講義名 フランス語Ⅰ ≪□第一部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 木1・金2
単位数 2

担当教員
氏名
安田 靜

学習目標(到達目標) 1年次のフランス語(I・II)では,フランス語習得の基礎となる文法的知識および簡単な日常会話表現の習得を目標とします。語学学習とともに,授業を通してフランスの文化,社会,生活習慣などについても触れていきましょう。なお,フランス語Iはその前半部分ですが,1年次は前期科目(週2コマ・半期で単位認定),再履修の場合は通年科目(週1コマ・通年で単位認定)となります。
授業概要(教育目的) 5つの母音のみで成立する日本語と異なり,たくさんの母音を持つフランス語については,音声面での緻密な学習が不可欠です。初歩の文法的内容の理解・習得とともに,フランス語Iでは発音練習も重視します。
なお,フランス語の動詞の活用や形容詞の使い方には英語と大きく異なる点がたくさんあります。主語に応じて変化する様々な形を正しく身につけて,実際にフランス語で発話し,簡単な挨拶や自己紹介などでコミュニケーションの糸口が掴めるようになりましょう。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンスフランス語学習の進め方,
授業の進め方,音声ダウンロードの手順,
辞書の使い方+単語の調べ方と単語帳の作り方などについて説明します。
【準備学習】テクストと指定辞書を持参すること。なお,この授業では必ずしも教科書の順番にはこだわらず,重要と思われる事項を中心に進めていきますので,毎回,予習と復習(ex.練習問題)の指定箇所に十分注意してください。
第2回基礎編フランス語のアルファベットの読み方,
発音の基本事項について説明します。
簡単な挨拶の仕方も覚えましょう。
【準備学習】ダウンロードした音声の「アルファベ」(p.1)を聞き,自分なりのふりがなをつけてみましょう。
第3回主語人称代名詞と
動詞êtreの活用
英語よりもずっとたくさんある主語の言い方に慣れましょう。それらの主語に合わせて,動詞の活用もたくさん出てきますが,実際に聞こえてくる音の種類は限られています。音と一緒に,綴りもしっかり覚えましょう。
【準備学習】êtreの発音にふりがなをつけておきましょう。
第4回名詞の性と数フランス語の名詞にはすべて,男か女かの区別があります。机や椅子にも,そのような区別がつけられています。
【準備学習】p.6-9の名詞について,あらかじめ辞書で調べ,単語帳にまとめましょう。
第5回形容詞主語が男性か女性か,単数なのか複数なのかによって,職業などを言う場合の形が変わっていきます。また,車や本などの無生物の単語についても,その単語が持つ固有の性別に基づき,形容詞の形を変える必要があります。
【準備学習】よく使われる形容詞の男女・単複に応じた変化を一覧表にしておきましょう。
第6回<形容詞の小テスト>

冠詞(定冠詞と不定冠詞)
授業内に行う小テストは,フランス語を聞き取ってフランス語で書く,という聞き取りのテストです。正しい綴りで普段から練習しておきましょう。
【準備学習】小テストの準備を万全に行って下さい。また,英語の定冠詞・不定冠詞の使い方をしっかり復習しておくこと。
第7回部分冠詞
中性代名詞概説
部分冠詞という名称はフランス語に特有のものですが,考え方としては英語の「不可算名詞」とよく似ています。
【準備学習】英語の「不可算名詞」にはどんなものがあるか,具体例だけでなく,それらをとりまとめるグループの名前も調べておきましょう。
第8回parler, aimerの活用

エリズィオン
-er型規則動詞のうち,頻繁に使われる動詞を学びます。
フランス語の発音をしやすくするために,弱い発音の母音を削ってしまうことがあります。日本人には苦手な部分なので,しっかり覚えましょう。
【準備学習】parlerとaimerの活用を全て書き出し,ダウンロード音声を聞いてふりがなを振っておきましょう。
第9回様々な-er型規則動詞の活用

国名,国民名,言語名
フランス語動詞の90%を占める,といわれている-er型規則動詞の活用を練習してゆきます。
国名を覚える際には,必ず冠詞(男女の区別)も一緒に覚えておきましょう。ただし,言語名は常に男性形です。
【準備学習】日独仏の他,イタリア,スペイン,中国,アメリカ,英国について調べておきましょう。
第10回<-er型規則動詞の小テスト>

avoirの活用
faireの活用
小テストは聞き取り問題です。

普段の生活でよく使うだけでなく,後期の授業ではêtre同様,過去の時制を作る際にも必要になる重要な単語,avoirについて学びます。
【準備学習】小テストの準備をしっかりと。avoirとfaireの活用を書き出し,ダウンロード音声を聞いてふりがなを振っておきましょう。
第11回基数形容詞 1-24

時刻と年齢の表現
数に関する表現を学びます。プレゼンテーションでも必要になる部分ですから,正しく発音し,書けるようにしておきましょう。
【準備学習】ダウンロード音声を聞き,1-24までの読み方(p.10, p.16)にふりがなを振っておきましょう。
第12回<avoir及び時刻・年齢の表現の小テスト>

allerの活用と近接未来
allerは行く,という意味の動詞ですが,それだけではなく,近接未来,という表現にも使うことのできる大変便利な動詞です。しっかり覚えましょう。
【準備学習】小テストの準備に加え,allerの活用を書き出して,ふりがなを振っておくこと。
第13回前置詞+冠詞の縮約行く,来るといった動詞は,国名,都市名などを組み合わせて使う必要があります。その際,前置詞と国名に付く冠詞の2語は,合体して「縮約形」という特別な形になるので,注意が必要です。
【準備学習】第9回で学んだ国名とaller,venirを組み合わせるとどのような変化をするか,あらかじめ調べてみましょう。
第14回venirの活用と近接過去venirは来る,という意味の動詞で,allerと対にして覚えておくべき大事な動詞です。近接過去の表現にも使われます。
【準備学習】venirの活用と読み方をあらかじめ調べておきましょう。
第15回<aller, venirの直説法現在と
近接未来・近接過去の小テスト>

命令法,指示形容詞
命令法についてはおさらいのみ,期末テストでの出題は後期にまわす予定です。
【準備学習】小テストの準備として,現在形だけでなく,近接未来と近接過去の使い方もしっかりおさらいしておくこと。
第16回様々な提示表現
(Il y a+名詞の構文を含む)
ここに〜があります,など,英語のThere is (are)構文に相当する表現を学びます。
【準備学習】関連して,Voilàの表現やC'est〜の表現も調べておきましょう。
第17回非人称構文時刻や天候,提示の表現など,日常よく使われる非人称構文を学びます。
【準備学習】様々な提示表現や時刻の表し方などをおさらいしておくこと。また,faireの活用や使い方を調べておきましょう。
第18回全体疑問文:3つの構文疑問文について,意味は同じでもニュアンスが異なる3つの構文を学びます。
【準備学習】倒置疑問文に注意して,授業で指定された動詞の倒置形を調べておきましょう。
第19回否定文
否定文と冠詞の変化
否定疑問文
否定文の作り方を学びます。
フランス語では,否定文になると冠詞を変化させなければならない場合があるので注意が必要です。また,否定疑問文で聞かれた際のSiとNonの使い分けにも十分注意してください。
【準備学習】英語の否定疑問に対する答え方を復習しておきましょう。
第20回所有形容詞
形容詞の位置
名詞・形容詞の変化
所有形容詞は「私の」,とか「彼の」,という意味で使われる重要なパーツです。英語のhis, herなどの表現とは使い方が大きく異なるため,注意が必要です。
【準備学習】これまでに習った名詞の男女の区別をもう一度おさらいしておくこと。
第21回-oir型動詞

疑問詞qui, quoi
voirやpouvoir, vouloirなど,日常よく使われる単語の活用を学びます。
【準備学習】授業で指定された動詞の活用をあらかじめ調べて,ふりがなを振っておきましょう。また,目的語に何をとるのか,使い方も調べておきましょう。
第22回前置詞+疑問詞qui, quoi
序数詞
à+qui, à+quoiなどを用いた疑問文について学びます。
【準備学習】第11回で習った数詞の表現をもとに,序数詞の読み方を調べておきましょう。
第23回疑問形容詞quelフランス語では疑問形容詞quelも,そのあとに続く単語の性数に合わせて,形を変える必要があります。
【準備学習】時刻や年齢を尋ねる表現を復習し,単語によって疑問形容詞が変化する実例を調べておきましょう。
第24回疑問副詞où, quandどこで,いつ,などを尋ねるための,基本的な疑問文を作れるようにしましょう。
【準備学習】est-ce queとの組み合わせでどのような音の変化が起こるか,辞書で調べておきましょう。
第25回疑問副詞comment, pourquoi, combienどのように,なぜ,どのくらい,などを尋ねるための基本的な疑問文の作り方を学びます。
【準備学習】それぞれの疑問副詞に対する答えの典型について,あらかじめ調べておきましょう。
第26回様々な日常表現のまとめ旅行会話や日常表現としてすぐに役立つフレーズを,これまでの文法内容と関連づけて学びます。
【準備学習】辞書の付録CDにあるダイアローグのうち,指定されたものを聞いておくこと。
第27回フランス語でプレゼンテーション(配点:10点満点)名前,職業,年齢など,前期で学習した内容をもとに,簡単な自己紹介をフランス語で行ってもらいます。文法,発音の両方から評価します。
【準備学習】自分のプレゼンテーションをスムーズに行えるよう,繰り返し発音練習をしておくこと。
第28回理解度の確認:前期筆記試験(聞き取り問題を含む)半年間の総ざらい。
100点満点のうち,40点分は小テストと同じ形式のフランス語聞き取り問題です。
第29回まとめ①まとめ
第30回まとめ②まとめ
授業形式 基本は講義形式ですが,発音練習,対話練習などの実践練習を含みます。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
60% 0% 30% 0% 10% 100%
評価の特記事項 筆記試験(100点満点→60%の60点で計算)+小テスト(30点満点)+プレゼンテーション(10点満点)=100点,合計60点以上で合格。なお,4分の1以上欠席した場合は筆記試験の受験を認めません。
テキスト テクスト:杉本圭子他著,『くわしく学ぶ フランス語の基礎』,朝日出版社,本体2,200円+税.
辞書:『プチ・ロワイヤル仏和辞典』,CD付第4版,旺文社,4200円.
参考文献 授業時に随時紹介します。
オフィスアワー(授業相談) 可能な限り木曜または金曜の授業終了時にアポイントを取って下さい。もしくは水・金の12:20-12:30の間に,本館2階講師室で所在(授業後教室に残っていることや会議で不在のことがあります)を確認後,面接予定のアポイントを取り,指示された時間に本館2階講師室に来ること。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ  語学の授業は1回でも休むと自分で取り返すのは困難です。毎回参加を習慣づけましょう。期末テストでは小テストと同様の聞き取り問題を4割分出題します。毎回8割はとれるように。
 授業では紙の辞書を徹底的に使い倒します。最新版の第4版(2010年刊行)を桜門書房(本館地下)で購入のこと。古い版や別な辞書を購入すると,頁数が一致せず支障が生じるので要注意。なお,実際の授業進行は教科書及びシラバスの順序とは異なることがあります。
 年2回,6月と11月に仏語検定試験が実施されています。(申込:約2ヶ月前。検定料3500~4500円。詳細は「仏検」検索の上参照のこと)秋にはぜひ挑戦してみて下さい。