講義名 自然地理学概論 ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 水4
単位数 4

担当教員
氏名
島野 安雄

学習目標(到達目標) 人間活動の場である地球表面で生じている諸々の自然現象のうち,地形・気候・陸水・土壌・植生などといった事象が自然地理学の取り扱う領域です。この講義では,地表面の形状に関する地形学を中心として,大気の動きや水循環に関する気候学や水文学の分野を含めて取り上げます。地球表面で生じている各種の自然現象や作用,およびそれによって形成された地形や風土の特徴,および人間生活との関わり合いなどについて解説し考察しますので,自然地理学についての正確な知識と理解を身につけてほしい。
授業概要(教育目的) 前半は,地球内部の熱エネルギ-によってもたらされる火山・地震・造山運動という内的な営力による作用,およびそれらによって造られた地形の特徴について取り扱います。
後半は,風化・侵食・運搬・堆積作用などという大気や水・波などが中心として働く外的営力による作用,およびそれらによって形成された地形や風土の特徴について取り扱います。
そして,教育実習に対しての準備学習に役立つ基礎を築くことに目標をおいています。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス,地球誕生ガイダンスと銀河系・太陽系・地球の誕生などについて取り上げます。
第2回地球の歴史(海と陸の形成)地球の歴史に関係して,海と陸の形成や生命の誕生と経緯などについて取り扱います。
第3回大陸の移動とウェゲナ-大陸移動説を唱えたウェゲナ-に関して取り上げます。
第4回プレ-トテクトニクス説プレ-トテクトニクス説として確立するまでの考え方の歴史とその概念を取り上げます。
第5回大山脈と大地溝帯ヒマラヤやアンデス山脈の形成とアフリカ大地溝帯の形成に関して取り上げます。
第6回日本列島の形成日本列島の形成に関連して,その歴史的な経緯と四万十層や付加体堆積物などの事柄について取り上げます。
第7回火山帯と火山分布世界中の火山の分布状況とその特徴に関して取り上げます。
第8回噴火様式と火山地形火山の噴火様式と,それによって形成される火山地形の特徴に関して取り上げます。
第9回世界の火山海外の火山の中から,代表的ないくつかの火山を選び取り上げます。
第10回日本の火山①日本に存在している火山の中から,西南日本に位置する火山のいくつかを取り上げます。
第11回日本の火山②日本に存在している火山の中から,東北日本に位置する火山のいくつかを取り上げます。
第12回断層運動と断層地形地震の元となる断層運動とそれによって形成された地形の特徴に関して取り上げます。
第13回地震と津波地震と津波,そのものの仕組みや被害の状況などに関して取り上げます。
第14回災害対策とライフライン火山活動や地震・津波等によって引き起こされた災害に対しての対策とライフラインなどに関して事項を取り上げます。
第15回中間のまとめ内的営力による地形の纏めを行います。
第16回大気の大循環と気候大気の構造と動き,および気候とその区分法などに関して取り上げます。
第17回水蒸気と雨・雪対流圏でみられる水の動きとしての水蒸気と降水の過程に関して取り上げます。
第18回風化作用地表面で生じている物理的・化学的風化作用に関して取り上げます。
第19回沙漠の分布と成因乾燥地域の代表ともいえる沙漠に関連する事項について取り上げます。
第20回氷河期と氷河地形淡水の多くを占めている「氷」に関して,氷河期と間氷期,南極大陸やグリーランドならびに高緯度地域や高山に分布している氷河に関する事項について取り上げます。
第21回永久凍土地域シベリアやカナダ北部などに分布する永久凍土とその地域に生活している人達に関する事項について取り上げます。
第22回溶食とカルスト地形石灰岩地域に特有なカルスト地形に関して取り上げます。そして,一般的には石灰岩地域の水は硬水と呼ばれていますが,硬水と軟水とに関しても言及します。
第23回地下水淡水の多くを占めている地下水に関して取り上げます。地下水については,かなり多くの水を利用していますが,いろいろと障害も発生しており,それらに関して言及します。
第24回地表水(湖沼水と河川水)地表水としての湖沼水と河川水に関して取り上げます。人間にとって身近な水ですが,いろいろと問題も起こっており,それらを含めて言及します。
第25回川の作用と川地形川の作用として侵食・運搬・堆積という3作用を取り上げた後,河川によって形成された扇状地・段丘・自然堤防・氾濫原・三角州などの小地形に関して言及します。
第26回世界の大河世界の大河として,代表的ないくつかの河川(アマゾン川・ナイル川・コロラド川など)の状況を取り上げます。
第27回日本の河川日本の河川の全般的な特徴,およびいくつかの代表的な河川(常願寺川・大井川・黒部川など)について取り上げます。
第28回海流・潮流と海岸地形海での海流と沿岸域での潮流、およびそれらの作用によって形成された海岸部での地形について取り上げます。
第29回理解度の確認外的営力による地形と風土についての理解度の確認を行います。
第30回まとめ全体の纏めを行います。
授業形式 講義形式で行います。
現実に起こっている現象を数多く取り扱いますが,説明のしづらい事項も多くありますので,VTRなどの映像を活用して行う予定です。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
50% 30% 0% 0% 20% 100%
評価の特記事項 学年末に筆記試験を行います。そして夏期休暇中に「レポ-ト」を課します。提出は夏休み明けの9月です。また,授業時に随時小レポ-トを書いてもらいますが,それが「その他」として評価します。
テキスト 使用しませんが,必要に応じて適宜プリントして配布します。
参考文献 大山正雄・大矢雅彦『自然地理学,上・下巻』古今書院
その他は,授業時に適宜紹介します。
オフィスアワー(授業相談) 非常勤ですので,授業日(水曜日)の午後の時間しか対応できません。何か質問等があるようでしたなら,メールアドレスを教えておきますので,それで対応します。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 教職科目ということから,出席はきちんとするように。そして,国内や国外で起きている「地球環境」に関係した出来事には,常日頃から関心を持ってそれらのニュ-スや情報に対処し接してほしい。