講義名 メディア論 ≪□第一部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 金5
単位数 2

担当教員
氏名
佐藤 秋成

学習目標(到達目標)  西欧の文化芸術に与えた日本文化の影響をモードの視点でとらえ,モードのジャポニスムの歴史的な道筋のうえに,現代の日本ファッションが世界のどのような位置にあるのかを修得する。それによって,服飾の領域における日本文化の知識を身に着け,モードの東西交流の歴史及び現状,世界に進出している日本人デザイナーの活躍ぶり,さらにはそのブランドイメージを伝達するメディア戦略を把握することができるようになる。
授業概要(教育目的)  前半においては,19世紀後半に欧米で盛んになった「日本趣味」のなかで,モードにおける東西文化の相互性に着目し,西洋での日本文化の受容および東西交流の一面を複眼かつ横断的な視点で考察する。
 後半においては,20世紀後半のネオ・ジャポニスムのなかで,衣服の象徴作用を解体する日本のファッションデザイナーたちの活躍に焦点を当てる。授業終了時には現代日本のファッションが持つ創造性と,その前衛的なデザインに潜む文化的背景について,より身近な存在として感じられるようになることを目標とする。
授業計画表
 
項目内容
第1回 プロローグ概論と主旨

【準備学習】
講義内容をメモし,講義概要や受講ルールをしっかり把握することが望ましい。

第2回ジャポニスム概説①影と断片の美学 ②「ジャポニスム」の意味するもの
③西欧人の日本発見 ④生活芸術の発見

【準備学習】
配布したプリントを予め読んでおくこと。
第3回モードのジャポニスム―西洋に渡ったキモノ(1)異国趣味 (2)文様 (3)形 (4)構造

【準備学習】
口頭で指示した予習内容を準備すること。
第4回ファッションデザイナーの誕生身体を解き放す自然美を評価する20世紀モードの確立
①Charles Frederick Worth
②Paul Poiret

【準備学習】
口頭で指示した予習内容を準備すること。
第5回新しい女性像を服飾から具現化する①Madeleine Vionnet
②Coco Chanel

【準備学習】
配布したプリントを予め読んでおくこと。
第6回ネオ・ジャポニスム―日本から再び世界へ衣服の象徴作用を解体する日本のファッションデザイナーたちの活躍

【準備学習】
口頭で指示した予習内容を準備すること。
第7回高田賢三庶民的で日常的なキモノから発想された鮮やかな色や重ね着

【準備学習】
口頭で指示した予習内容を準備すること。
第8回三宅一生「一枚の布」に見られる〈ゆとり〉というコンセプト

【準備学習】
口頭で指示した予習内容を準備すること。
第9回川久保玲日本の美意識が持つ不完全性,意識的な完璧性の欠落。日本的な感性を基本とした前衛的な美の表現。

【準備学習】
口頭で指示した予習内容を準備すること。
第10回山本耀司東洋の神秘を感じさせる知的なスタイルの創造。固定観念を打ち破り,美意識の変革に挑むクレアトゥール。

【準備学習】
配布したプリントを予め読んでおくこと。

第11回日本人デザイナーのメディア戦略ⅠフォトグラファーNick Knight、
映画監督Wim WendersとYohji Yamamoto

【準備学習】
口頭で指示した予習内容を準備すること。

第12回日本人デザイナーのメディア戦略ⅡフォトグラファーPeter LindberghとComme des garçons &KENZO

【準備学習】
口頭で指示した予習内容を準備すること。

第13回フォークロア・ファッションとエスニック・ファッション西洋人デザイナーが作り出す「幻想的」な東洋

【準備学習】
口頭で指示した予習内容を準備すること。

第14回理解度の確認要点のまとめ 
第15回エピローグ:締め括りまとめ
授業形式 コレクションの映像作品の上映やPowerPointによる解説を中心とした講演形式。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
60% 20% 0% 20% 0% 100%
評価の特記事項 定期試験のほかに,授業内に課する教場レポートを1~2回を実施する。
テキスト 授業時に必要に応じてプリントを配布する。
参考文献 授業時に適時指示する。
オフィスアワー(授業相談) 本授業終了後,本館二階講師室にて20分間は対応している。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 事前学習の内容については,随時口頭で指示する。毎時間,コレクションの映像作品を上映するため,私語,遅刻は厳禁。