回 | 項目 | 内容 |
第1回 | オリエンテーション | 授業の方法、民法に必要なものの見方などを説明する。予め、自分の社会生活の中で、民法と関連している事象を検討してみよう。部屋を借りる。洋服を買う。など民法と自分の社会生活の接点を確認する。 |
第2回 | 民法の生成と発展、六法システムの歴史的発展。 | 民法のみならず、六法システムが歴史的にどのように発達してきたかを確認する。
法学の授業を復習すること。法学を受講していない場合には、購入した六法を開いてみること。そして、どのような法律があるか確認しよう。 |
第3回 | 私的所有の保障、自由な契約制度、権利能力制度などを理解し、説明できる。 | 民法の理想とする社会のイメージを探る。私的所有の保障、自由な契約関係の承認、権利能力制度がどのようにして承認され、それとの民法との関連性を理解する。経済学の授業を思い出し、土地の私有制はいつから確立したか、自由な取引を実現する社会システムは、いつから発生したかなどを確認する。 |
第4回 | 近代市民革命と民法、日本の民法制度の誕生。 | 日本の民法制度の誕生までの歴史を理解し、説明できるようにする。フランスでの六法システムの誕生とその歴史を理解し、説明できるようにする。
事前にフランス革命について調べておくこと。 |
第5回 | 物権と債権、債権の定義と意味を説明できる。 | 物権の意義を理解し説明できるようにする。また、民法上、物権にはどのような種類があるか理解する。債権の定義と意味を説明できるようにする。
日本の民法上、「物権」にはどのような種類があるか、調べておくこと。 |
第6回 | 財産法の三原則を説明できる。 | 権利能力平等の原則を理解し、説明できる。私的自治の原則の意味を理解し説明できる。また、所有権絶対の原則の意味を理解し説明できることを目指す。
第3回の授業の復習をすること。その授業の応用になります。 |
第7回 | 債権の発生原因には、法定債権関係と約定債権関係があることを説明できる。 | 債権の発生原因には、法定債権関係と約定債権関係があることを説明できる。また、法定債権関係には、不法行為、事務管理、不当利得関係があることを説明できる。
「債権」という言葉のいみを、調べておくこと。 |
第8回 | 契約制度の全体像、約定債権関係について説明できる。 | 契約関係、すなわち、約定債権関係について説明できる。贈与契約、交換契約、売買契約の意義と相違点について説明できる。賃貸借、使用貸借、消費貸借についての意義、それぞれの相違点について説明できる。民法の条文の549~696条を見ておくこと。 |
第9回 | 契約の成立要件、有効要件、効果帰属要件の意義、内容について、説明できる。 | 成立要件について、当事者、目的、意思表示が存在すること、などを学び理解する。有効要件について、当事者につき、権利能力、意思能力、行為能力が関係してくること、目的に関し、適法で社会的妥当性を有し特定しており可能なこと、意思と表示に不一致ないこと、などがあることを学び理解する。民法521-532条をみておくこと。 |
第10回 | 意思能力・行為能力・権利能力について、それぞれの制度の意義、定義を説明できる。 | 意思能力の意義と定義を理解し、これがない契約は無効となることを説明できること。行為能力制度の意義を理解し説明できること。
無効の意味について、自分なりに考えておくこと。 |
第11回 | 行為能力制度について、なぜ民法上行為能力制度が規定されているのか、説明できる。 | 未成年者のした契約が民法上どのように取り扱われているのか理解すること。親権者の同意のない未成年者がした契約は、取り消しうるものであることを理解すること。
取消のいみにについて調べておくこと。 |
第12回 | 成年後見制度について、全体像を説明できる。成年後見人を説明でき、家庭裁判所にどのような申し立てをすべきか説明できる。 | 成年後見制度を理解し、説明できること。被成年後見人がした契約が、民法上どのような保護手段が与えられているか理解し、説明できること。
民法4~21条を予め読んでおくこと。 |
第13回 | 成年後見制度について、保佐、補助の制度をの要件、効果を説明できる。 | 保佐、補助制度を理解し、被保佐人がした契約は民法上どのような保護手段が与えられているか理解し、説明できること。被補助人に関しても同様に理解し、せつめいできること。
前回同様、予め民法4~21条をよみ理解する。 |
第14回 | 法律行為の成立要件・有効要件について、意義と要件を説明できる。 | 特に、意思の欠缺の場合、瑕疵ある意思表示の場合、契約関係はどうなるかを理解し、説明できること。
講義の10回~13回を丁寧に復習しておくこと。すべて関連していること確認する。 |
第15回 | 中間のまとめ | まとめ |
第16回 | 代理制度の意義、全体像を理解し、説明できる。
有権代理のための要件を説明できる。 | 法定代理、任意代理の意義を理解し、説明できること。代理権授与行為、基本代理権の範囲などの意義を理解すること。
民法99条~108条を予め読むこと。 |
第17回 | 代理制度(2)、無権代理制度について説明できる。無権代理人の責任について、説明できる。
表見代理の意義について説明できる。 | 民法117条の意義を理解すること。表見代理に関する、民法109条、110条、112条などの条文の意義と要件を理解し、説明できること。
予め、民法117条、民法109、110、112条を読むこと。 |
第18回 | 売買契約について、売買の意義について理解する。売主、買主の権利義務について説明できる。 | 民法555条以下の売買契約の条文をよく読み、理解しておくこと。財産権移転義務、代金支払い義務などの関係を理解し、説明できるようにしておくこと。 |
第19回 | 売買契約・賃貸借契約、賃貸借契約の特色について説明できる。賃貸借の物権化について、説明できる。 | 債権関係としての賃貸借関係を理解すること。物権関係である地上権、永小作権との相違点を理解すること。
予め、賃貸借契約とはどういうものか考えておくこと。 |
第20回 | 賃貸借契約について、民法上の権利義務関係、特別法上の権利義務関係について、説明できる。 | 借地借家法や解釈により、賃貸借関係は、大きく変化していることを理解すること。
民法602条~622条まで読んでおくこと。 |
第21回 | 不動産取引と民法(1)不動産とは何かを理解し、説明できる。不動産登記制度を理解し、説明できる。 | 不動産取引に関しては、不動産物権変動論を理解すること。所有権の移転は、当事者の意思表示のみで効力が生じると解されていること(民法176条)を理解すること。
予め、176条をよみ、できれば暗記すること。 |
第22回 | 不動産取引と民法(2)意思主義、対抗要件主義について理解する。民法176条、177条を理解し、説明できる。 | 不動産の物権の移転を第三者に主張するためには、対抗要件としての登記が必要であることを理解すること(民法177条)。
予め、177条を何度も読んでおくこと。 |
第23回 | 動産取引と民法(1)動産とは何か、動産取引の特色を説明できる。 | 動産とは何かを、不動産と対比して理解し、説明できる。民法に規定されている、動産の引き渡し方法(4つ)を理解し、説明できる。
動産の意味について、調べておくこと。178条を読んでおくこと。 |
第24回 | 動産取引と民法(2)動産の即時取得の制度を理解する。民法192条の意味を理解し、説明できる。 | 動産の即時取得制度を説明できる。取引保護のため、無権利者からの権利取得を認め保護する特別な制度であり重要である。
192条を読んでおくこと。 |
第25回 | 債務不履行(1)の全体像を理解し、説明できる。
履行遅滞制度を理解し、説明できる。 | 債務不履行に基づく損害賠償責任を検討するもので、どのような場合に損害賠償責任が発生するか、理解する。
契約違反をしたらどうなるか、考えておくこと。 |
第26回 | 債務不履行(2)に関し、履行不能、不完全履行に基づく損害賠償の制度を理解し、説明できる。解除制度を理解し、説明できる。 | 履行遅滞以外のばあいを検討するもので、前回と連続したテーマである。履行不能、不完全履行の場合の意義を理解し、損害賠償請求の要件を説明できるようにする。
民法412条~422条、540条~548条をよんでおくこと。 |
第27回 | 不法行為の成立要件・効果について理解する。特に、民法709条について意義、要件を理解し、説明できるようにする。 | 民法709条は、交通事故や、公害事件などの被害者が加害者に損害賠償責任を追及する根拠条文として重要である。709条の要件を理解し、正確に説明できることが必要である。
民法709条を読んでおくこと。できれば、暗記するとよい。 |
第28回 | 特殊な不法行為制度、使用者責任の規定(民法715条を理解し、説明できるようにする。 | 使用者責任の規定も、不法行為責任の追及の際にはよく用いられる規定である。民法715条の趣旨を理解し、要件を説明できること。
民法715条を読んでおくこと。 |
第29回 | 債務不履行、不法行為制度の理解の確認 | 16回以降の要点とまとめ。
授業のノートをよく復習すること。 |
第30回 | まとめ | まとめ |