講義名 クレジットリスクマネジメントⅠ ≪大学院≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 水3
単位数 2

担当教員
氏名
渡邉 修士

学習目標(到達目標) 金融機関の信用リスクの管理は非常に難しく、過度の金融緩和の下での金融機関の過大なリスクテイクは日米でバブルを形成し金融危機を招いた。日米のバブルを信用リスクという観点から概観した上で、社債・ローンのポートフォリオベースでの信用リスクの定量的把握の方法について解説する。リスク計算の基本的考え方を説明し、信用リスク管理の失敗としての金融危機の原因を明らかにする。信用リスク管理は不確実性を扱うものであり、期待値計算をはじめとする数量的分析能力の涵養を目指す。目標は統計的・確率的思考を身に着けることとし、シミュレーションの考えを理解し、期待値計算を中心とする信用リスク計算が出来るようになること。
授業概要(教育目的) 信用リスク管理は金融機関のリスク管理の中でも最も困難なものであるが、今日の金融ビジネスでは避けて通れない重要な問題である。クレジットリスクマネジメントIでは、ポートフォリオのリスクを中心にその基本的なものの考え方を学び、クレジットリスクマネジメントIIでは、それを基に個別企業のリスク評価を中心とする実際の信用リスク管理システムのあるべき姿について説明する。金融危機発生の原因を論理的に説明し、現実と理論の繋がりの理解を助ける。信用リスク管理は、経済学、統計学、数学、計算科学等の集大成であり、広範な知識の習得とその応用力涵養を目指す。それを通して今日の金融についての深い理解を獲得する場を提供する。
授業計画表
 
項目内容
第1回イントロダクション : 何故クレジットリスクマネジメントが必要なのか?
クレジットリスクマネジメントを学ぶ動機づけを述べる
第2回日米のバブルとクレジットリスクマネジメント (1) 
日本のバブルを信用リスクの観点から解説する
第3回日米のバブルとクレジットリスクマネジメント (2) 米国のバブルを信用リスクの観点から解説する
第4回日米のバブルとクレジットリスクマネジメント (3) 
日米のバブルを信用リスクの観点から解説する
第5回ローン・社債の信用リスクとその管理 (1) 
銀行のローンビジネスについて解説する
第6回ローン・社債の信用リスクとその管理 (2) 
ローンの信用リスクとその管理について解説する
第7回ローン・社債の信用リスクとその管理 (3) 
社債の信用リスクとその管理について解説する
第8回ローン・社債の信用リスクとその管理 (4) 
社債の信用リスクの計算について解説する
第9回信用リスクの評価とその管理 (1) : 信用リスクが独立事象の場合
ポートフォリオの信用リスクが独立である場合のリスク分散の有効性について解説する
第10回信用リスクの評価とその管理 (2) : 信用リスクが独立事象の場合
ポートフォリオの信用リスクが独立である場合のリスク分散の有効性について解説する
第11回信用リスクの評価とその管理 (3) : 信用リスクが非独立事象の場合
ポートフォリオの信用リスクが独立でない場合のリスク分散の有効性の限界について解説する
第12回信用リスクの評価とその管理 (4) : 信用リスクが非独立事象の場合
ポートフォリオの信用リスクが独立でない場合のリスク分散の有効性の限界について解説する
第13回信用リスクの評価とその管理 (5) : 日米バブル再考
信用リスクの特性を踏まえて日米のバブルの問題点について解説する
第14回信用リスクの評価とその管理 (6) : 日米バブル再考信用リスクの特性を踏まえて日米のバブルの問題点について解説する
第15回総括
授業形式 講義形式
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
80% 0% 0% 20% 0% 100%
評価の特記事項 出席を確認する
テキスト 各回レジュメを配布
参考文献 クレジットリスクマネジメント(カウエット、アルトマン、ナラヤナン著、シグマベイスキャピタル)
オフィスアワー(授業相談) 木曜9:30-11:00  事前にアポイントメントを取ること
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 経済学は学習の積み重ねによって初めて理解が可能となる。講義のレベルは高いので、授業に真面目に出席し理解に努めること。 特に、金融機関を目指す学生は復習が重要となる