講義名 地域経済論 ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 木5
単位数 4

担当教員
氏名
細谷 祐二

学習目標(到達目標)  本講義は, 地域経済を活性化させる政策について、それを正当化する経済理論的なものの考え方、見方を学習し、 現在国や各地方公共団体が実施している個々の地域経済政策の意義や問題点を適切に評価し説明できることを目標とします。
授業概要(教育目的)  大企業生産拠点の海外移転,中小企業の廃業の増加等によリ疲弊する地域経済は今後人口減少等によりさらに長期的衰退が予想されます。その意味で地域経済の活性化は我が国の最重要な政策課題の一つです。講師は、経済産業省で地域経済政策の企画立案に資する調査研究を行っています。本講義では、そうした知見を踏まえ、地域経済の抱える問題とそれを打開する地域産業政策を中心とした地域経済活性化政策を論じます。その際、政策の紹介だけでなく経済理論からどのように理解し正当化できるのか、実際の政策の課題や問題点がどこにあるのかという点に重点を置いて解説します。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス

地域経済論に興味を持つ1
授業に関するガイダンスを行う。

ジェイン・ジェイコブズの都市論は世界的に広く読み次がれる優れた古典である。この内容の紹介を通じ地域経済を活性化させる前向きな取組みのおもしろさを理解する。
【準備学習】
EcoLinkにダウンロード可能な形で事前に掲載してある、講師が書いた「ジェイコブズの都市論」という論文を各自印刷し授業に持参すること。
第2回地域経済論に興味を持つ2同 上
【準備学習】
「ジェイコブズの都市論」の論文を事前に読んでくること。
第3回地域経済論に興味を持つ3同 上
【準備学習】
同 上
第4回日本の地域経済の現状と関連する課題1各種統計データに基づき日本の地域経済の現状と地域経済に影響を及ぼす中長期的, 構造的な課題を明らかにする。
【準備学習】
EcoLinkにダウンロード可能な形で事前に掲載してある図表(パワーポイント資料)を各自印刷し授業に持参すること。
第5回日本の地域経済の現状と関連する課題2同 上
【準備学習】
図表に事前に目を通してくること。
第6回日本の地域経済の現状と関連する課題3同 上
【準備学習】
同 上
第7回集積とイノベーションの経済学1
-理論編1
一定の地域に企業が集まる産業集積はさまざまなメリットを地域経済にもたらす。近年, 特に注目されているのはそのイノベーション促進効果である。この点に関連する経済理論を紹介する。その際、必要な範囲でミクロ経済学、マクロ経済学の基礎理論, 分析ツールについても解説する。
【準備学習】
EcoLinkにダウンロード可能な形で事前に掲載してある、講師が書いた「集積とイノベーションの経済分析【前編】」という論文を各自印刷し授業に持参すること。また、可能な範囲で目を通してくること。

第8回集積とイノベーションの経済学2
-理論編2
同 上
【準備学習】
同 上
第9回集積とイノベーションの経済学3
-理論編3
同 上
【準備学習】
同 上
第10回集積とイノベーションの経済学4
-理論編4
同 上
【準備学習】
同 上
第11回集積とイノベーションの経済学5
-理論編5
同 上
【準備学習】
同 上
第12回集積とイノベーションの経済学6
-理論編6
同 上
【準備学習】
同 上
第13回集積とイノベーションの経済学7
-実証分析編1
集積が地域経済に及ぼすイノベーション促進等のさまざまなメリットを統計データに基づく計量的手法により分析した内外の研究を紹介する。
【準備学習】
EcoLinkにダウンロード可能な形で事前に掲載してある、講師が書いた「集積とイノベーションの経済分析【後編】」という論文を各自印刷し授業に持参すること。また、可能な範囲で目を通してくること。

第14回理解度の確認これまでの要点のまとめ
第15回中間のまとめまとめ
第16回集積とイノベーションの経済学8
-実証分析編2
前期に引き続き、集積が地域経済に及ぼすイノベーション促進等のさまざまなメリットを統計データに基づく計量的手法により分析した内外の研究を紹介する。
【準備学習】
EcoLinkにダウンロード可能な形で事前に掲載してある、講師が書いた「集積とイノベーションの経済分析【後編】」という論文を各自印刷し授業に持参すること。また、可能な範囲で目を通してくること。

第17回日本の産業立地政策と地域産業政策の歴史的展開1第二次世界大戦後の日本の経済発展やその後の成熟化等に応じ、企業活動の分散等を図る政策(産業立地政策)と地域に存在する企業や人の活動を活性化する政策(地域産業政策)が歴史的にどのように変化して現在に至っているかを概観する。
【準備学習】
EcoLinkにダウンロード可能な形で事前に掲載してある、講師が書いた「産業立地政策、地域産業政策の歴史的展開【その1】」という論文を各自印刷し授業に持参すること。また、可能な範囲で目を通してくること。
第18回日本の産業立地政策と地域産業政策の歴史的展開2同 上
【準備学習】
同 上
第19回日本の産業立地政策と地域産業政策の歴史的展開3同 上
【準備学習】
同 上
第20回日本の産業立地政策と地域産業政策の歴史的展開4同 上
【準備学習】
同 上
第21回日本の産業立地政策と地域産業政策の歴史的展開5同 上
【準備学習】
EcoLinkにダウンロード可能な形で事前に掲載してある、講師が書いた「産業立地政策、地域産業政策の歴史的展開【その2】」という論文を各自印刷し授業に持参すること。また、可能な範囲で目を通してくること。
第22回日本の産業立地政策と地域産業政策の歴史的展開6同 上
【準備学習】
同 上
第23回日本の産業立地政策と地域産業政策の歴史的展開7同 上
【準備学習】
同 上
第24回地域経済における中小企業の役割1地域経済、イノベーションの担い手として日本においては特に中小企業が大きな役割を果たしている。ここではそうした中小企業の中でも特に高い国際競争力を有するグローバル・ニッチトップ企業を例示として、こうした優れた企業の一層の発展を促し、こうした企業に続く企業を次々と生み出していくという政策課題について議論する。
【準備学習】
EcoLinkにダウンロード可能な形で事前に掲載してある、講師がまとめたパワーポイント資料を各自印刷し授業に持参すること。また、可能な範囲で目を通してくること。

第25回地域経済における中小企業の役割2同 上
【準備学習】
同 上
第26回地域経済における中小企業の役割3同 上
【準備学習】
同 上
第27回地域経済における中小企業の役割4同 上
【準備学習】
同 上
第28回地域経済における中小企業の役割5同 上
【準備学習】
同 上
第29回理解度の確認16回以降の要点のまとめ
第30回まとめまとめ
授業形式 講義形式。基本的に、素材となる資料をpdfファイルとし、EcoLinkを通じてダウンロード可能な形で前もって提供します。受講生は事前に各自ダウンロード・印刷して授業に臨んでもらいます。資料に書かれていない重要なことは板書をしますのでノートもしっかりとって下さい。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
60% 0% 30% 10% 0% 100%
評価の特記事項 試験は1問30点満点の記述式です。小テストは1問、定期試験は2問です。学習内容を十分理解しているかを判定します。講義態度は不定期にリアクションペーパーを取り判定します。
テキスト なし
参考文献 ポール・クルーグマン『脱「国境」の経済学』東洋経済新報社, 1994年
アナリー・サクセニアン『現代の二都物語』講談社, 1995年
ジェーン・ジェイコブズ『都市の原理』鹿島出版会, 1971年
マイケル・E・ポーター『競争戦略論2』ダイヤモンド社, 1999年
細谷 祐二 『グローバル・ニッチトップ企業論』白桃書房, 2014年
オフィスアワー(授業相談) 授業内でお知らせする指定アドレスに電子メールで連絡をください。回答は次回以降の授業中に行うこととします。面談ガ必要な場合は、日時等をこちらからメールで連絡します。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 授業計画表はあくまでも目安であり変更がありえますので注意して下さい。分かりやすい説明を心掛けますが、内容自体に高度な部分、議論が歴史的・地理的に広範に及ぶところがありますので、毎回出席しノートをしっかりと取り, それと見比べながら配布した資料を精読し、復習して下さい。
参考URL 1 http://www.rieti.go.jp/users/hosoya-yuji-x/