講義名 国際金融論 ≪昼夜共通≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 火5
単位数 4

担当教員
氏名
橋本 英俊

学習目標(到達目標) 1.国際金融市場の構造や,為替と金利の関係を説明できる。
2.変動為替相場制度や固定為替相場制度,中間的為替制度など,それぞれの為替制度の特徴について説明でき,為替制度の選択について検討することができる。
3.長期,中期,短期における為替レートの決定理論について説明できる。
4.国際間の資本移動について理解し,国際収支表の見方を身につけることができる。
5.代表的な通貨危機について,それぞれの特徴を比較説明することができる。
6.現在注目される国際金融トピックについて,説明することができる。
授業概要(教育目的) 本講義は,国際金融に関する諸問題を検討する上で必要とされる,国際金融市場の構造,為替と金利の関係,為替制度,為替レートの決定理論,国際資本移動に関する議論などの基礎的な知識を習得した上で,それらを統合し,現代の国際金融に纏わる諸問題について,自ら分析,理解できるようになることを目標とする。
授業計画表
 
項目内容
第1回前期イントロダクション国際金融論とは何を学ぶ学問か,また年間を通じた本講義および前期講義について,その概要を説明する。
第2回為替レートの基礎知識(1)
外国為替市場の構造
外国為替市場について,市場参加者の構成や,銀行間市場や対顧客市場の構造,また,それぞれの市場で成り立つ為替レートの関係などについて説明する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第3回為替レートの基礎知識(2)
為替レートの概念
名目為替レートのほか,実質為替レートや実効為替レート,実質実効為替レートについて,それぞれの関係と特徴を説明する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第4回為替レートの基礎知識(3)
金利裁定
直物(スポット)レートと先物(フォワード)レート,および自国金利と外国金利金利との関係(金利裁定)について説明する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第5回為替レートの基礎知識(4)
変動相場制度と固定相場制度
変動相場制度と固定相場制度の基本的な概念や,それぞれの特徴について説明する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと
第6回為替レートの基礎知識(5)
代表的な固定相場制度の例
代表的な固定相場制度について,具体的にはブレトンウッズ体制,ヨーロッパの固定相場制度,金本位制を取り上げ,それぞれの特徴を踏まえながら解説する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第7回為替制度選択(1)
国際金融のトリレンマと為替制度選択
各為替制度のメリットとデメリットについて,国際金融のトリレンマの概念などを用い,検討する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第8回為替制度選択(2)
為替制度選択に関する議論の推移
為替制度選択に関する理論面および実証面からの先行研究を紹介し,議論の推移について解説する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第9回通貨統合(1)
EUの通貨統合
EUの通貨統合の内容と背景,および通貨統合のベネフィットとコストについて解説する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第10回通貨統合(2)
最適通貨圏の理論
最適通貨圏の理論について説明する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第11回為替レートの決定理論(1)
購買力平価説
長期における為替レートの決定理論である購買力平価説について解説する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第12回為替レートの決定理論(2)
フローアプローチ
中期における為替レートの決定理論であるフローアプローチについて解説する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第13回為替レートの決定理論(3)
アセットアプローチ
(オーバーシューティングモデル)
短期における為替レートの決定理論であるアセットアプローチ(オーバーシューティングモデル)について解説する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第14回為替レートの決定理論(4)
アセットアプローチ
(ポートフォリオバランスアプローチ)
短期における為替レートの決定理論であるアセットアプローチ(ポートフォリオバランスアプローチ)について解説する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第15回中間のまとめまとめ
第16回後期イントロダクション夏季休暇課題の解説および,後期授業の概要について説明する。
第17回国際資本移動(1)
国際資本移動の意味
国際資本移動の意味について,国際資本移動の理論に関する議論の歴史的推移を踏まえ説明する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第18回国際資本移動(2)
国際資本移動のマクロ経済学的なとらえ方,および国際収支表との関係
国際資本移動のマクロ経済学的なとらえ方,および国際収支表の構造との関係について解説する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第19回国際資本移動(3)
国際収支表の見方
実際の国際収支表の見方について説明し,主要国の国際収支表を参照しながら,それぞれの国の経済の特徴について比較検討する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第20回国際資本移動(4)
国際収支表の改定
2014年の1月分から改定された国際収支表の主な変更点と,その背景について解説する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第21回マンデル=フレミング・モデル(1)
マンデル=フレミング・モデルの導出
オープンエコノミーを前提として,財市場および貨幣市場の均衡式よりマンデル=フレミング・モデルを導出する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第22回マンデル=フレミング・モデル(2)
財政および金融政策の効果
マンデル=フレミング・モデルを用いて,変動相場制度や固定相場制度の下での財政および金融政策の効果をそれぞれ比較検討する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第23回通貨危機・金融危機(1)
中南米の累積債務問題
1980年代初頭に顕在化した,中南米諸国を中心とした累積債務問題について解説する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第24回通貨危機・金融危機(2)
欧州通貨危機
1992年に発生した,欧州通貨危機について解説する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第25回通貨危機・金融危機(3)
メキシコ通貨危機
1994年に発生したメキシコの通貨危機について解説する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第26回通貨危機・金融危機(4)
アジア通貨危機
1997年に発生したアジア通貨危機について解説する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第27回新興市場地域と国際金融(1)
銀行の海外進出
グローバリゼーションを背景とした銀行部門の直接投資について説明する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第28回新興市場地域と国際金融(2)
新興市場国地域の金融システム
新興市場国地域の金融システムに関して,現在注目されるトピックスについて取り上げ,解説する。
【授業準備】
レジュメを予め読んでおくこと。
第29回理解度の確認16回以降の要点のまとめ
第30回まとめまとめ
授業形式 講義形式で授業を行います。また,授業の進行に合わせてレジュメを配布します。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
60% 30% 5% 5% 0% 100%
参考文献 黒沢義孝著『激動する国際金融』(2600 円)梓出版社
その他の参考図書および論文等の文献については,授業時に適宜紹介する。
オフィスアワー(授業相談) 火曜日6限
事前にメール等で必ずアポイントをとること。
E-mailアドレスについては,授業初回に説明する。