・アクィナスにおける「理性と信仰の調和」
| トマス・アクィナス(13世紀)はキリスト教の教えのうち,理性によって理解できる部分(キリスト教徒でなくても理解できる部分)と信仰によってのみ理解できる部分とを区別した。
【準備学習】貫成人『図説・標準 哲学史』pp.44-47「トマス・アクィナス」を読んでおくこと。
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第12回 | 宗教改革:カルヴァンと資本主義
| カルヴァン(16世紀)は「神は全知であり,誰が天国へ行き,誰が地獄へ行くかは,既に決まっている」と主張した。(予定説)。「この予定説が初期資本主義を支えていた」と社会学者ウェーバー(19~20世紀)は主張した。
【準備学習】プリント「哲学概論資料」の「宗教改革と資本主義」を読んでおくこと。 |
第13回 | キリスト教の歴史のまとめ | ユダヤ教→キリスト教(カトリック→宗教改革)というキリスト教の歴史の流れをまとめる。
【準備学習】第8回~第12回の授業のノート・テキストの該当箇所・配布プリントを読み返しておくこと。 |
第14回 | 西洋における自然観の変遷 | 西洋における自然観は,古代→中世→近代で,どのように変化したか。自然と人間と神の3者の位置関係の変化がポイントである。
【準備学習】プリント「哲学概論資料」の「西洋における自然観の変遷」を読んでおくこと。
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第15回 | 中間のまとめ | まとめ |
第16回 | 西洋哲学史の概略 | 古代ギリシア哲学・中世スコラ哲学・近代哲学という西洋哲学の流れをまとめる。
【準備学習】前期に自分で取ったノート・テキストの該当箇所・配布プリントを読み返しておくこと。 |
第17回 | 近代哲学の発生(1):デカルトの「我思う故に我あり」 | デカルト(16~17世紀)は理性だけを頼りに絶対確実な知識を求めた。そして,デカルト哲学の根本原理として,「考える私」という存在を見出した。
【準備学習】貫成人『図説・標準 哲学史』pp.64-71「デカルト」およびプリント「哲学概論資料」の「デカルトの言葉」を読んでおくこと。 |
第18回 | 近代哲学の発生(2):デカルトの「物心二元論」 | デカルトは「世界は心(その本質は思惟)と物質(その本質は延長)という2種類の実体からできている」と主張した。
【準備学習】前回のノートを読み返しておくこと。また,貫成人『図説・標準 哲学史』pp.64-71「デカルト」およびプリント「哲学概論資料」の「デカルトの言葉」をもう一度読んでおくこと。 |
第19回 | 近代哲学の展開(1):パスカルの「賭けとしての信仰」 | 数学者であり宗教家でもあったパスカル(17世紀)は「神が存在することは不可解であり,神が存在しないことも不可解である」と言った。
【準備学習】貫成人『図説・標準 哲学史』pp.72-73「パスカル」およびプリント「哲学概論資料」の「パスカルの言葉」を読んでおくこと。 |
第20回 | 近代哲学の展開(2):ホッブズとロックの社会契約説 | 社会契約説は近代憲法の原理になった考え方である。ホッブズ(16~17世紀)の社会契約説は性悪説的であり,他方,ロック(17~18世紀)の社会契約説は性善説的である。
【準備学習】貫成人『図説・標準 哲学史』pp.78-81「ロック」およびプリント「哲学概論資料」の「ホッブズとロックの社会契約説」を読んでおくこと。 |
第21回 | 近代哲学の展開(3):ベンサムとミルの功利主義 | 功利主義とは,「快を求め苦を避ける」という人間の性質を倫理と政治の基礎にする考え方である。ベンサム(18~19世紀)が提起し,J.S.ミル(19世紀)が修正した。
【準備学習】プリント「哲学概論資料」の「ベンサムとミルの功利主義」を読んでおくこと。 |
第22回 | 近代哲学のまとめ | 近代哲学の流れをまとめる。
【準備学習】第16回~第21回の授業のノート・テキストの該当箇所・配布プリントを読み返しておくこと。 |
第23回 | 仏教の発生:輪廻と往生 | 仏教発生の地であるインドには輪廻思想があった。輪廻は苦しみであり,輪廻からの脱却には,「自力による悟り」か「仏の慈悲にすがること」が必要であった。阿弥陀仏に頼って極楽浄土に生まれ変わることが「往生」である。
【準備学習】プリント「哲学概論資料」の「仏教(1):輪廻と往生」を読んでおくこと。 |
第24回 | 日本仏教の展開:親鸞の悪人正機説 | 親鸞(12~13世紀)は「善人でさえ極楽往生できるのだから,悪人ならなおさら往生できる」と主張した。その真意は何か。
【準備学習】プリント「哲学概論資料」の「仏教(2):法然と親鸞」を読んでおくこと。 |
第25回 | 儒教の発生:「積善の家」と孝 | 儒教の古い文書である「易経」には「積善の家には余慶あり。積不善の家には余殃あり(代々善を積んだ家にはあふれるほどの幸福が生じ,代々悪を積んだ家にはあふれるほどの不幸が生じる)」と書かれている。これはどのような考え方なのか。
【準備学習】プリント「哲学概論資料」の「儒教(1):積善の家」を読んでおくこと。 |
第26回 | 儒教の展開:孟子の性善説と荀子の性悪説 | 孟子(前4~3世紀)は「人間の本来の性質は善である」と主張した。一方,荀子(前3世紀)は「人間の本来の性質は悪であって,人間の善である状態は後天的な人為によるものである」と主張した。
【準備学習】プリント「哲学概論資料」の「儒教(2):孟子の性善説と荀子の性悪説」を読んでおくこと。 |
第27回 | 明治時代の日本思想:福沢諭吉「学問のすすめ」・夏目漱石「現代日本の開化」 | 福沢諭吉(19~20世紀)は「平等に生まれたはずの人間に差があるのは学問の有無による」,「一身独立して一国独立す(個人が独立して初めて国家も独立する)」と主張した。夏目漱石(19~20世紀)は「現代日本の文明開化は皮相うわすべりの文明開化だ」と批判した。
【準備学習】プリント「哲学概論資料」の「福沢諭吉:学問のすすめ」と「夏目漱石:現代日本の開化」を読んでおくこと。 |
第28回 | 日本民俗学の誕生:柳田国男「魂のゆくえ」 | 日本民俗学の創始者である柳田国男(19~20世紀)は,「お盆という習慣には,『死者の魂は極楽や地獄のような遠い所へは行かず,すぐそばの山の頂上に留まっていつも子孫を見守っている』という(仏教以前の古い)死生観が現れている」と主張した。
【準備学習】プリント「哲学概論資料」の「柳田国男:魂のゆくえ」を読んでおくこと。 |
第29回 | 日本思想のまとめ | 古代から近代までの日本思想の流れをまとめる。
【準備学習】第23回~第28回の授業のノートと配布プリントを読み返しておくこと。 |
第30回 | まとめ | 全体のまとめ |