講義名 総合講座(まちづくり(コミュニティ)デザイン) ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 火5
単位数 4

担当教員
氏名
根本 志保子

学習目標(到達目標) 商店街の活性化や地域コミュニティ形成の方法として,地域商店や住民などによる「まちづくり」があります。本講義では,大学周辺の「三崎町のまちづくり」をテーマに,オムニバス講義とグループによるプロジェクト提案を行います。最終回では近隣地域の方やまちづくりの専門家をお招きし,各グループが成果を発表します。地域や社会に発生している様々な問題を学ぶとともに,現実社会における問題発見および解決能力の育成,情報収集・コミュニケーション技術の習得,グループによるプロジェクト遂行能力の向上などを図ります。講師の先生方や地域方との交流・意見交換を通して,社会に出てからも役立つ発想力・実行力を身につけます。
授業概要(教育目的) 少人数制(約30~40名)のもと,前期は複数の専門化によるオムニバス授業とワークショップを行います。
地域の歴史,都市問題,都市計画,環境・アメニティ,建築・デザイン,事業計画の立て方,資金調達,財政・金融などについて主に講義形式で授業を行います。また対象となる三崎町を歩くことにより,具体的な課題を発見し,テーマを設定します。
後期はグループによるディスカッションを重ね,「三崎町まちづくりプロジェクト」の提案と発表をグループ単位で行います。各グループのプロジェクトに対しては講師の先生や各専門家(都市計画家,行政・金融機関にお勤めの方など)から具体的なアドバイスと評価がなされます。
授業計画表
 
項目内容
第1回授業のねらいと構成:まちづくりとは
<講義>
まちづくりとは何か、まちづくりの必要性、手法など1年の授業の概要を説明します。
第2回まちの課題と自分たちのまち
<講義とワークショップ>
国内外の地域問題の傾向を学び、それに対するまちづくりの事例を紹介します。
また自分の住むまちについてのイメージ等についてワークショップをします。
【事前準備】
自分の住むまちや大学周辺をどう思うか、考えてくること。
第3回まちづくりと歴史<講義>
三崎町を事例に地域の歴史や文化について紹介します。
【事前準備】
千代田区や大学周辺や近隣駅(千代田区、水道橋、神保町、御茶ノ水、飯田橋など)の場所や概要を調べてくること。
第4回まちづくり都市計画
<講義>
まちづくりに関連する都市計画手法や法律を解説します。
【事前準備】
第1回で配布したプリントを予め読むこと。
第5回三崎町を歩いてみよう(まち歩きのポイント)<講義とワークショップ>
次週の三崎町の実査に備えて、まち歩きの際の注意するポイントや観察対象などについて説明します。
【事前準備】
第3回~第4回で配布したプリントを予め読むこと。
第6回三崎町を歩いてみよう(実査①)
<ワークショップ>
グループに分かれて、三崎町を歩き、実際の様子や課題の発見をします。
【事前準備】
第5回で配布したプリントを予め読み、当日持ってくること。
第7回三崎町の課題の確認
<ワークショップ>
前週の実査をもとに、三崎町の課題を話し合います。【事前準備】
第5回~第6回で配布したプリントを予め読み、第6回で行った実査で得られたことをまとめてくること。
第8回三崎町の実際<ワークショップ>
三崎町の方を教室に来ていただき、三崎町の実際についてお話を伺います。
【事前準備】
第3回~第7回で配布したプリントを予め読むこと。
第9回まちづくりと関係者・所有権<講義とワークショップ>
架空のまちを例に、再開発をするとしたらどのような関係者がどのような所有・利用で、再開発事業を行うのか、積木を使って考えます。
【事前準備】
第1回で配布したプリントを予め読むこと。この日は宿題が出ます。
第10回まちづくりと政策・財政
<講義>
まちづくりに関連する政策と財政を解説します。
【事前準備】
第9回で出た宿題を提出すること。
第11回まちづくりと資金調達<講義>
まちづくりに必要な資金とその調達について解説します。
【事前準備】
第1回で配布したプリントを予め読むこと。
第12回まちづくりと建築・デザイン
<講義>
建築・デザインの観点から「まちをつくる建物とは」を考えます。
【事前準備】
第4回で配布したプリントを予め読むこと。
第13回三崎町での実査②<ワークショップ>
まち歩きやヒアリングで分かった地域の実際や問題点を三崎町で再び調査します。
【事前準備】
前回の実査の結果を予めよく把握してくること。
第14回事例紹介と事業計画の立て方①
<講義>
後期のプロジェクト提案に備え、まちづくり事例の紹介と事業計画の立て方を解説します。
【事前準備】
前期の資料を全て予め読むこと。
第15回前期のまとめ
<講義>
前期のまとめをし、夏休みの宿題を出します。
【事前準備】
前期の資料を全て予め読むこと。
第16回三崎町のまちづくり①-グループ分け<ワークショップ>
夏休みのレポートをもとに後期のプロジェクト提案のグループ分けをします。
【事前準備】
三崎町で何を提案したいか、各自が提出した夏休みの宿題をもとに考えてくること。
第17回三崎町のまちづくり②-コンセプト話し合い
<ワークショップ>
グループに分かれて問題解決の方向性を話し合います。
【事前準備】
前回までの資料を持ってきて下さい。前回の作業を踏まえて授業までにグループごとに調査や問題整理の準備をすること。
第18回まちづくりと事業計画の立て方②<授業とワークショップ>
カフェ経営を事例に事業計画の立て方を解説・練習します。
【事前準備】
前回までの資料を持ってきて下さい。前回までの作業を踏まえて、グループごとに調査、問題整理、アイデア出しなどの準備をすること。
第19回三崎町のまちづくり③
(プランニング/事業スキーム)
<ワークショップ>
プロジェクトのコンセプトを実現するための事業計画を話し合います。
【事前準備】
特に、第14回と第18回の資料を持ってきて下さい。前回までの作業を踏まえて、グループごとに調査、問題整理、アイデア出しなどの準備をすること。
第20回中間発表①と修正
<ワークショップ>
各グループのコンセプトと方向性を発表し、講師やほかの学生から意見を聞きます。
【事前準備】
中間発表のための準備をグループで行ってくること。
第21回三崎町のまちづくり④
(プランニング/事業スキーム)
<ワークショップ>
中間発表で得た意見をもとに、プロジェクトのコンセプトを実現するための事業計画を話し合います。
【事前準備】
中間発表での指摘に対し修正の方向性を考えてくること。
第22回三崎町での実査③
<ワークショップ>
プロジェクト実現に必要な情報収集を行います。
【事前準備】
実査に関する資料と前回までの資料を持ってくること。
第23回三崎町のまちづくり⑤
(プランニング/事業スキーム)
<ワークショップ>
プロジェクトのコンセプトを実現するための事業計画を話し合います。
資金計画や組織などについても検討します。
【事前準備】
実査の結果と前回までの作業を踏まえて、グループごとに調査、問題整理、アイデア出しなどの準備をしてくること。特にフィールドである三崎町をよく調査すること。
第24回三崎町のまちづくり⑥
(プランニング/事業スキーム)
<ワークショップ>
プロジェクトのコンセプトを実現するための事業計画を話し合います。
資金計画や組織などについても検討します。
【事前準備】
前回までの作業を踏まえて、グループごとに調査、問題整理、アイデア出しなどの準備をしてくること。特にフィールドである三崎町をよく調査すること。
第25回中間発表②と修正
<ワークショップ>
各グループの事業計画を発表し、講師やほかの学生から意見を聞きます。
【事前準備】
2回目の中間発表を行います。グループごとに、授業で用いるスケッチブックかパワーポイント等での発表準備をしてくること。
第26回成果のまとめとプレゼンテーション練習①<ワークショップ>
最終発表会に向けてプロジェクトの事業計画をまとめ、発表の準備をします。
【事前準備】
2回目の中間発表での指摘に対し修正を準備し、グループごとにパワーポイント等の発表準備を進めること。
第27回成果のまとめとプレゼンテーション練習②
<ワークショップ>
最終発表会に向けてプロジェクトの事業計画をまとめ、発表の準備をします。
【事前準備】
グループごとにパワーポイント等の発表準備を進めてくること。途中経過を担当講師に提出し、チェックを受けてること。
第28回発表会の予行とチェック
<ワークショップ>
次週に備えて発表の予行とチェックを行います。
【事前準備】
グループごとにパワーポイント等の発表準備を進めてくること。途中経過を担当講師に提出し、チェックを受けること。
第29回成果の最終発表会
講師の先生方や地域の方をお呼びして、成果発表会を行います。
【事前準備】
グループごとにパワーポイント等の発表準備を進めること。発表内容を担当講師に提出し、最終合格をもらってから発表します。
第30回1年のまとめ
1年のまとめとして個人レポートを提出します。
【事前準備】
最終発表会で指摘されたことを踏まえ、個人レポートを提出すること。
授業形式  テーマごとに複数の講師を迎え,前期は主に講義形式とフィールド調査,後期はグループによる意見交換・計画案作成・発表などのワークショップ形式で行います。学生自身による三崎町の町歩きや住民の方へのインタビューなども行います。
 グループによるプロジェクトの提案・発表では,実際にまちづくりに携わっている講師の先生からアドバイスや批評を受けながら進め,最終発表会では講師の先生方,地域や行政の方々をお呼びしてパワーポイントや写真などによる成果をグループで発表します。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
0% 60% 0% 10% 30% 100%
評価の特記事項 夏休みレポート30%(個人),後期の成果発表とレポート60%(グループの成果発表会30%,個人レポート30%),出席点10%。後期はワークショップに7割以上出席していることを前提とします。
テキスト 第1回授業にて知らせます。
参考文献 第1回授業にて知らせます。
オフィスアワー(授業相談) 火曜の14:40~16:10 
事前に予約のこと。予約方法は初回授業にて知らせます。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ  受講生が40人を超過する場合には,抽選を行います。出席および議論への積極的な参加・貢献を希望します。後期のプロジェクト提案および発表前には,授業時間以外にも成果のまとめへの準備が必要となります。グループ分けはこちらで行い,学年も混ぜます。グループでの討論・発表は大変ですが,その分得るものも大きいと思います。
 経済・社会,経営・ビジネス,金融・財政支援の実際などを身近な例で学び,また学生自らが問題を解決する方法を考え,様々な分野の専門家と交流することで,多くの技量が身に付くと考えています。また通学するだけでは知らなかった大学周辺の店舗や人を知り,地域への愛着も生まれると思います。