講義名 所得税法Ⅰ ≪大学院≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 土5
単位数 2

担当教員
氏名
成道 秀雄

学習目標(到達目標) 所得税法の基本構造の概要を中心に、所得区分から税額計算までの流れを修得させる。重要な判例も取り上げて、理解を深めてもらう。
授業概要(教育目的) 下記の共通テキスト第3章第2節第1款の第1項から第5項を範囲とする。 また、税研178号最新租税基本判例70を参考図書として用います。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス「所得税法Ⅰ」で何を学ぶか、その対象を解説する。
第2回所得税の意義所得税は個人の所得に対して課される税であるが、その内容は決して容易でない。その担税力は所得であるものの、単に所得の大きさだけでなく人的事情等も考慮しなければならないことから、その所得計算は難解ともいえる。
準備学習 第1回の講義で配布したプリントを予め読んでおくこと
第3回納税義務者所得税の納税義務者として、我が国の居住者と非居住者と分けることができる。居住者においては日本国内で得た所得(国内源泉所得)と日本国外で得た所得(国外源泉所得)を合算して税額を計算し、非居住者においては日本国内から得た所得に対してのみ課税することになる。国際化が進むなかで、「住所」の概念も広がりを見せており、その区分も単純なものではなくなってきている。
準備学習 第2回の講義で配布したプリントを予め読んでおくこと
第4回所得税の形態所得税の形態としては、分類所得税と総合所得税とに分けることができる。沿革的には前者から後者に移ってきたが、現行税法はその混合の状態ともいえよう。理想と現実をどう調整していくかは、かなり難しい問題をはらんでいる。
準備学習 第3回の講義で配布したプリントを予め読んでおくこと

第5回課税単位各国によって課税単位が異なっている。我が国においては個人単位であるが、米国では夫婦単位であり、フランスでは家族単位である。我が国において沿革的にみると、家族単位から始まっている。各国と比較しながら、その内容を検討していく。
準備学習 第4回の講義で配布したプリントを予め読んでおくこと
第6回所得の人的帰属実質的所得者課税の原則から考察する。重要判例を紹介しながら検討を加えることとする。
準備学習 第5回の講義で配布したプリントを予め読んでおくこと
第7回所得区分 
1利子所得、配当所得
利子所得、配当所得の意義と仕組みについて考察する。
準備学習 第6回の講義で配布したプリントを予め読んでおくこと
第8回2給与所得、退職所得給与所得、退職所得の意義と仕組みについて考察する。
準備学習 第7回の講義で配布したプリントを予め読んでおくこと
第9回3事業所得、不動産所得、山林所得
事業所得、不動産所得、山林所得の意義と仕組みについて考察する。
準備学習 第8回の講義で配布したプリントを予め読んでおくこと
第10回4譲渡所得譲渡所得の意義と仕組みについて考察する。
準備学習 第9回の講義で配布したプリントを予め読んでおくこと
第11回5一時所得一時所得の意義と仕組みについて考察する。
準備学習 第10回の講義で配布したプリントを予め読んでおくこと
第12回6雑所得雑所得の意義と仕組みについて考察する。
準備学習 第11回の講義で配布したプリントを予め読んでおくこと
第13回収入金額と必要経費所得税は所得に担税力があるものとして課税するのであり、その所得は収入金額から必要経費を差し引いて計算される。その収入金額と必要経費はどのようにして求められるかを考察する。
準備学習 第12回の講義で配布したプリントを予め読んでおくこと
第14回税額の計算所得の金額に税率を掛けて税額が計算されるが、税率は租税政策によって決定されるものであるので、所得税収と他の税種からの税収との割合を概観し、かつ諸外国における所得税収との比較、検討を行うこととする。
準備学習 第13回の講義で配布したプリントを予め読んでおくこと
第15回まとめ前回までの講義内容をまとめるとともに、今後の所得税のあり方について検討することとする。
第14回の講義で配布したプリントを予め読んでおくこと
授業形式 通常は講義形式であるが、講義の内容によってはグループ毎での報告形式も実施する。レジメを用意することがあるので、それも参考に報告すること。 
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
0% 0% 0% 50% 50% 100%
評価の特記事項 「その他」50%は、各院生には報告を課すが、その報告内容を考慮することとする。
テキスト 金子宏『第19版 租税法』(法律学講座双書) 
参考文献 税研178号最新租税基本判例70 日本税務研究センター(2,100円+税)
オフィスアワー(授業相談) 本講義終了後、3階講師室にて20分間は対応しています。講義内で配布した指定アドレスに連絡して下さい。回答は次回講義後とします。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 所得税は消費税と同じように極めて身近な税であるが、担税力を所得としていることから、決して容易な税ではない。所得とは何であるかという原点に戻って、所得税の本質を理解してもらいたい。