講義名 歴史学 ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 水2
単位数 4

担当教員
氏名
武廣 亮平

学習目標(到達目標) 歴史を研究するさまざまな視点や素材(資料)をもとに「歴史とは何か」、「日本史とは何か」という大きなテーマを具体的に探究することで、学生各自が現代社会の歴史的位置づけを把握するとともに、自らを「歴史的世界」の構成者として自覚できるようになる。
授業概要(教育目的) 前期は歴史学の方法や考え方について、代表的な歴史書、歴史を区分するさまざまな方法(時代や地域)、歴史用語などのテーマを設定し、それぞれ具体的な事例をもとに講義を行う。後期は現代における日本の歴史の諸問題を項目別に取り上げ、歴史に対する探究能力を深める。
授業計画表
 
項目内容
第1回オリエンテーションと授業概要1年間の授業概要とポイントなどを明示する
第2回歴史叙述の誕生(ギリシア)ペルシア戦争を題材としたヘロドトスの『歴史』を中心に世界各地の歴史書を取り上げる
〔準備学習〕
古代ギリシアのポリス社会、ペルシア戦争
第3回ローマ帝国とキリスト教ヨーロッパ世界のもとになった政治的・宗教的世界
〔準備学習〕
共和政ローマと帝政ローマ
第4回「西暦」の誕生いわゆる西暦の成立の経緯とその普遍性
〔準備学習〕
イエスの布教活動
第5回ヨーロッパの成立「ヨーロッパ」とは何か?その成立と本質を考える
〔準備学習〕
フランク王国の成立と展開
第6回ヨーロッパの拡大と近代世界システム16世紀の大航海時代以降の世界の「覇権」の推移
〔準備学習〕
レコンキスタと大航海時代
第7回中国における歴史叙述司馬遷の『史記』と班固の『漢書』を素材として
〔準備学習〕
中国王朝の変遷概観
第8回中華世界とその構造「中華」という世界観とその構造、日本における中華思想の影響
〔準備学習〕
中国大陸とその周辺地域の地理的把握
第9回干支と元号中華世界または漢字文化圏に独自の紀年法の特徴
〔準備学習〕
日本への漢字文化の伝来
第10回イスラム世界イスラム教の成立と発展を概観する
〔準備学習〕
現在世界におけるイスラム教国家の確認
第11回ヒジュラ暦と世界の暦法イスラム世界の暦法であるヒジュラ暦と、世界のさまざまな暦法を学ぶ
〔準備学習〕
太陽暦と太陰暦の違い
第12回時代区分論三区分論による区分と発展段階説による区分など
〔準備学習〕
日本の歴史における時代区分
第13回新しい世界史像を求めてヨーロッパを中心とした「世界史」の限界と新たな世界史像の模索
〔準備学習〕
アフリカとラテンアメリカの歴史概観

第14回理解度の確認これまでの要点のまとめ
第15回中間のまとめまとめ
第16回歴史書と記録にみる日本史日本の歴史を明らかにする上で重要な歴史書や記録などを概観する
〔準備学習〕
日本の代表的な歴史書の成立とその内容
第17回『魏志』倭人伝と邪馬台国『魏志』倭人伝に記述がある3世紀の日本について
〔準備学習〕
邪馬台国の所在地をめぐる学説
第18回『日本書紀』にみる神話的歴史意識『日本書紀』の成立とその神話記事の分析
〔準備学習〕
『古事記』と『日本書紀』の成立
第19回『続日本紀』と奈良時代の政変8世紀(奈良時代)の政治と権力構造政変
〔準備学習〕
奈良時代の政治と氏族
第20回『往生要集』と末法思想日本における末法思想と浄土教の展開
〔準備学習〕
平安時代の仏教
第21回『小右記』と貴族の日記平安時代の政治や思想を貴族の日記を素材に考える
〔準備学習〕
摂関政治と藤原道長
第22回『吾妻鏡』にみる源頼朝武家政権である「幕府」とそのリーダーである「征夷大将軍」の性格
〔準備学習〕
鎌倉幕府の成立、征夷大将軍について
第23回『愚管抄』と承久の乱
『愚管抄』が描いた歴史像と著者慈円の立場
〔準備学習〕
院政、承久の乱
第24回「後醍醐天皇像」と天皇権力歴史資料としての「肖像画」とそのメッセージ
〔準備学習〕
鎌倉幕府の滅亡と建武の新政
第25回『神皇正統記』にみる歴史観南北朝時代という歴史の転換点における独自の歴史観とその影響
〔準備学習〕
日本における儒教思想
第26回『信長記』と『信長公記』織田信長の2つの伝記の比較・分析を通して見えてくる「人物史」の課題
〔準備学習〕
織田信長の天下統一事業
第27回『読史余論』の政治思想新井白石が論じた徳川幕府の正当性とその根拠
〔準備学習〕
幕藩体制、正徳の治
第28回戦前の歴史教科書を読む明治から太平洋戦争敗戦までの尋常小学校の歴史教科書にみられる歴史観
〔準備学習〕
近代の教育制度
第29回理解度の確認これまでの要点の確認
第30回まとめまとめ
授業形式 講義形式で行う
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
60% 20% 0% 20% 0% 100%
評価の特記事項 授業の理解度を問う試験やレポートの評価を重視する。
テキスト 特に使用せずプリントを配布する。
参考文献 授業中に適宜紹介する。
オフィスアワー(授業相談) 金曜日3講目または月曜日3講目(研究室)
事前学習の内容など,学生へのメッセージ あらかじめ数時間分の資料(プリント)を配布する予定なので、次回の資料を事前に通読すること。