講義名 財務会計論 ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 月5
単位数 4

担当教員
氏名
古庄 修

学習目標(到達目標)  会計制度改革(会計ビッグバン)以後に改訂あるいは新設された一連の会計基準を中心として、当該会計基準の基礎にある考え方および基本的な論点を国際的な動向をふまえて理解し、その理論的な説明と上級簿記レベルの計算ができるようになる。
授業概要(教育目的)  本講義は、企業の経営活動と会計との関係を意識しながら、財務諸表の社会的な役割や機能、財務諸表を作成するためのルール(会計基準)とその基礎にある理論的な考え方を網羅的かつ詳細に解説する。また、本講義は、絶えず財務諸表の利用者の観点から、財務諸表の「読み方」についても理解を深めていきたいと考えている。資産・負債の評価と損益計算をめぐる国内外の最新の議論の動向とともに、会計基準の設定・変更が企業に及ぼす経済的影響についても随時取り上げていきたい。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス講義の進め方、出席カードの取り扱い等について説明する。また、会計学の体系を確認し、財務会計論の位置づけを明確にする。
第2回会計制度改革と国際会計基準会計制度改革(会計ビッグバン)以後のわが国の制度会計をめぐる動向を近年の国際会計基準(IFRS)との共通化の方向をふまえて解説し、会計制度および会計基準の意義につい検討する。
【準備学習】
第1回目の講義において配布した資料を読んでおくこと。
第3回財務諸表の体系と表示様式(1)貸借対照表、損益計算書および包括利益計算書の表示および相互の連係関係について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキスト第7章第1節を読んでおくこと。
第4回財務諸表の体系と表示様式(2)株主資本等変動計算書およびキャッシュ・フロー計算書の作成目的および表示区分と表示方法について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキスト第7章第2節を読んでおくこと。
第5回棚卸資産の会計棚卸資産の取得原価、評価方法およぴ期末評価等について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキスト第2章第3節を読んでおくこと。
第6回有形固定資産の会計(1)有形固定資産の取得原価および減価償却の意義と効果等について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキスト第2章第2節を読んでおくこと。
第7回有形固定資産の会計(2)リース会計について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキスト第6章第1節を読んでおくこと。
第8回有形固定資産の会計(3)減損会計について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキスト第6章第3節を読んでおくこと。
第9回無形資産の会計無形資産、研究開発費およびソフトウェア製作費等の会計処理について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキスト第2章第5節を読んでおくこと。
第10回繰延資産の会計繰延資産の会計処理について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキスト第2章第6節を読んでおくこと。
第11回金融資産の会計(1)有価証券の会計処理について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキスト第2章第4節を読んでおくこと。
第12回金融資産の会計(2)デリバティブ取引の会計処理について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキスト第6章第7節を読んでおくこと。
第13回金融資産の会計(3)ヘッジ会計について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキスト第6章第7節を読んでおくこと。
第14回理解度の確認これまでの要点のまとめ
第15回まとめまとめ
第16回前期の総括と会計時事の解説国際会計基準(IFRS)と国内基準の共通化(コンバージェンス)と強制導入(アドブション)、IFRSを適用する上場企業の事例研究等、直近の動向について解説する。
第17回負債の会計(1)負債概念、社債および新株予約権付社債の会計処理について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキスト第3章第1節を読んでおくこと。
第18回負債の会計(2)引当金の意義・分類・設定基準のほか、各種会計処理について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキスト第3章第3節を読んでおくこと。
第19回負債の会計(3)退職給付会計の意義、退職給付負債の計上および退職給付費用の会計処理について解説する。
【準備学習】
準備学習テキスト第6章第4説を読んでおくこと。
第20回負債の会計(4)資産除去債務の意義と範囲と認識・測定に係る会計処理について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキストの第6章第2節を読んでおくこと。
第21回純資産の会計純資産の部の構成、資本と利益の区分、払込資本および留保利益の会計、剰余金の配当、自己株式の会計処理等について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキストの第4章を読んでおくこと。
第22回収益と費用の会計(1)現金主義、発生主義、実現主義の概念および実現主義の適用例、費用収益対応の原則等について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキストの第5章を読んでおくこと。
第23回収益と費用の会計(2)工事契約、時価評価差額と実現概念、包括利益概念等について解説する。
【準備学習】
第22回目の講義において配布した資料を読んでおくこと。
第24回税効果会計税効果会計について、一時差異の分類、繰延税金資産と繰延税金負債、繰延税金資産の回収可能性等について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキストの第6章第5節を読んでおくこと。
第25回外貨換算会計外貨換算会計の意義、換算方法、外貨建取引、外貨建金銭債権債務、外貨建有価証券、在外支店の財務諸表項目の換算、在外子会社の財務諸表項目の換算等について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキストの第6章第6節を読んでおくこと。
第26回企業結合会計取得と持分の結合をめぐる基本的な考え方とその会計処理、会計基準設定の歴史的経緯、のれんの会計等について解説する。
【準備学習】
準備学習用テキストの第6章第8節を読んでおくこと。
第27回連結財務諸表(1)連結会計の意義と連結の範囲を含む一般基準、資本連結を含む連結貸借体諸表の作成について解説する。
【準備学習】
第27回目の講義において配布した資料を読んでおくこと。
第28回連結財務諸表(2)連結キャッシュ・フロー計算書および連結キャッシュ・フロー計算書の作成について解説する。
【準備学習】
第28回目の講義において配布した資料を読んでおくこと。
第29回理解度の確認16回以降の要点のまとめ
第30回まとめまとめ
授業形式 講義形式による。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
30% 20% 0% 25% 25% 100%
評価の特記事項 定期試験の結果のみならず、出席を前提として受講態度に評価の重点を置くことに留意されたい。
テキスト 講義用として、田中建二著『財務会計入門〔第4版〕』中央経済社を使用する。
また、準備学習用として、菊谷正人編著『財務会計学通論』税務経理協会を使用する。

参考文献 小林秀行著『会計基準』同文舘出版.
その他、毎回の講義内容をふまえて随時指示する.
オフィスアワー(授業相談) 月曜日午前12時15分から12時55分まで。事前のアポイントを要する。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ  本講義は、「会計学」のような入門的要素が一切なく、日商簿記検定1級レベル以上の範囲を予定している。したがって「会計学」との並行履修は望ましくない。履修の際にはこの点に注意されたい。新会計基準および連結会計論等の一定の水準以上の簿記・会計の知識が必要な内容を取り上げることになるため、予習と復習が不可欠となる。
 講義中は「私語厳禁」とし、協力しない受講生には厳しく対応する。
 毎回、講義終了時に講義内容の要約と質問等を書いてもらい、これをもって「その他」の評価点とする点にも十分に留意されたい。
 なお、第1回目の講義は、講義の進め方についてガイダンスを予定しており、必ず出席すること。