講義名 マルクス経済学Ⅱ ≪大学院≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 水3
単位数 2

担当教員
氏名
角田 収

学習目標(到達目標) 『資本論』第2部第3篇から第3部第3篇を研究する(前後期合わせて、後期は第3部第1篇第5章から)。MEGA(MARX/ENGELS GESAMTAUSGABE)版の『資本論』関係第Ⅱ部も主要部分が発行されているので,これを参考に利用して,その成果も十分汲み取りながら,進めていく。内容を理解していくに当たって,とくに注意を払うことは,従来の諸研究と解釈に注意を払いながらも,直接にマルクスそのものからその方法と理論を自分たち自身の頭で把握し直すということである。
授業概要(教育目的) 80年代末から90年代初めにかけての「存在した社会主義」の崩壊により,マルクスの理論が否定されたとする考えも少なくない。しかし,現代資本主義を理解する上でそれに対する批判的視点が必要不可欠であり,その視点に立つ最も重要な理論としてマルクスの経済理論があることを否定できる者はいないであろう。明らかになったことは,マルクスの理論についてのマルクス自身のテキストによる徹底的な研究とそれを自分の頭でとらえ直すことが足りなかったことであろう。このような見地から,『資本論』を参加者とともに精読し,マルクスの考え方,方法を捉えなおしていく。
授業計画表
 
項目内容
第1回『資本論』第3部第1篇 剰余価値の利潤への転化,および剰余価値率の利潤率への転化第5章   不変資本の使用における節約
第2回『資本論』第3部第1篇 剰余価値の利潤への転化,および剰余価値率の利潤率への転化第5章   不変資本の使用における節約(続き)
第3回『資本論』第3部第1篇 剰余価値の利潤への転化,および剰余価値率の利潤率への転化第6章  価格変動の影響 第1節,第2節
第4回『資本論』第3部第1篇 剰余価値の利潤への転化,および剰余価値率の利潤率への転化第6章  価格変動の影響  第3節 および 第7章 補遺
第5回『資本論』第3部 第2篇 利潤の平均利潤への転化第8章  異なる生産諸部門における資本の構成の相違とその結果生じる利潤率の相違
第6回『資本論』第3部 第2篇 利潤の平均利潤への転化第9章  一般的利潤率(平均利潤率)の形成と商品価値の生産価格への転化
第7回『資本論』第3部 第2篇 利潤の平均利潤への転化第10章  競争による一般的利潤率の均等化。市場価格と市場価値。超過利潤
第8回『資本論』第3部 第2篇 利潤の平均利潤への転化第10章  競争による一般的利潤率の均等化。市場価格と市場価値。超過利潤(続き)
第9回『資本論』第3部 第2篇 利潤の平均利潤への転化第11章  生産価格にたいする労賃の一般的変動の影響
第10回『資本論』第3部 第2篇 利潤の平均利潤への転化第12章  補遺
第11回『資本論』第3部 第3篇 利潤率の傾向的下落の法則第13章  この法則そのもの
第12回『資本論』第3部 第3篇 利潤率の傾向的下落の法則第14章  反対に作用する諸要因
第13回『資本論』第3部 第3篇 利潤率の傾向的下落の法則第15章  この法則の内的諸矛盾の展開
第14回『資本論』第3部 第3篇 利潤率の傾向的下落の法則第15章  この法則の内的諸矛盾の展開
第15回『資本論』第3部第1〜3篇の小括
授業形式 『資本論』を参加者とともに精読する。大学院の授業であるので,ゼミナール形式で,それぞれが疑問点や問題点を提起しあいながら,議論することによって,内容理解を深めて行くというやり方をとりたい。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
0% 20% 0% 80% 0% 100%
テキスト マルクス『資本論』8,9,新日本出版社
参考文献 MEGA第Ⅱ部
オフィスアワー(授業相談) 水曜4時限、研究室にいるので、受付で確認の上訪ねて下さい。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 『資本論』は必ずしも読みやすい書とは言えないので,それを読み込んでいく意欲が不可欠である。また,第3部第1篇第5章から読むことになるので、それ以前の部分,とりわけ第1部と第3部1〜4章については読了していることが前提となる。