講義名 公会計論Ⅱ ≪大学院≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 土2
単位数 2

担当教員
氏名
齋藤 真哉

学習目標(到達目標)  公会計の領域のうち、民間の非営利法人に係る会計制度、特に日本の各種の非営利法人の会計諸基準を取り上げます。具体的には、公益社団・財団法人に係る「公益法人会計基準」や私立学校に係る「学校法人会計基準」、社会福祉法人に係る「社会福祉法人会計基準」、特定非営利活動法人に係る「NPO法人会計基準」などの内容と特徴を理解し、なぜそのような会計基準となっているのか、あるいはなぜ各種非営利法人ごとに異なる会計基準が存在するのかを理解することが、本授業の目標です。
授業概要(教育目的)  日本における民間の非営利法人に係るそれぞれの会計基準の内容を把握し、その特徴を理解することが、本授業の目的である。たとえば、「公益法人会計基準」が、公益認定といかに結び付いているのか、なぜ、「学校法人会計基準」が近年改正されたのか、「NPO法人会計基準」における非営利法人会計特有の処理をどのように理解するのかなどを、授業参加者が考察し、検討することを、目指します。
授業計画表
 
項目内容
第1回イントロダクション今後の授業の進め方等
非営利法人会計の概要
第2回公益法人会計基準(その1)公益法人制度の概要
公益の意味
公益認定
公益目的支出計画
など
第3回公益法人会計基準(その2)公益認定基準
収支相償
公益目的事業比率
など

第4回公益法人会計基準(その3)公益法人会計基準の経緯
現行の基準の特徴
一般原則
など
第5回公益法人会計基準(その4)公益法人の財務諸表
財産目録
など
第6回公益法人会計基準(その5)公益法人会計基準の特徴
公益認定との関連性
「基金」の会計処理
など
第7回学校法人会計基準(その1)法人の法的根拠
学校法人会計基準の経緯
現行の基準の特徴
改正の背景
など
第8回学校法人会計基準(その2)学校法人の財務諸表
学校法人会計基準の特徴
など
第9回社会福祉法人会計基準(その1)法人の法的根拠
社会福祉校法人会計基準の経緯
現行の基準の特徴
改正の背景
など
第10回社会福祉法人会計基準(その2)
社会福祉法人の財務諸表
社会福祉法人会計基準の特徴
など
第11回NPO会計基準(その1)法人の法的根拠
特定非営利活動法人に係る会計基準の経緯
NPO会計基準の特徴
など
第12回NPO会計基準(その2)特定非営利活動法人の財務諸表
NPO会計基準の特徴
ボランティアに係る会計処理
など

第13回生活協同組合の会計生活協同組合の会計
生活協同組合の会計の特徴
出資金の会計処理
など
第14回イギリスのチャリティ会計チャリティの意義
チャリティの会計制度の概要
チャリティ会計制度の特徴
など
第15回非営利法人に係る税務非営利法人に係る法人課税の概要
収益事業
非営利型
など
授業形式  上記の授業計画にしたがって、授業参加者ごとに担当を決め、報告をし、その上で全員で議論する形式で、進める。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
0% 30% 0% 70% 0% 100%
評価の特記事項 講義への出席ならびに発言を重視します。
テキスト 特になし
参考文献 ・杉山学・鈴木豊編著『非営利組織体の会計』中央経済社、2002年。
その他、適時、必要に応じて紹介する。
オフィスアワー(授業相談) 非常勤のため、オフィスアワーは特段設けておりません。
質問等は授業の後に受け付けます。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ  学生にとっては、今まで勉強する機会がきわめて少ないこともあり、民間の非営利法人に係る会計分野は、企業会計よりも馴染みがないと思います。しかし、淡路・神戸大震災や東日本大震災後に、被災者の救援や復興などに、民間の非営利法人が果たしてきた役割は大きなものがあります。また多様化する社会ニーズに応えるためには、政府ではなく、民間活力の利用が不可欠となります。このことは、非営利法人で働く人数の増加や、社会的活動領域の拡大の観点から、その経済的重要性も高まっています。関心をもって、積極的に受講していただきたいと思います。