講義名 マクロ経済学Ⅰ　≪□第一部≫
講義開講時期 後期
曜日･時限 水２･金４
単位数 4

担当教員
氏名
廣野　桂子

学習目標(到達目標) 「マクロ経済学Ⅰ」では，一国の経済活動の決定要因と経済政策の基礎理論を中心に説明を行う。この講義では，現実のマクロ経済現象を読み解くマクロ経済学の構造を理解するため，最低限必要な「基礎知識」，「経済学の考え方」，「分析手法」を習得することが目標となる。
授業概要(教育目的) マクロ経済学Ⅰの講義範囲は，共通テキストにおける第1章～第6章とする。

定期試験で実施される共通試験が，評価の５０％となる。
共通試験範囲は第2章～第6章とするが，第3章を除く。

なお，講義範囲が共通試験範囲を超える部分の扱いについては各担当教員のシラバスに従う。また，マクロ経済学Ⅱの履修はマクロ経済学Ⅰの単位取得を前提としている。高校までの数学の基礎知識の予習復習をお勧めする。
授業計画表
 
回項目内容
第1回授業のガイダンス授業の目標・概要
授業の各回で勉強する内容の説明
授業の形式と評価の方法
テストと宿題の説明
テキストと参考文献の説明
履修する際の注意事項
マクロ経済学とミクロ経済学の違い
（準備学習）この授業のシラバスとテキストの1-3を読む事
第2回第１章　日本経済の循環と変動　日本経済の最近の動きを解説する。
（準備学習）テキストの1-1を読む
第3回第１章　日本経済の循環と変動マクロ経済学の基本的なコンセプトを学習する。
（準備学習）テキストの1-3を読む
（キーワード）フローとストック、名目と実質、静学と動学
第4回第２章　ＧＤＰの概念と物価指数ＧＤＰとは何か、および、ＧＤＰとＧＮＰの違いについて学習する。付加価値の定義とＧＤＰの計算方法を学ぶ
（準備学習）テキストの2-1を読む
（キーワード）ＧＤＰ、ＧＮＰ、付加価値、グロスとネット、固定資本減耗
第5回第２章　ＧＤＰの概念と物価指数ＧＤＰの三面等価の原則を理解する
（準備学習）テキストの2-2を読む
（キーワード）生産面からみたＧＤＰ、分配面からみたＧＤＰ、支出面からみたＧＤＰ
第6回第２章　ＧＤＰの概念と物価指数ＩＳバランス、消費と投資の違い、および、在庫について学習する。
（準備学習）テキストの2-2を読む
（キーワード）ＩＳバランス、財政赤字、貿易・サービス収支
第7回第２章　ＧＤＰの概念と物価指数インフレーションが続くとどうなるかを考え、物価水準の指標にはどのようなものがあるかについて学ぶ。それぞれの物価指数の計算方法と特徴を理解する。
（準備学習）テキストの2-3を読む
（キーワード）ＧＤＰデフレーター、実質ＧＤＰと名目ＧＤＰ、消費者物価指数、企業物価指数、ラスパイレス指数、パーシェ指数
第8回練習問題の解説第２章の練習問題の解説
（準備学習）練習問題を行う
第9回第３章（3.1のみ）「短期」と「長期」
第４章　所得はどのように決まるか　		マクロ経済学における「短期」と「長期」の違いを理解する。消費関数と投資関数について、学ぶ。
（準備学習）テキストの3-1, 4-1, 4-2を読む
（キーワード）消費関数、限界消費性向、投資関数、投資の限界効率
第10回第４章　所得はどのように決まるか有効需要の原理についての基本的な考え方を学ぶ。
45度線法によって、財市場の均衡を示す。
（準備学習）テキストの4-3を読む
（キーワード）総需要、総供給
第11回第４章　所得はどのように決まるか乗数について理解し、政府支出や投資が変化したときの均衡所得の変化について学ぶ。乗数の波及プロセスを学習し、乗数効果の計算方法を学ぶ。
（準備学習）テキストの4-4を読む
（キーワード）財政政策と乗数、政府支出乗数、投資乗数
第12回第４章　所得はどのように決まるか減税乗数について学び、減税の均衡所得への効果を理解する。インフレギャップとデフレギャップについて学び、その対策について考える。
（準備学習）テキストの4-4を読む
（キーワード）減税乗数、デフレギャップ、インフレギャップ
第13回小テスト（準備学習）小テストの準備
第14回小テストの解説第12回までの授業を振り返りながら、小テストの解説を行う
第15回第５章　貨幣の需給と利子率貨幣の機能を学習し、貨幣の定義を考える。
ストック市場におけるワルラスの法則を理解する。
（準備学習）テキストの5-１を読む
（キーワード）価値尺度、交換手段、富の保蔵手段、マネーストック
第16回第５章　貨幣の需給と利子率貨幣の需要の要因（なせ人々は金融資産の一部を貨幣の形で持ちたいと思うのか）を学習する。債券価格と利子率の関係を理解する。　
（準備学習）テキストの5-2を読む
（キーワード）取引動機、投機的動機、予備的動機、割引現在価値
第17回第５章　貨幣の需給と利子率貨幣の供給について、学習する。中央銀行がどのようにして、市中の貨幣の量を操作するのかを学ぶ。
（準備学習）テキストの5-3を読む
（キーワード）貨幣の供給、ハイパワードマネー、中央銀行預け金、通貨乗数、公開市場操作、法定準備率操作、公定歩合政策
第18回第５章　貨幣の需給と利子率「ゼロ金利政策」が行われた頃の経済の状況と、ゼロ金利政策の効果について理解する。
（準備学習）テキストの5-4を読む
第19回第５章　貨幣の需給と利子率貨幣市場の均衡と利子率の決定について、学習する。
（準備学習）テキストの5-5を読む
（キーワード）貨幣市場における需給均衡
第20回練習問題の解説第５章の練習問題の解説
（準備学習）練習問題を行う
第21回第６章　IS-LM分析と財政金融政策IS曲線とは何かについて学習する。
IS曲線がどのようにして導出されるのかを理解する。
（準備学習）テキストの6-1を読む
（キーワード）財市場の均衡
第22回第６章　IS-LM分析と財政金融政策LM曲線とは何かについて学習する。
LM曲線がどのようにして導出されるのかを理解する。
（準備学習）テキストの6-2を読む
（キーワード）貨幣市場の均衡
第23回第６章　IS-LM分析と財政金融政策財市場と貨幣市場の同時均衡について学ぶ
非自発的失業が存在するケースを学習する
（準備学習）テキストの6-3と6-4を読む
（キーワード）均衡利子率、均衡国民所得
第24回第６章　IS-LM分析と財政金融政策財政政策の効果を、IS-LM分析で示す。
クラウディングアウトについて学ぶ。
（準備学習）テキストの6-5を読む
（キーワード）乗数効果、クラウディングアウト
第25回第６章　IS-LM分析と財政金融政策金融政策の効果を、IS-LM分析で示す。
「流動性のわな」について学ぶ。
（準備学習）テキストの6-5を読む
（キーワード）マネーサプライ、物価水準の下落、流動性のわな
第26回第６章　IS-LM分析と財政金融政策総需要曲線とは何かについて学び、総需要曲線をどのようにして導出するのかを理解する。
（準備学習）テキストの6-6を読む
（キーワード）総需要、物価水準
第27回第３章　マクロ経済学における短期と長期総供給曲線とは何か、その形状はどのようになっているのかについて、把握する。
（準備学習）テキストの3-2を読む
（キーワード）総供給、物価水準
第28回第３章　マクロ経済学における短期と長期経済の長期均衡について、学ぶ
（準備学習）テキストの3-2を読む
（キーワード）総供給曲線、総需要曲線、短期と長期
第29回授業全体のまとめこれまでの授業のまとめ
第30回まとめ授業の理解度の確認とまとめ
授業形式 講義形式
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
（出席） 		その他 合計
90% 0% 0% 10% 40% 140%
評価の特記事項 定期試験（60分）で、共通試験と個別試験が同時に実施されます。成績評価については、50％は共通試験，残り50％は定期試験での個別試験及び各教員の配点とします。
テキスト 中谷巌『入門マクロ経済学』第5版　日本評論社
参考文献 大竹文雄『スタディガイド　入門マクロ経済学』第５版　日本評論社
伊藤元重『マクロ経済学』第２版　日本評論社
オフィスアワー(授業相談) 月曜３時限（事前にメール等でアポイントメントを取ってください）
事前学習の内容など，学生へのメッセージ マクロ経済学の理解には、積み重ねが必要です。毎回必ず授業に出席して、内容を理解するようにしてください。かつ、授業で配布する練習問題を解いて下さい。エコリンクに授業の資料をアップロードしますので、印刷して授業に持ってきてください。
マクロ経済学を理解すると、社会人になってから、新聞などの経済のニュースがわかりやすくなります。