講義名 日本語表現A ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 水5
単位数 4

担当教員
氏名
山岸 郁子

学習目標(到達目標)  基本的な文章作成の方法を会得した上で,さまざまな表現を用いながら,自分の考えていることを人に伝えられるようにします。また,他の人の発表を受けて批評的な立場で説得力のある文章を作成することを目標にします。
 文章は,自分の考えを他人に伝えるために書くものですから,できるだけ相手が読みやすい文章を書く必要があります。読みやすい文章とは,基本的な作法を守りながら論理が明快で簡潔な表現でなければなりません。その方法について学習します。あわせて語彙力をつけるために,文章を読む習慣をつけてもらいます。
授業概要(教育目的)  「自分」にしか書けない〈言葉〉をとらえることを目指します。
自分の考えを言語化・文章化するにはどのようなルールを守り,どのようなテクニックが必要なのかを理解してもらいます。同時に自分の考えを人に伝えるにはどのようにしたらよいのか,コミュニケーション全体についての有効な方法についても理解してもらいます。
 
 
授業計画表
 
項目内容
第1回文章作成の方法①「何のために書くのか?」
自分の意見を伝えるためには「言葉」が必要です。それを文章化する際に一定のルールが必要になります。
文章を書くための基礎的なルールを理解し,自分の言葉で表現することを学習します。
【準備学習】自分が魅力的と思う文章を探してきてください。
第2回文章作成の方法②「人に伝わる文章とは?」
魅力のある文章にはどのような特徴があるのか,批評的に文章を読むことを学びます。
【準備学習】「自分」について文章を書いてきて下さい。
第3回文章作成の方法③「より効果的な文章とは?」
お互いの文章を読み合い,意見を交換します。自分の文章の長所と短所を把握します。
【準備学習】自分の長所が発揮されるテーマを設定し,文章書いてきて下さい。
第4回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション
①日本語で表現されたものを題材としながら,その文章を選んだ理由などについて順番を決め,発表してもらいます。
②質疑応答。
③全員でディスカッション。
④出席者は原稿用紙1枚(400字)程度に意見をまとめます。
⑤文章を発表者に提出します。
⑥教員が添削し,講評しながら文章を返却します。
【準備学習】文章のテーマを各々選んできて下さい。
第5回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション
①~⑥を繰り返します。
担当者のテーマ設定にしたがって文章を作成します。担当者の意図にそいながら,自分の意見が正確に伝えるための文章を作成します。
【準備学習】テーマの意図を伝えるためには何が必要か考えてきて下さい。
第6回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション
①~⑥を繰り返します。
担当者のテーマに対し,ディスカッションを行ないます。
自分の意見を口頭で伝える場合と文章で伝える場合の違いについて考えます。声の大きさや表情など内容ばかりではないコミュニケーションのあり方について学びます。
【準備学習】口頭で自分の意見を伝えるためには何が大切か考えてきて下さい。
第7回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション
①~⑥を繰り返します。
お互いの文章を読み合い,最初に書いた文章に比べてどのような変化があるか意見を出し合います。
【準備学習】予め配布するお互いの文章を読んできて下さい。
第8回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション
①~⑥を繰り返します。
添削された文章について各々が意見を出し合います。
【準備学習】発表者が出したテーマで文章を作成してきて下さい。
第9回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション
①~⑥を繰り返します。
添削された文章が改善されているか各々が意見を出し合います。
自分の文章について簡潔に説明し,タイトルをつける練習をします。
【準備学習】発表者のテーマで文章を作成してきて下さい。さらに文章にふさわしいタイトルをつけて下さい。
第10回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション
①~⑥を繰り返します。
文章を要約し,簡潔なタイトルをつけることを学びます。
【準備学習】発表者のテーマで文章を作成して下さい。より文章にふさわしいタイトルをつけて下さい。
第11回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション
①~⑥を繰り返します。
全員の文章(コピー)を配布し,合評会をします。
批評の方法についても学びます。
【準備学習】予め配布した全員の文章を読んできて,講評すべきところをまとめてきて下さい。

第12回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション
①~⑥を繰り返します。
文章の構成について学びます。論理的な文章とは何かを説明します。
【準備学習】構成を意識して,発表者のテーマで文章を作成して下さい。

第13回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション
①~⑥を繰り返します。
読者を説得する文章を書く方法について学びます。
【準備学習】自分の意見を伝えるための方法を意識して,発表者のテーマで文章を作成してきて下さい。
第14回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション
①~⑥を繰り返します。
読む側の立場になって書くことについて学びます。
【準備学習】
発表者のテーマで文章を作成して下さい。書いた文章は読者の立場になってよく推敲してきて下さい。
第15回ここまでの授業のまとめここまでに発表した内容や,提出した文章について自由に意見を出し合います。
またさらに深めたいテーマや,文章作成にあたっての疑問などについても率直な意見を出して下さい。
【準備学習】テーマを決め、1200〜2000字の文章を作成して下さい。
第16回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション①日本語で表現されている多様なジャンルの作品を紹介し,文章の特徴について説明します。
②質疑応答。
③全員でディスカッション。
④出席者は原稿用紙1枚(400字)程度に意見をまとめます。
⑤文章を発表者に提出します。
⑥教員が添削し,講評しながら文章を返却します。
第17回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション①~⑥を繰り返します。
文章の構成について学習します。
【準備学習】テーマに即した文章を特に構成に気をつけて作成して下さい。
第18回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション①~⑥を繰り返します。
魅力的な文章とは何か,ディスカッションを行ないます。
【準備学習】テーマに即した文章を,魅力的に読まれる工夫をして作成して下さい。
第19回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション①~⑥を繰り返します。
文章を要約した上で,それを批評する文章を作成することを学びます。
【準備学習】テーマに即した文章を,簡潔に書くことを意識して作成して下さい。
第20回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション①~⑥を繰り返します。
テーマ性のある文章について学びます。
【準備学習】テーマに即した文章を,自分の意見が理解されるように作成して下さい。
第21回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション①~⑥を繰り返します。
パラグラフライティングについて学習します。
【準備学習】テーマに即した文章を,パラグラフに気をつけて作成してきて下さい。
第22回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション①~⑥を繰り返します。
各々の文章の長所と短所について客観的に分析します。
【準備学習】テーマに即した文章を,自分の長所が際立つような文章で作成してきて下さい。

第23回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション①~⑥を繰り返します。
文章における戦略性について学びます。
【準備学習】テーマに即した文章を,戦略的に作成してきて下さい。
第24回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション①~⑥を繰り返します。
メッセージ性の強い文章を書くにはどうしたらよいのか学習します。
【準備学習】テーマに即した文章を,メッセージを前面に出して作成してきて下さい。
第25回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション①~⑥を繰り返します。
これまでに書いてきた文章を通して読んで,お互いに批評します。
【準備学習】テーマに即した文章を,どのように読まれたいのかを意識して作成してきて下さい。
第26回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション①~⑥を繰り返します。
短文・長文の文章の違いについて学習します。
【準備学習】テーマに即した文章を,400字と800字で作成して下さい。
第27回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション①~⑥を繰り返します。
完成度の高い文章を書くためのアウトラインの書き方について学習します。
【準備学習】テーマに即した文章を,アウトラインを書いてから作成して下さい。
第28回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション①~⑥を繰り返します。
完成度の高い文章を書くためにはどうしたらよいのか。自分が大切と思うことを振り返り、まとめます。
【準備学習】テーマに即した文章を,自分が文章を書くにあたり大切と思うものを優先させて作成して下さい。
第29回文章を介してのプレゼンテーションとディスカッション文章作成のチェックリストを使用し,完成度の高い文章を書くための要件について学習します。
【準備学習】授業の集大成となるような文章(2000字以上)を作成して下さい。
第30回全体のまとめ良い文章を書くためには何に気をつけたらよいのか確認します。また通年の授業を通して学んだことについて発表してもらいます。
授業形式 ①あらかじめ担当者を決めて,文章を皆に配布しプレゼンテーションをしてもらいます。
②それに対し参加者は質問や意見を出します。
③授業の最後に担当者が各文章のテーマを決め,そのテーマで参加者は翌週まで文章を作成します。
授業は毎時文章の講評から始めます。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
0% 40% 0% 40% 20% 100%
評価の特記事項 授業内における発言や貢献度(評価方法にある「その他」)も評価の対象とします。
テキスト 使用しません。
参考文献 適宜指示します。
オフィスアワー(授業相談) 水曜日:15:00〜16:00 事前にメールでアポイントをとって下さい。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 400字詰,縦書き原稿用紙(A4)を必ず用意して下さい。
毎週指定されたテーマにそって文章を作成する宿題が課されます。
出席をし,翌週に文章を提出してはじめて1回の出席とみなします。
学生参加型の授業です。ディスカッションを含め,主体的に授業に参加できる方のみ履修して下さい。
意識して文章を書くようになると,短期間で文章力は確実に上がります。ただし授業外でも表現に多く触れ,自分なりに語彙力をつけるための努力をするようにして下さい。