講義名 心理学 ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 水1
単位数 4

担当教員
氏名
篠ヶ谷 圭太

学習目標(到達目標) 心理学とは,人間が外部からの情報を知覚,記憶,思考し,発話や行動として外部へ出力していく際の心のはたらきを,科学的に探求していこうとする学問である。この授業では,心理学の理論や専門用語,様々な研究事例を知り,それらを自分の言葉で説明できるようになること,また,市民,教育者として,人と関わっていく際に多様な視点から分析的な思考ができるようになることを目標とする。
授業概要(教育目的) 本講義では,まず心理学の歴史や研究法を解説し,心理学の考え方や様々な立場を紹介した上で,知覚,記憶,思考,動機づけといった認知心理学の内容,社会的な相互作用の中での心の働きを捉える社会心理学の内容,人間が抱える様々な心的問題とその対処法を考える臨床心理学の内容を扱っていく。授業終了時には,学生がこれらの知識を習得し,日常生活における様々な場面に役立てられるようになることを目標とする。
授業計画表
 
項目内容
第1回心理学とは心理学の考え方に触れるとともに,今後の授業の内容や進め方について解説する。
【準備学習】心理学の研究領域としてどのようなものがあるのかを確認しておくこと。
第2回心理学史科学としての心理学がいつ成立し,どのように展開してきたのかについて解説する。
【準備学習】心理学における様々な立場や,それぞれの研究方法について参考書等で確認しておくこと。
第3回知覚人間の知覚の特徴を実際に体験しながら学んでいく。
【準備学習】感覚と知覚のちがいとは何かについて参考書等を見ながら考えておくこと。
第4回認知発達認知発達の諸理論について,各発達段階の特徴を詳細に解説していく。
【準備学習】どの年齢で何ができるようになるのかについて参考書等で確認しておくこと。
第5回言語発達どの年齢でどのような言語能力が身に付いていくのか,言語習得のメカニズムとはどのようなものかについて解説する。
【準備学習】各年齢での言語能力について参考書等で確認しておくこと。
第6回概念発達数や科学に関する諸概念がどのように発達していくのかについて解説する。
【準備学習】各年齢での様々な概念の特徴について参考書等で確認しておくこと。
第7回記憶記憶課題などを体験しながら記憶の種類やメカニズムについて学んでいく。
【準備学習】参考書等で記憶の種類について確認しておくこと。
第8回学習学習の基礎理論としての条件づけやその他人間が行う学習について,日常的な現象と関連づけながら解説する。
【準備学習】条件づけにはどのような種類があるのか,参考書等で確認しておくこと。
第9回文章理解実際に文章を読むなどの体験をしながら人間が文章を理解していく際の情報処理メカニズムについて学んでいく。
【準備学習】文章を読む際にどのような処理をしているかを考えておくこと。
第10回思考人間の推理や問題解決に見られる特徴について,実際に課題に取り組みながら学んでいく。
【準備学習】参考書等で人間の推理や問題解決について確認しておくこと。
第11回動機づけ動機づけの諸理論について解説するとともに,動機づけをたかめる上でどのような働きかけが必要となるかについて考えていく。
【準備学習】自分の経験から,どのような時に動機づけが高まるのかを考えておくこと。
第12回情動情動の定義や情動研究の展開について解説する。
【準備学習】情動にはどのような種類のものがあるのかについて,自分の経験をもとに考えておくこと。
第13回知能知能の構造や知能を測定するためのさまざまな検査方法について解説する。
【準備学習】知能検査にはどのようなものがあるのかを確認しておくこと。
第14回人格様々な人格検査について学ぶとともに,人格が正常に発達していくためには何が必要なのかについて学ぶ。
【準備学習】人格検査にはどのようなものがあるのかを参考書等で確認しておくこと。
第15回中間のまとめまとめ
第16回社会心理学と臨床心理学社会心理学と臨床心理学の対象としてどのような現象が挙げられるのかを解説する。
【準備学習】社会心理学や臨床心理学の研究領域について参考書等で確認しておくこと。
第17回社会的認知人間が原因帰属を行う際の特徴について解説する。
【準備学習】出来事の原因を考える際にどのような要因が作用するかについて考えておくこと。
第18回自己自己概念と自尊心の違いについて解説するとともに,自尊心を高めるために行われる様々な処理について解説する。
【準備学習】参考書等で自己概念や自尊心の定義について確認しておくこと。
第19回態度「態度」の定義について学ぶとともに,態度が変化する上でどのような要因が重要になるかについて学んでいく。
【準備学習】参考書等で態度の内容としてどのようなものが挙げられるのかを確認しておくこと。
第20回社会的影響同調の定義や内容について解説し,人間が権威に追従してしまう状況などについて学ぶ。
【準備学習】同調とはどのような現象かについて参考書等で確認しておくこと。
第21回対人関係魅力の要因について概観し,対人コミュニケーションにおいて用いられる手段について解説する。
【準備学習】魅力の規定要因について参考書等も見ながら考えておくこと。
第22回援助援助行動の定義や種類,その規定要因について解説を行う。
【準備学習】自身の経験をもとに,援助行動がいつ生起するかについて考えておくこと。
第23回攻撃攻撃行動に関する諸理論を学び,攻撃行動の規定要因や回避方法について学ぶ。
【準備学習】自身の経験をもとに,攻撃行動が生起するメカニズムについて考えておくこと。
第24回集団と個人集団の中にいることで個人の行動がどのように変化するのかについて解説を行う。
【準備学習】自身の行動が周囲にいる人間によってどのような影響を受けているかについて考えておくこと。
第25回集合現象群集の種類やその影響力について,具体例を挙げながら解説を行う。
【準備学習】人が集まることでどのような現象が生まれるかについて,自身の経験をもとに考えておくこと。
第26回マスコミュニケーションマスコミュニケーションの定義やその影響プロセスについて解説する。
【準備学習】自身の経験をもとにマスコミュニケーションの影響について考えておくこと。
第27回精神疾患精神疾患の種類や診断基準について学ぶ。
【準備学習】様々な精神疾患について参考書等で確認しておくこと。
第28回心理療法(1)精神分析と人間性心理学の考え方や,それぞれの心理療法のアプローチについて解説する。
【準備学習】参考書等で精神分析,人間性心理学の特徴を確認しておくこと。
第29回心理療法(2)行動療法と認知療法の考え方や,それぞれの心理療法のアプローチについて解説する。
【準備学習】参考書等で行動療法,認知療法の特徴を確認しておくこと。
第30回まとめ16回以降の内容のまとめ
授業形式 授業は板書とスライドを用いた講義形式で行います。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
70% 0% 20% 10% 0% 100%
参考文献 大村彰道(編著)『教育心理学Ⅰ-発達と学習指導の心理学―』東大出版会.
安藤清志・池田謙一・大坊郁夫(著)『社会心理学』岩波書店.
下山晴彦(著)『よくわかる臨床心理学』ミネルヴァ書房.
オフィスアワー(授業相談) 水曜日11時~12時(事前にアポイントを取ること)
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 様々な知識を吸収し,疑問を解消しようとする積極的な姿勢を求めます。