講義名 人口経済論Ⅰ ≪大学院≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 水6
単位数 2

担当教員
氏名
小川 直宏

学習目標(到達目標) 少子化・高齢化現象と経済・社会変動メカニズムの解明
授業概要(教育目的) 1970年代半ばから始まった少子化現象の長期化に加え,寿命の顕著な伸長によって,2005年では,わが国の人口高齢化は世界一の水準に到達した。少子化はわが国の経済に労働力の量的減少及び年齢構造変化によるマイナス効果に加え,貯蓄率の低下・資本形成の鈍化をもたらしている。さらに,長寿化現象の本格化で年金制度の維持存続や家族による老親介護の問題も深刻化している。これらの問題を人口と経済の視点から複眼的に考察・研究していくことが目的である。
授業計画表
 
項目内容
第1回入門(日本・世界の人口問題:その変化と特徴)世界の人口のトレンドを概観する。
第2回人口転換理論の有用性と限界人口転換理論の有用性とそれに対する批判を考察する。
第3回わが国の少子化現象の実証分析と出生研究のフロンティア少子高齢化現象の世界の先端を走るわが国の最新の出生研究を紹介する。
第4回出生回復の可能性と政策的オプションこれまでのわが国において出生回復のためにとられた政策とその効果および少子高齢社会における持続可能な社会構築の政策オプションを議論する。
第5回第1次人口配当とは?人口の年齢構造変化と第1次人口配当の創出のメカニズムを解説する。
第6回第2次人口配当とは?人口の年齢構造変化と第2次人口配当の創出のメカニズムを解説する。
第7回経済成長と第1次人口配当・第2次人口配当との関係第1次・第2次人口配当と経済成長の関係を考察する。
第8回期末レポートの検討期末レポートの内容について検討する。
第9回死亡率の動向世界の人口の様相を様変わりさせた死亡の改善のトレンドを概観する。
第10回寿命の限界は?健康余命とは?伸びる寿命と健康でいられる時間の長さを考察する。
第11回高齢者の健康と労働参加率貴重な労働力としての高齢者の有効活用とその課題を考える。
第12回家族構造変化と女性の育児・家事・労働に対する時間配分女性の労働参加と家庭・子育て・介護などとの両立の条件を時間配分の観点から考察する。
第13回女性のキャリアと離婚リスク女性の経済的自立と離婚のリスクの因果関係を考察する。
第14回理解度の確認要点のまとめ
第15回まとめまとめ
授業形式 各回の授業の終わりに,次週に取り扱う論文のコピーを配付する。受講者は確実にそれを読み,授業時にそのポイントを確認していく。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
50% 50% 0% 0% 0% 100%
評価の特記事項 発表,レポート,テストの中から,参加者の人数で最終的に評価方法を決定する。
テキスト 教科書は特になし。論文を主体に議論を展開する。
参考文献 特になし
オフィスアワー(授業相談) 事前予約制(日時は応相談)。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 日本のみならず,世界の少子化・高齢化現象に関心がある受講生が望まれる。論文およびその他配布資料はほぼすべて英語なので,英語力は必須。