回 | 項目 | 内容 |
第1回 | 講義内容のガイダンス
| 本講義の目的や講義の進め方についてのオリエンテーション。
また、日本の会計実務はIFRSの導入によりどのように変貌するのか、それは企業経営にいかなる影響を及ぼすのかを検討することを通じて、会計基準の国際化の意味を正しく理解する。 |
第2回 | 概念フレームワーク | 我が国とIFRSにおける概念フレームワークの意義を理解するとともに、概念フレームワークが会計基準の設定とどのような関係にあるかを考察する。 |
第3回 | 財務諸表
| 日本の財務諸表の体系と、財政状態計算書、包括利益計算書、 持分変動計算書、キャッシュ・フロー計算書、 重要な会計方針の要約から構成されるIFRSの財務諸表の体系を比較し理解する。
|
第4回 | 収益認識 | IAS第18号「収益」のさらなる検討、その改訂作業として公表されている「討議資料」を学習する。 |
第5回 | 棚卸資産 | 棚卸資産に関する会計基準として、IAS2号「棚卸資産」と我が国の企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」を比較検討する。 |
第6回 | 有形固定資産 | 有形固定資産に関して、特に影響が大きいと想定される減価償却費計算を中心に、IFRSが適用された場合の会計・税務(法人税確定申告書)への影響及び検討課題について考察する。 |
第7回 | 無形固定資産
| コンピュータのソフトウェア、特許、 著作権、 映画フィルム、 顧客名簿などの無形固定資産について、IAS38号の内容を理解する。
|
第8回 | 資産の減損
| IAS36号は資産が減損している可能性を示す兆候がある場合に減損テストを要求しているが、有形固定資産および無形固定資産の減損会計に関するIFRSの取り扱いを取り上げる。
|
第9回 | 金融商品 | 金融商品の分類・測定を中心に、IAS32、IAS39、および改訂されたIFRS9等について理解する。
あわせて我が国における実務における影響も検討する。 |
第10回 | 退職給付
| 我が国の退職給付会計基準と比較すると、IAS19号「従業員給付」の対象である有給休暇等の短期従業員給付、 長期勤続休暇のような長期従業員給付、解雇一時金などの解雇給付、および退職後給付について検討する。
|
第11回 | 法人税
| IAS12号「法人所得税」における当期税金負債および繰延税金資産・負債の会計処理を検討する。
|
第12回 | リース | IAS17号「リース」の考え方、及び実務に適用された場合の会計処理および課題を検討するとともに、進行中の同基準の改訂について検討する。
|
第13回 | 引当金及び偶発債務 | 偶発事象及び引当金の会計処理を包括的に取扱ったIAS37号「引当金,偶発負債及び偶発資産」について学習する。
また、企業会計原則注18における引当金の考え方とIAS37の考え方の差異も検討する。 |
第14回 | 企業結合
| 企業結合会計の概要、取得法を理解するとともに、改訂IAS27号の内容についても検討するとともに、我が国の企業結合会計基準と比較もする。 |
第15回 | まとめ | 講義全体の総括として、我が国の会計基準と実務の有様を整理し、現在の我が国の会計実務(税務を含む)が国際財務報告基準(IFRS)の導入によりどのように変貌しようとしているかについて総括的な理解を確認するととともに、今後の各自の研究課題を明らかにする。今後の検討課題を明確化する。 |