講義名 文学A ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 金5
単位数 4

担当教員
氏名
高橋 啓之

学習目標(到達目標) 前期は川柳を中心とした言語遊戯を学ぶことにより、日本文学の様々なレトリックを説明することができ、それととともに、江戸時代の習俗や文芸に触れることにより、広く日本の文学について説明できるようになる。また、後期は江戸時代の絵本について講義する。現代のアニメ・漫画文化へと続く「草双紙」に関して、特に江戸期における出版戦略や営為と絡めて考えることにより、文学と経済について説明できるようになる。また、単に文学に留まらず、芸能や絵画など周辺分野も巻き込み考えることにより、メディアミックスや世界観、スピン・オフといった現代でも用いられる文芸用語についても説明できるようになる。
授業概要(教育目的) この講義では様々な日本の文芸を学ぶことにより、社会人としての豊かな人格形成の一助となればと思っている。また、江戸時代の出版戦略を学ぶことにより、文芸と経済について、理解してもらうことを目的とする。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス
前期の授業の概観と、授業を受ける上での諸注意。
第2回言語遊戯とは?上代から中世までの様々なレトリックについて考える。
【準備学習】自分の知っている「言葉遊び」について、まとめておくこと。
第3回「なぞ」の時代言語遊戯の中でも「なぞ」について講義する。
【準備学習】自分の知っている「なぞなぞ」を挙げておくこと。
第4回川柳前夜連歌、連句、笠付けなどの韻文学について、講義する。
【準備学習】前回の講義を復習しておくこと。
第5回川柳とは?現代まで続く「川柳」について、発生、内容、時代背景について講義する。実際に川柳を学生諸君に作ってもらう。
【準備学習】現代川柳について、新聞等で予習しておくこと。
第6回川柳を詠む(1)江戸時代の日常句について講義する。
【準備学習】第4回の講義について復習しておくこと。
第7回川柳を詠む(2)江戸時代の詠史句について講義する。
【準備学習】百人一首について、事前に調べておくこと。
第8回川柳を詠む(3)前回に引き続き、詠史句について考える。
【準備学習】前回の講義ノートを復習しておくこと。
第9回川柳を詠む(4)川柳と年中行事について講義する。
【準備学習】五節句について、調査しておくこと。
第10回川柳を詠む(5)経済に関する川柳について講義する。
【準備学習】江戸時代の貨幣経済について、調査しておくこと。
第11回川柳を詠む(6)前回に引き続き、経済に関する川柳について講義する。
【準備学習】前回の講義ノートを復習しておくこと。
第12回判じ絵を読む江戸時代の判じ絵を解説する。
【準備学習】浮世絵について、予備調査しておくこと。
第13回江戸の浮世絵について鈴木春信・歌川国芳の遊び絵を鑑賞する。
【準備学習】前回の講義ノートを復習しておくこと。
第14回理解度の確認これまでの要点のまとめ
第15回まとめまとめ
第16回ガイダンス後期内容について概観する。
第17回江戸文学の背景江戸文学の時代背景と出版文化について講義する。
【準備学習】江戸時代の日本文学史について、簡単に予備調査しておくこと。
第18回文学の商品化について版本と写本の比較、文学の商品化について講義する。
【準備学習】版本と写本ついて、簡単に予備調査しておくこと。
第19回草双紙前夜中世までの絵巻物と江戸時代の絵本について講義する。
【準備学習】鎌倉・室町時代の絵巻物について、簡単に予備調査しておくこと。
第20回首都としての江戸の完成と草双紙の誕生享保の改革前後の江戸と文学について講義する。
【準備学習】享保の改革について、簡単に予備調査しておくこと。
第21回江戸の出版戦略1江戸時代の出版戦略を井原西鶴のメソッドから考える。
【準備学習】井原西鶴について簡単に予備調査しておくこと。
第22回江戸の出版戦略2草双紙の文学史について講義する。
【準備学習】江戸時代の戯作について、簡単に予備調査しておくこと。
第23回江戸の出版戦略3草双紙の特性について講義する。
【準備学習】第22回講義の際に配布されたプリントを精読しておくこと。
第24回見立絵本を読む。『絵本見立百化鳥』を鑑賞する。
【準備学習】「見立て」について予備調査しておくこと。
第25回キャラクター化された妖怪たち『絵本纂怪興』と『画図百鬼夜行』
【準備学習】森島中良と鳥山石燕について、簡単に予備調査しておくこと。
第26回江戸の草双紙を読む1山東京伝の草双紙を読む。
【準備学習】山東京伝について、予備調査しておくこと。
第27回江戸の草双紙を読む2前回に引き続き、山東京伝の草双紙を読む。
【準備学習】前回内容を復習しておくこと。
第28回草双紙と歌舞伎メディアミックスと世界観について講義する。
【準備学習】歌舞伎の歴史について、簡単に予備調査しておくこと。
第29回理解度の確認16回以降の要点のまとめ
第30回まとめまとめ
授業形式 講義を中心に行うが、特に前期は授業への積極性が重要となる。後期はDVDなどの映像資料も用いて、具体的に講義をしていく。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
50% 10% 10% 30% 0% 100%
評価の特記事項 特に出席は重視し、原則として遅刻、欠席は、合わせて各期3回までとし、それ以上のものは、単位を認定しない。また、就職活動は普通に欠席であるので、四年生は受講する際、留意すること。
テキスト 授業時に、プリント配布する。
参考文献 必要に応じて、授業時に指示する。
オフィスアワー(授業相談) 本講義終了後20分は、本館2階講師室で対応します。それ以外は、授業中に指定するアドレスに連絡してください。回答は次回以降の講義の時にします。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 受講に関して、日本文学の知識等は必要ありません。ただし、私語、飲食、携帯使用などに関しては厳正に対処します。甚だしい場合は単位を認定しません。また、四年生、保健体育審議会の学生は、初回の講義に必ず出席してください。面接を行います。