講義名 日本語表現A ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 木3
単位数 4

担当教員
氏名
金子 亜由美

学習目標(到達目標) 1.新聞記事や書籍の内容を正確に読解し、要約することができる。
2.あるトピックについて、自分の興味関心に基づいたテーマを設定し、レポートを作成することができる。
3.レポートを作成するために必要となる論理的な文章の書き方を理解し、実践することができる。
4.レポート作成に必要な文献調査を行うことができる。
5.レポートを作成するための様々な約束事(例:注の付け方・書誌情報の記載方法・引用の仕方)を理解し、実践することができる。
授業概要(教育目的) 本講義は、自らの興味関心に基づいたテーマを設定し、レポートを完成させることを目指します。このために必要なライティング技術、課題抽出とその整理の方法、文献調査の方法、文献の読み方、要約・引用の仕方等について解説します。
また、実際に手を動かして文章を作成することによって、「書く」という行為に対する抵抗感を弱め、自分の意見や考え方を誠実に、かつ自信を持って他者に伝えられるようになることを目標とします。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス本講義の目的・目標を改めて確認すると共に、講義の進め方や試験方法、講義を受ける際の諸注意などについて説明する。
【準備学習】
教科書を購入し、目を通しておくこと(教科書についても説明するので、必ず持参すること)。
第2回新聞の縮約(1)新聞記事の縮約の仕方を解説した後、こちらで用意した記事を使って、縮約を作成してもらう(講義後回収)。
【準備学習】
ガイダンスで指示する持ち物を用意し、忘れずに持参すること。
第3回新聞の縮約(2)第2回目の講義で作成してもらった縮約をもとに、フィードバックを行った後、学生自身が用意した新聞記事を使って、縮約を作成してもらう(講義後、記事と共に回収)。
【準備学習】
縮約を作成するために必要となる新聞記事(社説でもよい)を探し、忘れずに持参すること。
第4回新書の要約(1)第3回目の講義で作成してもらった縮約をもとに、フィードバックを行った後、新書の要約の仕方について解説する。この解説を踏まえ、こちらで用意した新書本文資料の要約を作成してもらう(講義後回収)。
【準備学習】
前回の講義で配布された新書本文資料に目を通すしておくこと(この資料は忘れずに持参すること)。
第5回新書の要約(2)第4回目の講義で作成してもらった要約をもとに、フィードバックを行った後、学生自身が用意した新書本文資料を使って、要約を作成してもらう(講義後、資料と共に回収)。
【準備学習】
要約を作成するために必要となる新書本文資料を探し、忘れずに持参すること。
第6回意見文の要約と作成(1)第5回目の講義で作成してもらった要約をもとに、フィードバックを行った後、意見文の要約の仕方と、書き方について解説する。
【準備学習】
前回の講義で配布された意見文に目を通しておくこと(この資料は忘れずに持参すること)。
第7回意見文の要約と作成(2)配布した意見文の要約とそれに対する自身の意見文を作成し(講義後回収)、発表してもらう。
【準備学習】
意見文に対する自身の意見・感想を整理しておくこと(配布された資料は忘れずに持参すること)。
第8回意見文の要約と作成(3)第7回目の講義で作成してもらった要約と意見文をもとにフィードバックを行った後、学生自身が用意した意見文の要約とそれに対する意見文を作成し(講義後、意見文と共に回収)、発表してもらう。
【準備学習】
要約と自身の意見文の作成に必要となる意見文(新聞の社説でもよい)を探し、必ず持参すること。
第9回小説のあらすじと感想(1)第8回目の講義で作成してもらった要約と意見文をもとにフィードバックを行った後、小説のあらすじのまとめ方と感想を書く手順を解説する。その解説を踏まえ、こちらで用意した短編小説のあらすじと感想を作成し(講義後、回収)、発表してもらう。
【準備学習】
前回の講義で配布された小説の資料に目を通しておくこと(この資料は忘れずに持参すること)。
第10回小説のあらすじと感想(2)第9回目の講義で作成してもらったあらすじと感想をもとにフィードバックを行った後、学生自身の用意した短編小説のあらすじと感想を作成し(講義後、小説資料と共に回収)、発表してもらう。
【準備学習】
あらすじ作成に相応しいと考えられる短編小説を探し、必ず持参すること。
第11回論説文の作成(1)第10回目の講義で作成してもらったあらすじと感想をもとにフィードバックを行った後、論説文の書き方(特に「意見」と「事実」の区別の仕方)を解説し、ブレイン・ストーミングとアウトラインの作成に取り組んでもらう。
【準備学習】
「論理的な文章」とはどのような文章のことを指すのか、自分なりに考えてみること。
第12回論説文の作成(2)前回に引き続き、論説文の書き方(特にパラグラフ・ライティングについて)を解説する。
【準備学習】
前回の講義で行ったブレイン・ストーミングとアウトラインの作成を、この回までに完了しておくこと(作成した資料は忘れずに持参すること)。
第13回論説文の作成(3)前回に引き続き、論説文の書き方(特に簡潔な文章を書く方法について)を解説した後、作成したアウトラインにしたがって、論説文を作成してもらう(講義時間内に完成した学生は、講義後に提出。完成しなかった学生は、次回までの課題とする)。
【準備学習】
「パラグラフ・ライティング」について復習しておくこと。
第14回レジュメ(発表資料)の作り方第13回目の講義で作成した論説文をもとにフィードバックを行った(前回未提出者は、今回の冒頭に提出)後、レジュメ(発表資料)の作り方と効果的なプレゼンテーションの方法について解説する。
【準備学習】
前回の講義で論説文を提出しなかった学生は、今回までに必ず完成させてくること。
第15回中間のまとめまとめ
第16回トピックとテーマレポート作成の基本的な流れを確認すると共に、トピックとテーマについて解説する。その解説を踏まえ、各自のレポートの基礎となるトピックとテーマを考え、設定する。
【準備学習】
教科書のPreface及びLesson1に目を通してくること。
第17回アイデア・メモの作成前回設定したトピックとテーマを発表してもらった後、アイデア・メモの作成の仕方について解説すると共に、各自のテーマについて、実際にメモを作成する。
【準備学習】
教科書のLesson2に目を通してくること。
また、前回の講義時間中にテーマ設定が出来なかった学生は、この時間までに必ずテーマを設定すること。
第18回文献調査の方法(1)レポート作成のために、テーマに沿った文献をどのように選び、探せばよいかについて解説する。また、文献を効率良く読むための方法についても解説する。課題として、文献の書誌情報の調査と、基本的文献情報の記録を行ってもらう。
【準備学習】
教科書Lesson3~Lesson5、Lesson15に目を通しておくこと。
第19回文献調査の方法(2)前回の課題である書誌情報の調査結果と、基本的文献情報について報告してもらう。その後、文献の情報を効率良く読み取るための方法について解説する。この解説を踏まえて、各自が用意した文献資料を読み、短いレジュメを作成してもらう(講義後、資料と共に回収)。
【準備学習】
教科書Lesson6に目を通しておくこと。
文献の書誌情報の調査結果・基本的文献情報の記録は、教科書p.9、p.11に過不足なくまとめておくこと。
また、レジュメ作成に必要な資料として、上記課題で調査した文献の中から1冊を選び、その本の一部をコピーして必ず持参すること。
第20回アイデアを整理する方法アイデアを整理し、レポートの核となる問題点を抽出する方法について解説する。その後、第17回目で作成したアイデア・メモを用いて、実際にアイデアのグループ化と、そのグループの階層化を行い、レポートの基本的なアウトラインを作成する。
【準備学習】
教科書Lesson7~8に目を通しておくこと。
アイデア・メモは、文献調査の結果なども踏まえ、この回までに充実させておくこと。
第21回中間報告(1)前回まとめたアウトラインをもとに作成したレジュメにしたがって、各自のレポート作成状況と、今後の見通しについて報告してもらう(レジュメは講義後回収)。
【準備学習】
第14回目の講義内容等をもとに、レジュメを作成し持参すること。
また、自分の意見を口頭で伝えるためには、どんな工夫をすればよいか考えてみること。
第22回中間報告(2)前回に引き続き、各自のレポート作成状況と、今後の見通しについて報告してもらう(レジュメは講義後回収)。
【準備学習】
第21回目の内容を参照。
第23回論理的な文章と主観的な文章第21・22回目で使用したレジュメをもとにフィードバックを行った後、論理的な文章と主観的な文章に違いについて解説する。その解説を踏まえて、Lesson9の練習問題を作成してもらう(講義後、回収)。
【準備学習】
教科書Lesson9・11に目を通しておくこと。
第11~13回目の講義内容を復習しておくこと。
第24回論証とはなにか配布資料をもとに、様々な論証の方法について解説する。
【準備学習】
前回の講義で配布された資料に目を通してくること(この資料は必ず持参すること)。
第25回推敲の方法推敲をする際に注意すべき点などについて解説した後、教科書の例文や、第23回目に作成した課題文などを使用して、実際に推敲を行ってもらう。
【準備学習】
教科書Lesson10に目を通しておくこと。
第26回図表とグラフの活用図表やグラフから情報を読み取る際に注意すべき点や文字情報を表やグラフ、概念図にまとめて整理する方法について解説する。
【準備学習】
教科書Lesson12~13に目を通しておくこと。
第27回引用と著作権適正な引用の方法と、著作権について解説する。
【準備学習】
教科書Lesson14に目を通しておくこと。
第28回レポートの形式レポートを作成する際の形式(表紙の付け方・タイトルの付け方・書誌情報の記載の方法・注の付け方など)を説明すると共に、Wordでレポートを作成するのに便利な機能を紹介する。
【準備学習】
レポートのタイトル案を考えてくること。
第29回理解度の確認要点のまとめ
第30回まとめまとめ
授業形式 基本的に講義形式で行いますが、講義時間中に記事要約等を練習し、それを課題として提出してもらったり、レポート作成の途中経過を短く報告したりしてもらうことがあります。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
0% 60% 0% 30% 10% 100%
評価の特記事項 評価の際は、学期末提出のレポートを特に重視します。
テキスト 伊藤義之著『はじめてのレポートWorkbook』嵯峨野書院,850円.
参考文献 戸田山和久『新版 論文の教室 レポートから卒論まで』NHK出版,1200円.
オフィスアワー(授業相談) 授業初回にお知らせする指定のEメールアドレスに連絡し、必ずアポイントを取ってください。原則として木曜日の11:30~12:30に対応しますが、この時間帯が難しいという場合はご相談ください。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 自分が書いた文章や使用した資料は、講義を受けた記録として、必ず保存しておいてください。
また、実際に文章を作成する以外に、文献名調査・記事探し等にも取り組んでもらいますので、自分の興味関心のある分野についての新聞や雑誌の記事・書籍には、普段から注目しておくとよいでしょう。
参考文献として挙げた『論文の教室』は、前期中に一読することをおすすめします。