回 | 項目 | 内容 |
第1回 | ガイダンス | 授業の進め方、評価の基準を説明します。また「文学」を学ぶ意義を解説します。
【準備学習】
シラバスを事前に読み、どのような作品を確認しておいてください。 |
第2回 | 坪内逍遥『小説神髄』を読む。「日本近代文学」とは何か? | 日本の「近代文学」はどのように理論化されて来たのかを、実際に坪内逍遥の作品を通じて考察します。
【準備学習】
『小説神髄』のテキストを事前に読んでおいてください。 |
第3回 | 「言文一致」という言語革命(1)
| 現在使用されている日本語の書き言葉が、「いつ」、「どのように」構築されたのかを探ります。理論的なテキストを読みます。
【準備学習】
『小説神髄』のテキストを読んで、内容を復習しておいてください。 |
第4回 | 二葉亭四迷『浮雲』と近代の小説 | 日本の近代小説の先駆けとなった『浮雲』を読みながら、「近代小説」とは何だったのかを考えます。「言文一致」と『浮雲』の関係を理解していきます。
【準備学習】
「言文一致」のテキストの復習及び『浮雲』のテキストを事前に読んでおいてください。 |
第5回 | 「言文一致」という言語革命(2) | 現在使用されている日本語の書き言葉が、「いつ」、「どのように」構築されたのかを探ります。特に二葉亭四迷の「翻訳論」を中心に考察していきます。
【準備学習】
「言文一致」と『浮雲』の関係をテキストで復習してください。 |
第6回 | 「自然主義文学」について(1)「ありのまま」に描写する文学 | 日本近代文学史において「自然主義」と呼ばれる小説を読みます。「自然主義」は、「ありのまま」を描くことに文学的価値を見出したのです。「ありのまま」・「現実」・「フィクション」の歴史を考察します。
【準備学習】
「自然主義文学」についてのテキストを事前に読んでおいてください。 |
第7回 | 「自然主義文学」について(2)文学における「告白」という制度 | 日本近代文学史において「自然主義」と呼ばれる小説を読みます。現代にも通じる「告白」という行為を、文学的な行為にしたきっかけがここにあります。現代にも通じる「キャラクター」を理解していきます。
【準備学習】
「自然主義」と「キャラクター」についてテキストを事前に読んでおいてください。 |
第8回 | 田山花袋『蒲団』を読む(1) | 「ありのまま」という表現方法を中心にして小説を読み解く。実際に『蒲団』という作品を読むことで、自然主義文学を理解していきます。
【準備学習】
『蒲団』のテキストを事前に読んでおいてください。 |
第9回 | 田山花袋『蒲団」を読む(2) | 「ありのまま」という表現方法を中心にして読み解きます。実際に『蒲団』が当時の人びとにどのように理解されたのかを検証します。
【準備学習】
『蒲団』のテキストを読んで物語内容を整理してください。 |
第10回 | 島崎藤村『千曲川のスケッチ』を読む | 自然主義の「自然描写」と人間の「内面」に注目して読み解きます。人間の「内面」を描くことが自然の「風景」を描くことと対になって登場してきた歴史を考察します。
【準備学習】
『千曲川のスケッチ』のテキストを事前に読んでおいてください。 |
第11回 | 島崎藤村『破戒』を読む | 『破戒』を実際に読むことにより、主人公の「告白」の意味を、自然主義文学の「告白」という制度との関係で理解します。
【準備学習】
『破戒』のテキストを事前に読んでおいてください。 |
第12回 | 夏目漱石と「自然主義文学」 両者の差異と共通性 | 自然主義と同時代で活躍した夏目漱石について解説します。夏目漱石がどのように自然主義と距離をとって活動したのかを考察します。
【準備学習】
夏目漱石と「自然主義」のテキストを事前に読んでおいてください。 |
第13回 | 夏目漱石『こころ』を読む(1) | 『こころ』の作中人物関係を中心に読み解きます。恋愛関係における「三角関係」と「欲望」の問題を中心にして『こころ』を分析します。
【準備学習】
『こころ』のテキストを事前に読んでおいてください。 |
第14回 | 夏目漱石『こころ』を読む(2) | 恋愛における「三角関係」と欲望の問題を考えます。また、この小説が「明治」から「大正」への改元を描いているところから、改元が小説『こころ』に与えた影響を読み解きます。
【準備学習】
『こころ』のテキストを読んで、内容を復習してください。 |
第15回 | 中間のまとめ | まとめ |
第16回 | 前回までの講義を振り返って | 前期までの講義を振り返ります。
【準備学習】
前期の講義で扱った作品や資料を読んで、文学史を整理しておいてください。 |
第17回 | 志賀直哉『和解』を読む(1) | 近代小説が抱えた「家族」、「父と子」の関係から小説を読み解きます。小説を読むことで、「家族」という制度の歴史性を理解していきます。
【準備学習】
『和解』のテキストを事前に読んでおいてください。 |
第18回 | 「白樺派」の文学について | 「自然主義文学」への対抗として「白樺派」を解説します。実際の雑誌『白樺』のテキストを読み解きます。
【準備学習】
「白樺派」についてのテキストを事前に読んでおいてください。 |
第19回 | 志賀直哉『和解』を読む(2) | 近代小説が抱えた「家族」、「父と子」の関係から小説を読み解きます。「和解」とは志賀直哉にとって、どのような意味を持つのかを、当時の社会制度をふまえて考察します。
【準備学習】
「白樺派」と『和解』について、配布テキストで関係を考察しておいてください。 |
第20回 | 有島武郎『或る女』を読む(1) | 近代文学と「女」の関係性から作品を読み解いていきます。「近代」という制度の中で女性がどのような存在だったのかを、作品を読むことで理解します。
【準備学習】
『或る女』のテキストを事前に読んでおいてください。 |
第21回 | 有島武郎『或る女』を読む(2) | 近代文学と「女」の関係性から作品を読み解いていきます。近代文学が女性を描く際に陥った問題について考えます。
【準備学習】
『或る女』のテキストを読んで、女性と文学の関係について復習しておいてください。 |
第22回 | 芥川龍之介とプロレタリア文学 | 芥川龍之介をプロレタリア文学作家の宮本顕治「敗北の文学」から考察します。芥川にとって「敗北」とは何であったのかを理解します。
【準備学習】
配布テキストで「プロレタリア文学」について調べてきておいてください。 |
第23回 | 芥川龍之介『歯車』を読む(1) | 「歯車」というタイトルを手掛かりに作品を読み解きます。『歯車』に関わる言語の構造をタイトルから考え、「歯車」というタイトルの意味を分析します。
【準備学習】
『歯車』のテキストを事前に読んでおいてください。 |
第24回 | 芥川龍之介『歯車』を読む(2) | 「歯車」というタイトルを手掛かりに作品を読み解きます。『歯車』に関わる言語の構造をタイトルから考え、「歯車」というタイトルの意味を分析します。
【準備学習】
『歯車』の内容についてテキストで復習してください。 |
第25回 | 小林多喜二『蟹工船』を読む(1) | マルクス主義と「労働」という観点から作品を読み解きます。「工場」という場所が、文学にとってどのような場所であったのかを考察します。
【準備学習】
『蟹工船』のテキストを事前に読んでおいてください。 |
第26回 | 小林多喜二『蟹工船』を読む(2) | マルクス主義と「労働」という観点から作品を読み解きます。「労働者」を文学がどのように表現し、描こうとしたのかを理解します。
【準備学習】
『蟹工船』のテキストを読んで、物語内容を整理しておいてください。 |
第27回 | アヴァンギャルドとしての「新感覚派」 | 「文学」・「言語」における前衛=アヴァンギャルドについて解説します。
【準備学習】
配布テキストを読み、「アヴァンギャルド」の意味を調べておいてください。 |
第28回 | 横光利一『機械』を読む(1) | 「形式」と「心理」から作品を読み解きます。「文字」の「形式」によって「心理」を表現する方法について考えます。横光利一の属した、「新感覚派」についても解説します。
【準備学習】
『機械』のテキストを事前に読んでおいてください。 |
第29回 | 横光利一『機械』を読む(2) | 「形式」と「心理」から作品を読み解きます。「文字」の「形式」によって「心理」を表現する方法について考えます。横光利一の属した、「新感覚派」についても解説します。
【準備学習】
『機械』と「新感覚派」の関係を配布資料で復習して、整理しておいてください。 |
第30回 | まとめ | まとめ |